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久しぶりの投稿です。

ここ数日プライベートで色々あり、中々投稿することができませんでした。


タイトルにもある通り「性」について書いてみようかな。

性というとどのようなイメージを抱きますか?

色々ありますよね。

性別、異性、性欲、性行為などなど

今回は私が書くものは性行為の「性」についてです。


詳しくは障害者の性についてです。

特に私が分かる範囲でもありますが、何らかの障害により身体機能に制限がある方々の性についてです。

私は、元々医療機関で作業療法士として勤務をしていました。回復期リハビリテーションという位置づけの長くて半年程度の長期のリハビリを行っています。

主には、脳卒中患者が多く、在宅復帰や社会復帰に向けたリハビリを行っていきます。その他、脊髄損傷、難病など重度な障害を負った方々も少なくありません。

私たち作業療法士は、その回復期リハビリテーションの中で、障害により負った後遺症の改善を図るトレーニングを行います。脳卒中の後遺症には、運動麻痺という身体の半身が麻痺し思うように動かなくなってしまう症状が特徴的です。(障害された脳の部位により様々な症状を来します。)

しかしながら、現状の医療では、その麻痺を完全回復させることは中々難しく(正直厳しい)、何らかの後遺症が残ってしまうのが現実です。

その後遺症が残った状態で、どのように生活を自立して行っていくのか。

身体の後遺症を改善するためのトレーニングに合わせ、生活動作の再獲得に向けたトレーニングも並行しながら行っていきます。(ADL訓練等といいます)

これら生活動作とは、着替え、トイレ、入浴、食事、歯磨きなど普段生活する上で欠かすことのできない動作や外出、自動車運転、調理、趣味活動といった幅広いものになります。


私たちリハビリテーション専門職は、これらの生活動作の再建を本人・家族と協力しながら訓練を進めていきますが、今回のタイトルに挙げた「性」の部分について介入することがほとんどありません。

若干タブー視されやすい点であり、非常にプライベートな部分でもあります。

私は、その人らしい生活を再建するにあたり、この性については真剣に考えていかなければならないと思っています。


30歳代男性、妻と子供との3人暮らし

脳卒中による後遺症により利き手である右手、右下肢を含めた右半身に運動麻痺の後遺症が残存してしまった方。

当時の私は上述したような生活動作の再建に向け、訓練プログラムを作りリハビリを行っていました。ある日、本人から「相談したいことがある」との話がありました。

その時、本人が私に伝えてくれたことは

「妻とのセックスはもうできないのか」

「右手がうまく動かないからオナニーもできない」


私は、はじめ「下ネタかよ」と思ったが本人の顔を見ると徐々に私自身の視点の甘さに気づかされました。

その言葉を聞き、本人と性行為についてどうしていくか真剣に考えました。

性行為は、夫婦間の愛情を確かめる大きな手段の一つと私は思います。この行為が行えない・できないということは、本人にとっても非常に重要な事項であったのです。


中々人前でできる訓練ではありませんが、どのようにすれば性行為・自慰行為が行えるか、本人と話し合いながら少しづつ可能性を模索していきました。

残念ながら麻痺の改善にも限界があり、左手を使用する方法も練習し(練習は模擬的に行いました)、また、性行為については、本人から妻へ相談してもらうこととしました。


その結果、退院後、妻のサポートの中、定期的に夜の営みは行えるようになったとのこと。本人に会うと「あの時相談してよかったわぁ」と満面の笑みとどこか安心したような表情をしていました。

私自身も障害者の性について真剣に考えさせられたきっかけとなった方です。

それ以降は、性についての視点も持ちながらリハビリ業務を行うようになり、何名か性についての相談を受けるようになりました。(もちろん信頼関係が築けた上でです。担当になりこの信頼関係づくりができていない状況では、慎重に話を進めた方が良いです)



近年は、脳卒中発症の若年化が進んでいる気もしています。30~40歳代と一家の大黒柱として働いていた方も増えてきている印象です。食べ物の欧米化など様々な要因があるとは思いますが、リハビリテーションの中でもこの「性」についての視点も持ち、介入していくことは非常に重要になってくると思います。


ホワイトハンズさんの活動などは本当に素晴らしいと思っていますし、まだまだ認知されるべきだとも思いますので、ぜひみなさんチェックしてみてください。


#性 #SEX #リハビリテーション #作業療法 #ホワイトハンズ #その人らしさ





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