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昔のBtoBのIT企業の新人の体験談らしきもの

新入社員として、配属されたのがBtoBの営業のアシスタント。外出している営業スタッフの不在中に電話のメモを取ったり、コーヒーを入れたりする。社内メールを配ったりする。とにかく暇。空き時間にLaTeXの勉強や電子メールの使い方を学ぶ。同期とメールでやり取りする日々。

ここで学んだのは「空き時間をうまく利用し、どうやって大事なことを勉強するか」。わからないことはどんどん質問する。また他の人の仕事内容について尋ねる。そうして段々と会社の仕組みを理解できるようになっていった。

そうしているうちに、ある製品のサポート契約促進キャンペーンが行われる事になり、新人3人(1名は私)と、中途入社男性2人で行う事に。ここに、お手本になるようなすごい人がいた。

リストを渡され、片っ端から電話をかけるわけだけど「サポート電話つながらないよ。何回線あるの?」「もう使ってないよ!」と電話口で怒られつつ、できる範囲で実践する。すごい人は机の前にポストイットを貼り、目標を立てて、工夫してもくもくと頑張っていた。細かい事はもう忘れてしまったけど「工夫する」ということをその人から学んだ(後にその方は地方のドライブインの再生事業を行った後、ITの世界に戻って来た。「ホットポテトを人に渡すな」「人はいくらでも紹介するけど、相手にちゃんと『お土産』持って行ってね。モノじゃないよ。会って良かったと思わせる何かを持って行くんだよ」など、いろいろ役立つアドバイスを頂いた。

サポート電話の一連のキャンペーンが終わり、部署異動が行われ、私は晴れて営業アシスタントから企画部(実態はマーケティングコミュニケーション部?。販促物の作成、展示会出展、広報活動、広告作成などを行う)に所属する事になった。このときにいろいろと骨を折ってくれた人その後は起業して会社を上場させていた。「自分のやる事を見てたら参考になる」と起業の前に言っていたような。確かに参考になる。スゴイ。有言実行の人。

異動後の企画部の上司や先輩は、今や著名な上場企業で広報やサステナブルの偉い地位にいる。でも、名前は全国区では広まっていない。なぜなら自分の広報はしないから。会社を有名にしてあくまでも裏方に徹し続けている。

そして、この企画部で学べた内容がとても大きい。優れた能力のある制作会社や広告代理店と一緒に広告も作ったし(撮影も立ち会った)、ユーザー事例作成で普段は入れない場所に行ったり、とにかくいろいろな体験をする機会に恵まれた。さまざまなソフトウェアも使ったし、展示会でコンパニオンのまねごともした。当時社内で契約を結んだプロのナレーターの方が2人いて、いろいろなノウハウや仕組みなども教えてもらった。

当時心がけていた事は「何でも首を突っ込む」ということだった。また、不満や疑問、やりたいことは「口に出す」ということ。だって、何も言わなかったら伝わらない。「この人はこの現状でいいのね」と思われてしまう。そうなると物事は変わらない。

この頃、社内で2つの主力製品と、パートナー企業の製品を連携させて付加価値をつけて(当時はVAR Value added resellerという人たちがたくさんいた)売るプロジェクトを行うということで、メンバー募集があったのかどうか不明だけど、とりあえず新人の私もそのメンバーに加わる事になった。

これがきっかけとなって、ITビジネスのエコシステムや、様々な技術について概略が掴めるようになっていった。

今考えても、当時の社員の人たちが面白くて。起業したけど皆が会社のお金でベンツ買って、仲間割れして会社がおかしくなりここに入社した人とか(今は大きなSIerの偉い人)、販売管理システムを自分で作ってそれに自分の名前つけちゃった営業とか。破天荒で不思議でヤバくて頭の切れる人がたくさんいた。当時から普通じゃなかったけど、退社後に若い男性エンジニアばかりの会社を買い取って役員になって上場させちゃった女性とか、その後起業して上場して今はブロガー兼投資家の人とか。

入社2年目(多分)で海外出張。Jacob K. Javits Convention Centerで、某展示会を見学。今思えば、よく新入社員(当時は22,3歳位だよねえ?)をいきなりNYに行かせたよね。スゴイなあ。一緒に行った先輩は今は某コンサルティングファームで活躍中。

面白い状態だったけど、会社には良からぬ動きが起きていた。他社で実績をあげたとかいう年配の方が増えて来た(それがことごとくダメな人たち)。某銀行の人も入り込んで来た。極めつけは、この事業部の主力製品はある外資系の製品だったのだけどExclusiveな代理店ではなくなる事になった。新たに日本法人が作られ、そちらで販売を行うことが決まった。つまり自分達の事業部で販売するものがなくなった。存続をかけて、他に売る製品を偉い人たちが探して来て、いろいろ頑張ったのだけど難しかった。この時は新たに出来た日本法人と、この会社との出した広告が1つの雑誌に両方出てしまい、客はどちらから買ったらいいのかもうわからなくなる状態となり、この事業部のほぼ全員(2名を除く)がこの会社を離れる事になった。

でも約2、3年間で学べたことはとても多かった。さすがに長い年月が流れ、多くの方とは今はそれほど頻繁な交流はないですが(一部ネットでつながっています)、この経験のせいか、何も成し遂げられない人ってこういう人なんだなとなんとなく見えてきました。

  • 言うだけで行動しない人(汗をかかない人)

  • 工夫しない人

  • 自分の頭を使わないで人に考えさせようとする人

言い換えると

  • 行動する

  • 工夫する

  • 自分の頭で考える

が大事。そして上に立つ側は、

  • 行動する機会を与える

  • 工夫出来るような機会を与える

  • 自分の頭で考えるような機会を与える

ことが大事。

いろいろかいたけど、優れた人たちと一緒に仕事する機会って本当に有益だと思う。

(記憶違いも多々あるかもしれません。ご容赦ください。多分一部創作です)


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