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【国語指導/支援】完全攻略マップ

5月中旬は、
朝もほどよい気温で、
全体的に過ごしやすい時期。

来る暑さと梅雨の湿気の前に、
この気候を存分に堪能し、
エネルギーチャージを図ります♪


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


今週の「お品書き」です🎵

📘今週のLIBRARYのラインナップ📗

(2024.5.13~5.19)

📒→全員最後まで読める記事
📓→メンバー以外は途中まで読める記事

【月曜日】
📒《国語指導/支援》完全攻略マップ
【火曜日】
📓《仕事⑤》今週の1冊 from library
📒差別構造をぶっ壊す!お互いをリスペクトする集団を生む”逆転現象”
【水曜日】
📓レジリエンスについて徹底的に深堀してみた
【木曜日】
📒「ADHD=ハンター説」についての考察
【金曜日】
📓「夢見る小学校」きのくに子どもの村教育×「ホンモノの仕事」
【土曜日】
📓《note論》「収益化に自信がない」あなたがすべきこと
📒「子どもの気持ちが分からない」そんな全ての人に贈る・・・
【日曜日】
📒共同運営マガジン記事紹介

読みたい記事があれば、
是非、LIBRARYにお越しくださいね✨


「音読が苦手」
「文章読解が不得意」
「ひらがな、カタカナ、漢字がなかなか覚えられない・・・」

そのようなお子さんがいらっしゃる親御さんは、

「なぜ?」

という気持ちを抱えながら、
きっと不安な気持ちでいると思います。

学習障害(限局性学習症)は、
日本の人口の10%存在すると言われています。
10人に1人です。

また、学習障害レベルとまではいかなくても、
定型発達の子どもよりも
若干学習の入りが悪いという子どもはいます。

そのような子どもを合わせると、
場合によっては20%以上。

決して、
一部の限られた人に関係する話ではないのです。

そこで、元教師である筆者が、
学習の入りに凸凹をもつ子どもを
100名以上
みてきた知見から
国語の指導/支援方法を解説します。

日本LD協会にも所属し
特別支援教育士の資格も取得中です。

本人に合った学習法を見付けるのが、
早ければ早いほど、
この先の人生を豊かにする選択肢を
見つけることができるかもしれません。

何度も調べることができる
辞典的な感じで活用してくださればと思います。



LDの定義

文部科学省のLDの定義は以下。

さらに、DSMー5の定義は以下です。

この(1)~(6)は以下のように区分されます。

ディスレクシア、ディスグラフィア合わせ、
発達性読み書き障害と呼ぶこともあります。

今回は国語なので、
「読み」「書き」に絞ってマップにしていきますね。


特徴的なつまずき症状

ここからは、
各特性のつまずきの症状についてです。

「読み」につまずきがある場合は、
「書き」と連動してしまうので、
読み書き障害と書字障害という区分で分けます。

もっとシンプルにまとめてしまうと
以下のようになります。

書字障害だけというケースは比較的珍しく、
圧倒的に「読み」に困難を抱えているケースが
多いです。

ではこのつまずきはなぜ生まれるのか。
その背景を深掘ってみます。


つまずきの背景要因

つまずきの背景要因として考えられる要素は主に4つ。

「音韻認識の弱さ」
「デコーディングの遅さ」
「視覚認知の弱さ」
「視覚-運動協応の弱さ」

です。

順番に解説していきます。


■ 音韻認識の弱さ

日本語を構成する音の単位を
「モーラ」と言います。

音韻認識の弱さとは、
このモーラを正しく認識したり、
操作したりする力の弱さのことです。

「かさ」(k/a/s/a/)を
「あさ」(a/s/a)と聞き間違えるといった症状。

聴覚で捉える認知が弱いため、
「k」のモーラを捉え損ねてしまうのです。

聞き取る時点で正しく認知できていない。
ならば、当然、話す、書くときも
間違った状態で表出することが多くなります。

音韻認識の弱さは、特に、

・濁音
・半濁音
・拗音
・促音

の変化への困難さにつながることが多いです。


■ デコーディングの弱さ

「デコーディング」とは、

視覚情報を音声情報に変換するスピード

のことを指しています。

このスピードが遅ければ、
音読に困難さを示すことは当然です。


■ 視覚認知の弱さ

目で見たものの形を
正しく認知する機能に弱さがある状態。

線の交わり、
曲がり、
傾き

がうまく捉えられず、いびつになります。

平仮名で言えば「あ・め」や「く・や」などに
認知の弱さが現れる例があげられるでしょう。


■ 視覚-運動協応の弱さ

微細運動障害という症状をもつ子どももいます。

鉛筆を持つ、
鉛筆を正しく動かす、
裁縫の針に糸を通すといった、
細かい手先の動きが求められる活動に対し、
不器用さを示す特徴をもつ
子どもたちです。

文字を書く場合は、
視覚で正しく捉えた文字の形を、
実際に腕や手首、指先、筋肉を通した運動によって
捉えた形を再現しなければいけません。

その協応に弱さを抱えているので、
正しく認知できたとしても、
認知通りに書字表出することができないのです。


指導/支援方法の実際

ここからは、
指導/支援法の実際を解説していきます。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

■ 音読
■ 読解
■ 作文
■ 文字
■ 視機能/視知覚認知

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

といった項目です。

かなり細かくなっているので、
まとめて見たい方は
記事の最後の方にある一覧をご活用ください。


■ 音読の指導/支援

主たる指導・支援は

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・読み聞かせ
・音韻遊び
・読みを補助する道具の活用
・音声入力
・ルビ振り、わかち書き

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

などの方法です。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

上記の記事に記載してある意外の支援法を
補足として記しておきます。

【デコーディングの指導・支援】

フラッシュカードを用いるのが効果的

絵や文字、数字のフラッシュカードを
パッ、パッとめくっていき、
声に出して答えさせていきます。

継続的に行えば、反応速度が上がり、
瞬時に記憶が想起されやすくなっていきます。

【拗音の指導・支援】

「きゃ、きゅ、きょ」ではなく、
「きゃ、しゃ、ちゃ」のように、
段の系列で指導していった方が
混乱・混同が少なくて済みます。

文字のカードを使った指導法が効果的
手順を以下です。

①濁音・半濁音も含めて全ての拗音カード作成
②カードを提示して読ませる
③並べて指導者が言った拗音のカードを取らせる
④拗音を指導者が聴覚提示→聞いて書かせる
⑤その拗音が入った言葉を一緒に考えて書く


自分で拗音を含めた言葉を考えて書く、
ということが大切です。

自分で活用してこそ、
実際に使うことができるための指導になります。

【促音の指導・支援】

促音は実際にはほとんど音はないのですが、
きちんと言葉の拍として
カウントすることを中心に学習させていきます。

指導の手順は以下です。

(「トラック」の言葉の場合)

①言葉を言いながら4拍分手を叩く
②音を言わなかったのに手を叩いたところが
 促音だと教える(トラック→〇〇×〇 ×が促音)
③同じ方法で違う単語も促音がどこにあるかを探す
④手を叩かずに、手をグーにする方法も有効


■ 読解の指導・支援

主たる指導・支援は

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・読解のスキルを教える
・テストの解き方を授業する
・国語テストの15パターンを教える
・お絵かきトレーニング

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

などの方法。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

上記の記事に付け加える支援方法は・・・

・テストは口頭で答えてもOKにする
・解答欄をマスにする
・最初の1文字だけ薄く書いてあげる

などなどです。


■ 作文の指導・支援

作文に関しての主たる指導・支援は

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・視写
・日記指導
・手本を用意

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

などの方法。

詳しくは以下の記事にまとめてあります。

とにもかくにも超重要なのは、手本。

なぜならば、
読み書きに困難がある子どもは、
往々にして「継次処理」である場合が
非常に多かったからです。

継次処理、同時処理といった
認知特性に関する解説は以下の記事をご覧ください。

日記以外の文章指導の方法は、
また記事にしていきますね。

作文に必要な能力に
「プランニング」があります。

そちらの指導/支援法を追記しておきますね。

【プランニングの指導・支援】

作文を完成図に近づけるために、
文法、構成、文脈に関しての思考、
情報を統合していく役目を果たしている能力です。

5W1Hのシートを使いながら作文を書く
という支援もあります。

また、学習だけではなく、
戦略が必要なゲームでも、
プランニングの力は実は鍛えられています。


UNO、トランプといったカードゲーム。
大富豪なども、戦略を必要とするゲームとして
うってつけであると言えます。


■ ひらがな・漢字の指導・支援

まず、ひらがなについてです。

ひらがなの指導/支援方法の詳しい解説は、
以下の記事にまとめてあります。

この記事で解説していることを
ざっくりまとめると下のような方法になります。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶指先の感覚で覚える
❷物語で覚える
❸リズムで覚える
❹ひもで作る
❺カラーマスを使う

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

そして、共通する部分も多いのですが、
漢字はまたひらがなと違った特徴をもっている。

発達段階もより年齢が上になる。

よって、よりレパートリーの豊富な
指導/支援方法が存在します。

この記事で紹介している方法は以下です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・指書き
・空書き
・文字を大きく書く
・口唱法
・漢字パズル/漢字アート

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

キーワードは、「多感覚指導」

視覚だけではなく、
聴覚、触覚など複数の感覚を使用して
情報を入力するということです。

他にも以下のような方法があります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・部首の意味でまとめて覚える
・漢字の成り立ちで覚える
・漢字イラストカード
・十の画べえ
・習字を使った指導

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

漢字の成り立ちクイズの例は
以下の記事をご参考に。

また、
指先などの細かい運動に凹みがある子もいます。

発達性協調運動障害と呼ばれたりも。

そのような凹みに関する支援も追記しておきます。

【目と手の協応・不器用さの指導/支援】

鉛筆を使う細かい指の動き、
筆圧がうまく調整できない子どもには、
道具自体を変えてしまう方法が有効であることが多いです。

鉛筆自体を濃いものや太いものにしたり、
鉛筆を持つ手の補助具を付けてもいいでしょう。

大きく書いてとめ、はね、はらいを
捉えやすい習字も効果があると言われています。

ホワイトボードに書いたり、
タブレットに書くことも、
鉛筆で書くよりも負荷が少ない動作で
取り組むことができるはずです。

書くと光るペンで
筆圧の強弱を視覚的に分かるようにする
方法もあります。


■ 視機能/視知覚認知の指導・支援

視機能の弱さは、
LDとはまた別のアプローチが必要になります。

ビジョントレーニングで
目の動かし方のトレーニングを行うことが有効
です。

ビジョントレーニングについては、
また記事にしていきますね。

それとは別に、
視知覚認知の支援もあります。

視覚で形をうまく捉えたり、
どこに情報があるか
分かりやすくしたりする支援です。

間違い探しや点つなぎは、
細部に注目し、
構成する形を捉えるトレーニングになります

文字の形が整わない子どもには、
カラーマスを使って文字を書かせるのも効果的。

漢字の交わり、重なりが分からない場合は、
一画目、二画目と線の色を変えることが
支援になる子どももいます。

音読時のカラーバーループも、
視知覚認知が弱い子には有効です。


指導法/支援法一覧表


まとめ

ここまで様々な指導法を紹介しました。

「こんなにたくさんあったらどれを選べばよいか分からない」

と思った方もいるかもしれません。

しかし、筆者も、
子どもの様子を見て
「この指導法が一番効果的だ」
とすぐに分かるわけでもありません。

多くの子どもと接してきた経験から、
大まかな見立てをすることはできます。

ですが、その先は試行錯誤の連続なのです。

「本に書いてある方法通りにいかないから駄目だ」

ではなく、
その子どもを見て、
表情、動きをよく観察し、
支援者が工夫に工夫を重ねて、
適した支援方法を見つけていくことができる
のです。

如何に、目の前の子どもに合った形で
カスタマイズしていくか。

一人で考えるのは不安だとも思いますので、
専門家に意見を聞いたり、
学校の先生に聞いてみたり、
ここで相談していただいても構いません。

このサイトは「完全攻略」と銘打ってますが、
まだまだ発展途上。

追記する内容が出来次第、
アップグレードしていこうと思います。

本記事に掲載した記事以外で、
関連する内容があるものを貼っておきます。


この記事の内容が少しでも「よかった」「ためになった」と思われた方は、「スキ」や「フォロー」をしてくださるとうれしいです!

「コメント」も残してくださると有難いです!コメントを読んだ方々が、より教育についての知見が深めることができる図書館でありたいと思います。

いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!


明日の記事は、

📒差別構造をぶっ壊す!お互いをリスペクトする集団を生む”逆転現象”

です。

教室というものは何もしなければ
スクールカーストが勝手に生まれていきます。
それを一度ぶっ壊さなくては
リスペクトし合える集団はつくれない。
その方法をお伝えします。

是非、楽しみにしていてください🎵

皆さんの今日・明日がよき1日でありますように😊


5月1日より電子書籍がKindleにて出版されました!
(Kindle Unlimitedでも閲覧可能です)
第1弾のテーマは「自己肯定感」です。
ぜひ、手に取ってみてください!


📘今週のLIBRARYのラインナップ📗

(2024.5.13~5.19)

📒→全員最後まで読める記事
📓→メンバー以外は途中まで読める記事

【月曜日】
📒《国語指導/支援》完全攻略マップ
【火曜日】
📓《仕事⑤》今週の1冊 from library
📒差別構造をぶっ壊す!お互いをリスペクトする集団を生む”逆転現象”
【水曜日】
📓レジリエンスについて徹底的に深堀してみた
【木曜日】
📒「ADHD=ハンター説」についての考察
【金曜日】
📓「夢見る小学校」きのくに子どもの村教育×「ホンモノの仕事」
【土曜日】
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【日曜日】
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