ある日アルバムを見ていて、それを見つけた。

公園の芝生の上でお姉さん座りをしているちょっと若い母の前に、猟犬のような犬が伏せをして写っている。

その時飼っていた犬は柴に似た雑種の「エル」
写真の犬は見るからにエルの若い時じゃない。なにせ体が今のエルより大きい。モノクロだが色が全然違う。何より顔つきが違う。外人と同じで鼻が高い。

僕「この犬、どこの犬？」
母「今のエルの前に飼うとったんよ」
父「シェパードいう犬やで。よう飯食いよった」

初耳だった。
シェパードって、テレビでしか見たことない。
こんなカッコいい犬がうちにいたのか！
この犬なら友達に自慢できるぞ。

でも、僕はエルがいい。エルしか犬は知らないけど…痩せっぽっちのエルがいい。
(エル、ごめんな)と謝った。

母「あ、その犬もエルいう名前やったんやで」

もしかして、僕もエルにされてたかもしれない