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アートの書籍はやはり”見た目”で選びたい 今年のお薦め本2冊

 巣ごもりの一年なので、書籍購入量(読書量ではないところがミソw)が昨年より随分と増えました。アートに関するものが多いのですが、「ビジネスに役立つ!」系のアートものは、仕事柄一応目を通すのですが少々食傷気味。
*この辺のくだりはこちらに書いておきました
…ということで、今回は読んでいて(私が)ワクワクする書籍のご案内です。

 やはりアートということで、ビジュアル的にそそられるものが大事な条件。活字がぎっしりと言うのは避けたいです。とは言え、いくら見た目が麗しくても、展覧会の図録のような分厚くて資料的なものもちょっと敬遠。見応えがあってそこそこ読めるという書籍って、なかなかにお目にかからないのですが、ここ最近(今年発行)ではこちらの2冊!

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『絵画の歴史』 デイビッド・ホックニー&マーティンゲイフォード 著
株式会社青幻社 刊 / 2020年10月1日 初版発行

アーティストと美術評論家の二人が、様々なアート作品を題材に”PICTURE”をキーワードとして、ああでもないこうでもないと、対談をしていくという内容。これが、本当に面白い! ぶっちゃけ、中身読まなくても扱われている、それこそ”画像”を見ているだけでも、十分に楽しめます。さらに、そこで話されている”言葉”を読むと、「ほほぉ~!」やら「え? 本当?」という視点が満載。

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DH たいがいの人は、世界は写真のように見えると感じている。とても良く似ているけれども、すっかり同じではないと私は思う。…
MG …プラトンの哲学では、真実は数字、採寸、勘定や計量に基づき、…反対に図像は、鏡の映像や壁に映る影のように、人を惑わせる。影、あるいはイメージ自体は物自体ではない。…

<P73,74より引用>
 上のような”画像”と一緒にこんな話が展開されるんです。ね、そそるでしょう~。

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《クロマトピア -色の世界-》 デヴィット・コールズ 著
株式会社グラフィック社 刊 / 2020年9月25日 初版第一刷発行

 こちらはページを開くと、左頁に美しい(色の一色を象徴する)写真と、右頁にその色にまつわる興味深いエピソードが語られているという体裁。色彩学の本もいくつか手に取ったことがありますが、これほど、先を読みたくなる”色もの”にはお目にかかったことがありませんでした。

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 2冊ともビジネスの棚には決して並ばないし、よほどの美術ファンでないと探してみつけられるようなタイトルではないと思いますが、パラパラとめくっても楽しいし、じっくり読んでも深く考えさせてくれる、お薦めの2冊です。
 まぁ、”見た目”の良し悪しも、人それぞれに感じ方、”色々”なんですけどねぇ…。(←2冊の内容に合わせたオチのつもり)

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