ヤギ健太の『遊撃手はやったことがない‼️』(副キャプテン編)
ヤギ健太が思いつきで一筆書きした、
小説風の小説風ショートショート(作家ではないので、あくまで”風”の”風”)を、お届け‼️
副キャプテンは、アオバくん。
もう、手紙だな、これは。
ラブレターだな。
彼とは、10年以上、会ってない。
彼以外の、球友たちとも、会うコトはなかった。
でも、
定期的に、思い出すのは、アオバくんのコトだ。
副キャプテンの彼は、
レギュラーではなかった。
簡単にいえば、
野球が上手ではないのだ。
野球の上手というのも、
説明が難しい、けれど。
投げるのが速ければ、上手いのか⁉️
素振りが綺麗なら、上手いと言えるのか⁉️
そういうことでもないし、
そういうことでもあるし。
で、アオバくんは、野球が好きだった。
阪神タイガースも好きだった。
おそらく、
今も、縦縞のユニフォームを着て、
CS放送を見ながら、
六甲おろしを歌ってるだろう。
私は、アオバくんが好きだった。
勘違いでなければ、
高校一年と三年で、
同じクラスだった。
彼は、出席番号が、いつも、一番だ。
アオバだから。
席は、一番前の窓側。
出席番号が、いつも、一番だから。
でも、
試合に、
出たことは、
あまりなかった。
先発メンバーに選ばれることは、
なかった。
伝令は、
彼の役目だったな。
ピンチの時に、
走ってくる姿を覚えている。
彼は、お笑いも好きだった。
そういえば、
なんとなく、
ナイナイの岡村さんに似ている。
猿っぽいところと、
真面目で要領があまり良くないところと、
爆発力があるところ。
そんな、アオバくんが、私は好きだった。
私がキャプテンとして、
堂々としていられたのも、
アオバくんが、
副キャプテンとして、
飄々としていたからだ。
飄々、なんか、違うな、、、
淡々、でもないし、
凜々、でもないし。
とにかく、
彼がいてくれたコトで、
私は、
本当に助けられたのだ。
そのことを、
私は、
何故か、
自分の親に話していたそうだ。
そして、
私の親が、
アオバくんの親に、
保護者会の席で、
伝えた、らしい。
そして、
アオバくんが、
普段、
全く言葉を交わさない、
母親から、
嬉しかった、
と伝えられた、らしい。
そして、
彼も、
嬉しかった、そうだ。
伝わるモノですね。
で、
なぜ、
私が、アオバくんのことが、好きなのか⁉️
中学生の頃、
彼は若松3中で、
ファーストを守っていた。
私は若松2中で、
一番バッターだった。
一塁ベース上で、
交差した際に、
彼の足が、
私の太腿を、
突いた。
私は、
崩れ落ち、
しばし、
立ち上がれなかった。
直後、
私は盗塁に、
成功した。
成功してしまって、
何だか、
嘘をついたみたいだった。
あの苦しそうに、
痛がってたのは、
演技だったのか⁉️
そのことを、
彼は、
それを覚えていた。
彼は、
本当に心配して、
痛いはずなのに、
盗塁するなんて、
スゴイなぁ、と、
自分のプレーで、
他人に痛みを与えるなんて、
本当に申し訳ないなぁ、と、
若松2中の小林は、
野球が上手いんだなぁ、と、
ファーストベースで、
感動していたそうだ。
そう、
彼は、野球をプレーするのに、向いてないのだ。
たぶん、そういうところ。
それでは。
【いつか、また、どこかで】
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