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『生きている東京展』 We are still alive…ってこと? それとも…

外苑前にあるワタリウム美術館に行ってきました。

ワタリウム美術館と言えば、コロナ禍にあって、運営資金をクラウドファンディングによって集めたということで話題になった美術館ですね。
 ワタリウム美術館の運営資金クラウドファンディング、わずか1日で目標金額の倍を達成 <美術手帳 オンラン記事 2020.8.27>
 
今回の『生きている東京展』はまさにそのクラウドファンディン後に開催されている最初の企画展です。

 1990年に”日常の中に、美術館のある街”を意図してオープンしたワタリウム美術館。日常が大きく変わらざるを得なくなった今年、開館30周年を迎えて”東京を再考”する企画というのが、言葉は不適切かもしれませんが、タイムリーですよね。

ワタリウム美術館

《時は三角形》
ナム・ジュン・パイク 1993年
<ワタリウム美術館 1/1000スケールモデル>
マリオ・ボッタ

この30年間で、とんがっていた東京もすっかり丸くなって…というか形の定まらない様相で、それでもどうにかこうにか生きている、というのが今の状況なのかなぁと、展示を見ながら思ったしだいです。

 館内を飛び出して、通りの向こうにも本展の作品が展示されているのも、まさに”日常の中に美術館のある街”のオリジナルコンセプトそのもの。30年たって、いまやこうした”光景”自体は、目を引くというインパクトはなく、むしろ目立たない”後景”になっているよう。
 日常になるとは”埋没”することなのだなぁと。ただ、埋もれてからこそ、次の新しいものが生まれてきて、そこでやっと生きている(生きていた)ことを実感するのではないかとも。

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