レビューサイトと最大値

※本記事は食べログなどレビューサイトの批判ではございません。


ラーメンを食べている時にふと思った。

1番美味しいと感じるラーメンは

どんなものなのだろうかと。


自身の考え方を述べる前に、少しだけ身の上を晒すことにする。
男性、アラサー、独身、全国転勤の会社勤務、中肉中背に見せたいデブ

時節柄、異動も視野に入ってきたのでその地域の美味しいものに未練を残さぬよう食べログの百名店を巡ろうと思い立ったのがつい先日。
1日に二店舗梯子で回ることもざらにある。

百名店というだけあり全て美味しい。王道の味や変化球、有名店や新進気鋭のニューカマー。世の中には実にさまざまな飲食店があるものだと驚かされる。

食べログは課金しプレミアム会員になることで様々な恩恵が得られるが、その一つに検索結果の得点順ソートがある。これだけでも十分に課金する価値のあるサービスである。
ユーザーの声を独自のアルゴリズムで集め、評価する。


食べログは、日本全国のお店を無料掲載し、実際にお食事をされたユーザーによる感想や写真を口コミとして公開することで、信頼できるレストランガイドとして皆様にご活用いただくことを目的としています。
食べログ公式サイトより引用:http://user-help.tabelog.com/faq_beginner/5/


評価結果、すなわちログが結実したものの一つが百名店だ。日本全国、時には東日本、東京、西日本でそれぞれ百店舗が選出される。

私はラーメン屋を巡ることが多い。旅先、出張先などで美味しいお店を探るのに重宝している。

話を冒頭に戻す。
1番美味しく感じるラーメンの話だ。

そもそも論として私がラーメン屋を巡り始めたのは、
“食べたい時に食べたい味に出会いたい”という動機によるものだ。

本当であれば、全ての食べ物×全てのお店でそれを考えるべきだがそこまでの時間的余裕・金銭的余裕はあいにく持ち合わせていない。

金欠の私はラーメンに絞って“食べたい時に食べたい味”をマッチングできるよう
さまざまなお店に行くようになった。そして行った場合には記録を点数として残すようになった。

冒頭にも述べたとおり現在勤務している地域から離れるかもしれないと考え、現在百名店巡りを懸命にしているがそこで時折思うことがある。

“思っていたよりも好みと合わない”
“今日はラーメンの気分じゃなかったな“と

そもそもの目的と手段がすり替わっているのである。当然の結果だ。
好きなラーメンを食べたいときに食べるはずが、食べたくない時に詰め込んでいるのだから。

ただ、自分自身の中でその店のイメージは訪れた時のものになる。
そしてそんな状態でログを残すのである。

本当であれば美味しいラーメンを最善のタイミングで食べることができたかもしれないのに時間に追われ、思わぬ出会いを果たしたせいで想定と異なる評価を受けたのだ。
お店側からすれば知ったこっちゃないし、甚だおかしいと思うだろう。

そうした区々では恣意的な評価を積み重ねることにより、一般性を付与したのが食べログだ。

ではどうすればそのお店に対して最大の評価をすることができるのだろうか?
食べログの評価に至る要素を因数分解してみた。

①そのお店の味
    ×
②その日の仕上がり
    ×
③食べる人の気分・好み・感受性
    ×
④衝撃度(点数バイアス、期待度)

ざっくり分けると4つである。
①②に関してはお店側の要素、③④に関しては食べる側の要素だ。
こうしてみると半分は作り手が、もう半分は食べ手が評価の要素を担っている。
そのお店を評価するという意味だといささいか歪な気もする。

①から③までは前述した通りで好きなものを好きな時に食べると、非常に幸福感が得られるだろう。

④について説明する。何事も初めてというのは鮮明に記憶に残る。食だけではなく人生経験全てがそれに当てはまると言っても過言ではない。良い初めての経験は幾つになっても忘れず刻まれる。人が何かに急にハマるときには十中八九この要素が含まれているだろう。

逆に経験を積むほど新鮮さからは遠ざかり、自分の過去との比較がはじまる。

“あ、この人私と合わない”
“これなんか違う”

自身の過去、上手く行った経験と比較して結論が出されることが多い。
食べログに関しては過去の擬似体験をログを通して行うことがある。
こんな経験ないだろうか?

“点数見て来たのに思っていたよりも美味しくない”

ログを通して期待値を上げているのである。良くも悪くも数値という形で比べるので、その人の中の3.5と初めての店を比べるのだ。友達から同意を求められても困るやつだ。

期待値が上がると、評価そのものが非常に難しい。
よほど+αがない限りはバイアス除きの評価を超えることはない。

好みの気分の時に(その人にとって)新鮮なものを食べる。
それが現時点で私の考える美味しいラーメンの作り方である。
何も考えずにふらっと立ち寄った店がおいしかった際に感動を覚えるのはそう言ったことに起因するのだろうと思う。

ここまで最大値の出し方について述べてきた。一見すると、食べログが悪のように見えるかもしれないが、飲食店から見た際に食べログは一点絶対的なストロングポイントがある。

”お店とお客さんを出会わせる“ということだ。
食べログを見て来ようと思うお客さんも今時多い。散々最大値について述べてきたが、出会わなければゼロだ。評価が生まれることもない。1番大切な機会を食べログは創出している。旅先の土地勘がない、知り合いもいないところで情報をくれるのだ。

以上、レビューサイトと評価の最大値について述べてきた。自分自身に絶対的な価値基準があるのであればそんなことは起こらないだろう。ただ、確固たる自分を全てのジャンルで持っている人も多くない。少なくとも私は持っていない。
ログに支配されているのも悪くはないが、一度向き合い方を考えてみるのも悪くはないだろう。

まあ、私はこれからも食べログ使いますが。

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