わたしの看取りプロジェクト26

死後の手続きめんどくさいランキング

父の死後、半年が経ちました。
世帯主の死亡に伴う手続きや相続関係のあれこれを済ませ、ホッとしています。

不動産の名義変更や相続税関連の手続きはめんどくさいだろうなと思っていましたが、たいした財産のないわが家は意外と簡単にやっつけることができました。

わたしが感じた「死後の手続きめんどくさいランキング」は次のとおりです。

1、「不動産の相続に伴う登記申請」
これは期限がないのであわててする必要はありません。
必要書類は
1、死んだ人の生まれてから死亡するまでの戸籍謄本
2、相続人全員の戸籍謄本
3、相続人全員の印鑑登録証明書
4、遺産分割協議書
5、相続する人の住民票
6、相続関係説明図
7、申請書
8、固定資産税納税通知書の課税明細書のコピー
9、死んだ人の住民票
などです。あとは収入印紙。書類の書き方は管轄の法務局の人が懇切丁寧に教えてくれます。法務局のHPにも載っています。

2、「銀行預金の相続手続き」
銀行に死亡がバレれると(?)預金口座はただちに凍結されます。うちの場合、銀行に知らせていないのに副支店長が家にやってきました。ぞーっ。
なんでバレたかというと、母の口座をその支店にもう一つ作りに行ったから。そのときは普通に対応してくれたけど、たぶん裏で銀行員が「あの親子、あやしい」とか噂したんじゃないか。
うちに来た副支店長さんに「そろそろお知らせしようと思ってました」と言うと、「ではいまの話は聞かなかったことにしときます」と言って帰りました。
翌日、銀行の専用書類をもらいに行くと、わたしが父の成年後見人だったことを知った銀行のおじさんが「みなさん成年後見人制度を利用してくれるとありがたいんですけどねえ」と言いました。
この地域は高齢化が激しく、銀行の人はいろいろ苦労しているそうです。
相続に必要な書類は、不動産登記の書類とだいたい同じです。
役所に戸籍謄本1通出してもらうのに700円、印鑑登録証明書が300円かかるので、こうした手続きをするときは、提出先に「あとで書類を返してください」と言っておくといいです。
書類の発行手数料を節約するため、ひとつ手続きが終わって書類が戻ってきたら、その書類を使って次の手続きをする、なんてやってたら半年経ってしまったという感じです。

3、「準確定申告」
これは死後4カ月以内に税務署に提出します。
わたしは父の成年後見人だったし、確定申告を毎年やっていたからささっとできました。でも親を亡くした多くの人がてこずるのはこれかもしれません。
うちの場合、納め過ぎた税金が戻ってきたのですが、これがちょっとめんどくさかったです。というのは、法定相続人にそれぞれの割合で税金が還付されるのです。母の口座に一本で振り込んでくれればいいものを、子ども3人が相続放棄の書類を提出したものだから、母の口座には4本(相続人の数)に分けたお金が振り込まれました。振込手数料がもったいないね。

4、「相続税の申告」
父の死後4カ月くらい経ったころ、管轄の税務署から「相続税の申告等についてのご案内」が届きました。
けっこう分厚い案内書が同封されていて、中身を見ると気が遠くなりました。
とりあえず「相続税申告の簡易判定シート」を埋めていくと、申告は不要であることが分かりました。
土地の評価額を出すために、道路に面した土地の奥行きの長さを知る必要がありました。昔の登記書類を見ても分からなかったから、国税局に電話して「測ればいいんですか」と聞いたら、「間口を測って面積から割り出せばよい」と言われました。
相続税の対象となる財産には、土地や家屋のほか次のようなものがあります。
事業用の機械、器具、農機具等、上場株式、預貯金、家庭用財産・自動車、書画・骨董等、電話加入権。
電話加入権の価格を国税局のHPで調べたら1,500円でした。確か30年くらい前に自分で買ったとき、7万円くらいだったのでショックでした。
この簡易判定シートを埋めるのはたいしたことはないけれど、いろんなところにあれこれ聞かなくちゃならないのでけっこうめんどうでした。

5、「各種自動引き落とし口座の変更」
過去の通帳を見て、自動引き落としされているところにひとつひとつ電話をかけて書類を送ってもらいました。

いろんな手続きをやってみて思ったこと。
夫が亡くなり、残された高齢の妻がこれらを一人でやるのは無理だなあ。

わたしは父の成年後見人だったから財産を把握していたし、会社の経理部にいたからこういうことにアレルギーがなかった。相続人であるきょうだいが比較的近くにいて書類やハンコを集めるのに協力的だったことも幸いでした。

死後の手続きを円滑に運ぶためにいちばん大切なのは円満な家族関係だということに、初めて気が付きました。
(2015.4.6)

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