コロリンパ
好きなゲームと聞かれたら、ポケモン、ドラクエ、スマブラなどいくらでもあるが、心に残ったゲームといえば、ダントツで「コロリンパ」である。
2006年12月2日に発売されたWiiのタイトル。
ジャンルは「ボールころがし迷路ゲーム」とのこと。
こんなジャンルのゲーム、コロリンパしかない。
「知育菓子」と言われてねるねるねるねしか思いつかないのと同じだ。
コロリンパのルールは、「ボールころがし迷路ゲーム」というジャンル名からは想像がつかないが、ボールをころがして迷路をクリアするというものである。
任天堂の公式サイトでルールが紹介されている。
このようにWiiリモコンを傾けて、「オレンジのクリスタル」を集め、ゴールへ向かうのである。
私は、人に自慢できるような特技など持ち合わせていないが、コロリンパだけは異常にうまい。
コロリンパをやっているときの私は輝いている。
将来、私がもしプロポーズすることがあれば、コロリンパの宇宙ステージに出てくるマグマを華麗に避けているときにしたい。
きっと成功するだろう。
コロリンパでは転がすボールのことを「たま」といい、様々な「たま」が用意されている。
私は重めの「たま」が結構好きで、ガスタンクや土星をよく使っていた気がする。
銀河なんてのもあったはずだ。
転がすとダースベイダーの呼吸音のような音がする。
私の青春時代の思い出が、そのガスタンクや土星、銀河にすべて詰まっている。
そもそもこのゲームは私が小学校の卒業式をインフルエンザで休み、数日寝ていたときに父親が買ってきてくれたものである。
病み上がりの布団の中で、ひたすらにWiiリモコンを傾け、オレンジのクリスタルを集めたのを覚えている。
離任式のときには、すでにジャンプを駆使するまでに成長していた。
ジャンプは選ばれたコロリンパー(コロリンパをする人のこと。そんな言葉はない。)しか使うことのできない技。
ビリヤードでボールの下部分をついて球を浮かす人がいるが、あれと同じだ。
コロリンパのバトル漫画があれば、確実に敵が「こいつ…卒業式から離任式までの短期間にこれだけ成長したというのか…!?」と言っただろう。
そんなわけで、私の心に残ったゲームは間違いなくコロリンパである。
コロリンパから離れてもうずいぶんと年月が経ってしまったが、あのときにコロリンパがうまかったという誇りだけがいまの私を支えている。
コロリンパの開発者の方々に心から感謝したい。
ときに優しく転がり、ときに残酷に跳ねる。
コロリンパは人生と同じだ。
焦らなくていい、たまで例えるなら「ひかりのたま」でなくていい。
ゆっくりでいい、たまで例えるなら「パンダ」でいい。
地道にオレンジのクリスタルを集めながらゴールに向かっていこう。
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