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共同養育しているポジティブママこそ気をつけて!子どもは離婚を内緒にしたいことだってある

りむすびは離婚後も両親が子育てに関わる"共同養育"の普及やサポート活動を行っており、実際共同養育を実践できるようになったママさんたちを何人も送り出しています。

みなさん、さまざまな葛藤がありながらも、夫婦としては解消したいと思うほどの相手とあらたな親同士としての関係づくりに尽力されています。
子どものダメージを最小限にするためにご自身の感情と親子関係を切り分けて考える思いやスタンスは、離婚当時そうできなかった私としてはリスペクトしてもしきれません。

ただ、ここで気をつけたい落とし穴が!
「私は子どものことを思ってちゃんと共同養育しているし、離婚して幸せだから、離婚していることを隠す必要もないし前向きに生きていこう!」というスタンスになりすぎて、離婚したことに対して、自分と同じように子どもも前向きにとらえているに違いないと思い込んでしまうこと

ご自身の友人や職場などであれば問題ないですが、ここで気をつけたいのが、子どもが親の離婚のことを実際どう感じているのか、離婚家庭の子と友達に思われることについて子どもがどう感じているのかということなんです。

共同養育をされているご家庭では、離婚する際にお子さんにしっかり説明をしているケースが多いです。それがゆえに「子どもにはしっかり説明した」「離婚は悪いことではないし子どもも堂々としていればいい」ということを子どもに無意識に強要してしまうことがあるんですよね。

もちろん、その説明により親の離婚について前向きに受け止めあっけらかんとしている子もいるかもしれませんが、心の奥底では本当は離婚してほしくなかったかも知れないし、両親が仲良くしていて欲しかったという願いは持ち続けている子も多いのではないでしょうか。

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こんな出来事がありました。(以下掲載についてご了承を得ています)
ある共同養育を実践しているママの住むエリアの塾では、ひとり親家庭専用のクラスがあり塾代の優遇があるとのこと。
ただでさえ教育費がかかるなか、そのママは「これは助かる!転塾しよう!!」と子どもを連れて面談を受けに行こうとしました。

しかし、子どもは断固行きたがりません。
「どうして?こんなに安くなるのになんで行かないの??」と聞いても
「今までの塾でがんばるからその塾にだけは行きたくない」の一点張り。

「せめて見学に行ってから決めなさい」となかば強引に見学に連れて行ったところ、見学する前に「絶対嫌だ!」と引き返したとのこと。理由を聞いても曖昧だったため子どもを叱ったそうです。

「子どもが反抗期で・・・」。そんな相談を受けたので私がお伝えしたのは、「離婚家庭専用のクラスに入りたくないのでは?そこに入ると離婚家庭の子どもだとバレるし、可哀想な子だと思われるような気がするんじゃないかしら?」と。

私に限らず、この記事を読まれている方のなかには行きたがらない理由を気づかれた方もいらっしゃいますよね。
ただ、共同養育を実践し離婚を前向きに捉えているポジティブママだからこそ、子どもが離婚を公にしたくない、離婚家庭だから可哀想って思われたくない!という思いに気づけない可能性があるということなのです。
離婚家庭の新しい子育てのカタチを先駆者的に築いているポジティブママのマインドに子どもがついていけないのです。


ハッと気づいたママは、家に帰るとすぐに「もしかして離婚家庭専用だから嫌なの?」と聞くと、お子さんは頷いたそうです。そして理由を言ったら母親が傷つくのではないかと思い気を遣って言えなかったとのこと。
そのママはお子さんの気持ちに気づけなかったことを謝り転塾はやめたそうです。

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振り返れば私の息子もそうでした。高校でひとり親家庭の優遇があり書類を提出するだけだったのですが、その手続きをしていることを先生や友達に絶対知られたくないと提出することを拒みました。
数万円と息子の気持ちを天秤にかけると、尊重すべきは息子の気持ちでした。
その分稼いでやろうじゃないかという気持ちで提出を見送ったこともありました。

ひとり親家庭の優遇を喜んでいるのは親の都合であり、子どもにとっては「親が離婚しています」をディスクローズされる以外のなにものでもないわけなんですよね。

私は今このような活動をしていてSNSやメディアでの露出もあるため、自然発生的に息子の友達にバレてしまうこともあるのですが、息子自身は友達に親が離婚していることは自分からは一切言っておらず、普通に父親も母親もいるからなにも不自由ないとのこと。言うことでバイアスかけられたくないし、そもそも誰も聞いてこないし言う必要がないということなんですって。

あらためて思うのが、子どもにとっての共同養育のメリットは、両親から愛情を受け続けることではありますが、もっと先にあるメリットとしては、親が離婚しても友達に両親の話をできるから離婚家庭だと思われないで済むということなのかもしれません。

子どもはママのことが大好きだから、ママの思考に合わせようとしたり大人びた発言をすることも。目の前にいるお子さんが本当は実際どんな思いでいるのか、直球でヒアリングせずともふんわりと穏やかな環境のなか、親が感じ取っていくこと。離婚後の子育てを通して子どもとの心の対話は何歳になっても大事なことなのですね。

共同養育を選択したのは、きっと子どもを尊重して離婚が与えるダメージを最小限にしたいと考えてのことだと思います。
同じ理由で、子どもにも親とは違う家族観や価値観があって当然だということを意識しておくことは、子どもを尊重するために忘れてはならないことです。


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