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緊張感との向き合い方[ピアノ発表会編]#012

本番に弱い男

家族が長女の受験ムード一色となっている最中、
「おれ、来月ピアノ発表会やんな・・」と定期的に呟く男がいた。
我が家の小3末っ子である。

発表会の随分前から真面目にしっかり練習するので、いつも本番1ヶ月前にはほぼ完成している。ただ、本番に超絶弱い男なのだ。
そもそも人前に立つのが大の苦手なシャイボーイにとって、発表会のホール中央に1人で歩いて行って、ピアノを弾くことは拷問に近いのかもしれない。
末っ子は過去にピアノの発表会を5回ほど経験しているが、家では完璧にスラスラ弾けていても、本番は必ずどこかでつまづいてしまう。
練習並みに弾けたことは一度もない、、と思う。

(ちなみに、、中1長男は直前まで全く練習しない。こちらがヒヤヒヤするほどに弾けない状態なのに、3日前くらいからガガガーっと練習して、本番当日は涼し気に弾きこなす。本番前も緊張している素振りはほぼない。兄弟なのにこんなにも違うのかといつも面白い。)

ピアノ発表会当日

長女の受験が無事に終わった翌日。
明らかに朝から憂鬱そうな末っ子。
「あー嫌や、、」
「絶対失敗するもん。。」
「なんで発表会なんかあるんやー!」
と緊張感と闘っていた。笑

出番は15時半。朝から長い。。
何度かピアノにも向かってたけど、気づいたらこんな感じ。

顔が能面のように固まっていく彼を、家族みんなで励ました。
夫、私、長女、長男で、代わる代わる末っ子を笑わせに行ったり、大丈夫!大丈夫!と抱きしめたり。
何をしても気持ちは晴れないまま、カチンコチンの彼を会場の控室まで何とか連れて行った。
後は、観客席で必死に見守るだけ。

我が子は、堂々と胸を張り、登場した。
深々と頭を下げ、ピアノの前に座り、最後までハリーポッターメドレーを弾き切った。

演奏が終わった後の、解放感といったら!
堰を切ったように喋る喋る喋る。
今回もミスをしてしまったので、自己採点80点とのこと。
けど、初めてのペダルを上手く使えて嬉しそうだった。

舞台に立つという経験値

これだけの緊張と向き合い、1人きりで舞台に立つ経験はなかなかできない。
本番の失敗も含めて、全て彼の経験値となるはず。
発表会が終わった後の、ほっとしたような、やり切ったような彼の笑顔を見て、やっぱり参加して良かったと思った。

ピアノが好きな末っ子。
今日もハリーポッターをルンルンで弾いている。

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