OL服を捨てる
捨てた。
捨てた捨てた。
ビジネス街を颯爽と歩くような、オープンカフェで足を組んでマキアートを口に含むような、そんなOL服を捨てた。
踏ん切りつけたかってん。
というほどでもないが、簡単に言えば必要なくなっただけ。
退職し家で過ごす自分にとって、つるっとしたブラウスやペンシルスカートは不必要なものとなったのだ。
元々断捨離好きなのも相まって、一気にいってやった。
へっ、すっきりしたぜ。
おかげで残ったのはジーパンとワイドパンツとシャツとトレーナー。自転車乗るしね、掃除するときに汚れ気にしなくて良いしね。
人間が生きていくうえで衣服が必要なのだとしたら、やはり一番は機能性。だから一気にいってやった。
ソーンとした静寂を保つクローゼットを前に思うのは、心地よさと寂しさ。
モノを減らすことでの心地よさ、それと、
女らしくありたいと願う女心が減ってしまった事実への寂しさ。
やっぱり、綺麗な服着て出かけたいし、キャリアウーマンは素敵やと思うし、上品な奥さんでいたいと思うんよ。オサレ主婦雑誌を読むとパーカーとジーパンで綺麗なモデルさんはいっぱいいるけど、実際そんな高度な技使うのは無理なんよ。
ああ、やっぱり綺麗な服着ていたいわ。
平日のスーパーに行って感じるのは、よれよれの服ですっぴんの奥様方ばかりだということ。皆、目に女らしさがない。もちろん私もそこに含まれる。
客観的に見て所帯じみていると感じるし、ドキッとする色気を感じさせる人もいない。これだと、旦那さんは女として見れなくなるだろうな。それ以前に、自分自身アガらないな。
あかん、あかんあかん。
綺麗な奥さんになるんや!
よし、コロナ収まったら、女っぽい服買いに行こう。
クローゼットを明るい色で染め上げよう。
そんなことを考えながら、今持っている一番女らしい服でスーパーに向かうことにする。
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