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<第66回> 面接で、ついつい話が長くなってしまいます。


こんにちは、安斎響市です。


今日いただいた質問は、

こんにちは。安斎さんのnoteを購入したことから転職を検討し始めた社会人経験5年目の者です。

自分が部署内で担当してきた業務の種類が多様なことに懸念を抱いています。 簡潔に説明しようとしてもそれぞれの業務が関連していたりして、分かりやすさを心がけるあまり体感的に「喋りすぎた...」という気持ちになります。

今は2社の大手エージェントと話していてこういう状況を自覚しているのですが、どちらのエージェントも、論理的で分かりやすかったとしか言ってくれないので、実際の面接は大丈夫だろうか…? と心配になっています。

やはり職務経歴書のnoteなどにあるように何かを捨ててJDに沿ったストーリーを練ってブラッシュアップを重ねるしかないのでしょうか?それとも多少喋りすぎても相手に伝わることを優先すべきでしょうか??


 というものです。

※この週刊連載:安斎響市の「転職相談室」(毎週土曜日更新)は、マシュマロというツールで募集した匿名の質問に対して、安斎響市が、徹底的に真面目に答えていくという企画です。

かなり込み入った質問や、人生相談のような投稿も多く、Twitterで140文字だけの回答だと私の意見を説明しきれないため、毎週1問、このnote記事で徹底解説していきます。

質問の投稿は、こちらから



最初に言っておくと、

転職エージェントに「自分の面接トーク」の出来を見てもらうのは、ほとんど無意味です。


以前の記事にも書きましたが、転職エージェントって、大半の人は右から左に人材を流しているだけですし、実際の面接の場に同席することはほぼ無いので、面接の結果も、事後報告でサラッとしか聞いていません。

面接に「受かる態度」「落ちる態度」を、そこまで細かく評価できるほどのスキルを、彼らは持っていないのです。ほとんどの場合。


自分が過去数年、面接官をやっていて思いますけど、人事部の人や、転職エージェントの人に対して、自分が面接官として個々の候補者を「不合格」にした理由なんて、いちいち細かくシェアしていません。

ほんの数行程度のレポートを書くだけです。
こっちも忙しいですからね。

転職エージェント側も、同時に何十人もの候補者を相手にしているので、Aさんが不合格ならBさんを送り込むだけ、Bさんがダメなら今度はCさんを……という商売です。一人一人の面接態度を細かく指導するより、「数撃てば当たる」で沢山の候補者を送り込んだ方が省エネで効率的です。

転職エージェントのほとんどはそういう人たちなので、自分が面接で披露しようと思っているトークを彼らに披露して意見を聞いたって、あまり意味はありません。彼らも、面接の評価の詳細は、それほど実感としては知らないのだから。


今日の質問者の方は、”今は2社の大手エージェントと話していてこういう状況を自覚しているのですが、どちらのエージェントも、論理的で分かりやすかったとしか言ってくれないので…" と書いていますが、現実はそんなものです。

転職エージェントに聞いても、ほとんど無意味です。




「話が長い」は致命的


さて、ここからが本題。

面接において、「話が長い人」が評価されることは、ほとんどないです。


もちろん、評価基準は会社によって違いますし、面接官個人によっても違うので、ケースバイケースではあります。

しかし…

面接中に話がすごく盛り上がって時間が長引いた、とかならともかく、面接の冒頭から自分の話を長々と喋る人の評価は、確実に低くなります。


そして、少し辛口に言うと、「話が長い」のは、「能力が低い」ということです。

これは、かなり自戒を込めています。


私自身も、採用試験を受ける候補者として、「話が長い」せいで面接で大失態を演じ、内定を逃したことが過去にあります。

同時に、面接官として、「話が長い」が理由で、ハイスペックな候補者をあえて不合格にした経験も過去に何度もあります。


「話が長い」と評される人に、優秀な人はいません。


なぜかと言うと、

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