WC栄光への道『タラクシスの森』#2
アポケーテ施療団の野営地では、慌ただしさが増していた。
数日前の襲撃を退けて以来、近辺の森中で、ホーン・オヴ・ハシェットの斥候の姿を頻繁に見かけるようになったからだ。
かの獰猛な蛮族達は、一度の敗北などでおめおめと退く連中では無い。
再度の襲撃に備えるため、武器や霊薬の準備を怠るわけにはいかない。
なんの前触れもなく、節くれ森に猛々しい角笛の音が響き渡った。
それはまさに怒り狂う雄牛の咆哮を思わせるものであり、森を焼き払いながら、一直線に腐敗の盟約団の野営地を目指していた。