Kyoko

サバイバー。乗り越えて笑うための雑記。 心と体の病気。 リハビリで詩を書きます。 エジ…

Kyoko

サバイバー。乗り越えて笑うための雑記。 心と体の病気。 リハビリで詩を書きます。 エジプトとトルコに行きたい。

最近の記事

わたしは自由

おそれを捨てて 不安に打ち克ち ただ遠くへ遠くへと 落ちこぼれのきみも 病気になった彼女も 迷わずに出発する いのちを繋ぐたった一つの方法だから ずっと昔から受け継がれてきた遺伝子によって 強制的にあなたは旅立つ わたしは わたしが何者なのかもう知っている 風にのってどこまでも飛んでいかなければならない 植物の種子のように

    • はるがくる

      これが このチューリップが このチューリップという花が チューリップという花だと誰が証明できよう チューリップであるには違和感があって かといってそれ以外の何にもなれない ことを知ってか知らずか チューリップはチューリップであろうと 努力しているのだけれど 無垢な子どもの声が 存在を疑うとき チューリップはひどく恥じて 混乱して 自分を守れなくなった 引っこ抜かれて放置されて ずたずたに踏まれて 痛い痛いという声も出ずに チューリップはただ 痛い痛いと思ったのだ

      • こんなところで熟れました

        いつからか まるが 詰まっています 喉に詰まったとき 運よく死ななかった 真っ赤なまるの隙間から 息を吸って 真っ赤なまるの隙間から 息を吐いてます 真っ赤なまるの隙間から たべものを飲み込んで 誰か背中を叩いて!! もしくは ハイムリック法 ぽんっと 林檎が出てきました もとは青林檎だったかもしれない 林檎さん ごめんね あれ またまるが詰まった

        • 遠い場所の朝

          気づいたら、誰もいなくなってしまった 砂も海も空までも真っ黒なベールをかぶって どこから来たのか忘れてしまった 生まれたところも、個体だったのか液体だったのかも忘れた 暇が怪物を起こさないように できるだけゆっくりと過ごした いろんなものを観察して 法則性を知った 一方で、どれほど熱心に観察しても 予測できないことも沢山あった 砂の涙の理由とか きみとわたし、どちらが歳上なのかとか 考え事をして空想をした 夢の中で 旅人になって世界中を巡った それが終わると風に

        わたしは自由

          絶望する夕方

          だいじょうぶ だいじょうぶだ と 言い聞かせて もう疲れてしまったよ 全てのことを忘れてしまいたい なぜ と問うことも 嘆くことも 闘うこともやめた その葛藤も知らずに 私はただ もう諦めたい 抗うことも受け入れることもできなかった どこまでも付き纏う影に追いかけられ 侵入され 破壊され続ける 私のからだの持つ 組織の再生能力を遥かに超えて ぼろぼろと崩れ落ち それでも生きてきた もうとっくに死んでしまっていたのに 生きてきた からだじゅうが痛い

          絶望する夕方

          生きていることをあなたに否定されても

          馬鹿みたいに よわっちくて よわっちくて 何もできない ずーっと寝ていて 生きているのか死んでいるのか分からない 誰しもが生きることで迷惑をかけるけれど でも同時に貢献する 愛を与える それなのに私は ただ迷惑をかけるだけで 社会の負担で 死ぬべき存在 これが死にたいということ 生きる資格がないということ でも死ぬのが怖くて ずぶとく生きている 恥を晒しながら 生きている 馬鹿みたいにヨボヨボと 生きている 申し訳ないなんて もう言うな 無価値なのに生きる こ

          生きていることをあなたに否定されても

          病と諦念

          いろんなことを諦めました 病気になって諦めました 頑張れとか、きっと良くなるよとか 言わないで なんて言わない 甘えているだとか、良くなろうとしてないだとか 思わないで なんて言わない 理解してほしい と思わない きっとそれはとてつもなく難しいこと 諦めるまでにどれだけの葛藤があったのか 思いを馳せなくて大丈夫 世界は 安全でも一生懸命生きるに値する場所でもない ということを 否定しようともがく人たち を眺めながら わたしは 彼らを傷つけずに傷つけられずに

          病と諦念

          オオカミさん

          閲覧注意⚠️虐待について。 とりあえず 焦げちゃ のフローリング が目の前にあった どんどん迫ってくる そとは あらし 静寂のうち嵐 オオカミさんの雄叫び 五月蝿い 皆が怯える でも問題ない 今日もうまくやれる 非常事態ですか いや いつも通り オオカミさんの機嫌が悪い のはなかば日常 だとしても おかあさんが こんなに泣いている 逸脱 した夜 おかあさん 馬鹿みたいに歔欷しないで オオカミさんの機嫌をとってよ いつもわたしの方がうまい 脅かさないわんちゃんは 贔屓さ

          オオカミさん

          告白の理由

          ひとりぼっち 抱えきれない真実を覚えていなくていいように みんなにも覚えていてほしい わたしがわたしのことを忘れて 過去を忘れて 何があったのか訳がわからなくなっても 本当のことが 隠されてしまわないように わたしと一緒に 覚えておいてほしい

          告白の理由

          探しもの

          じゃりじゃりとふみしめると 足の裏で固まる 打ち寄せる水で洗い流して 次の瞬間 また汚れる 永遠のくりかえしを どうやって切り上げればいいのか 知らない 砂だらけの 小さなわたし おとが どこまでも私を閉じ込めて ひとりぼっち ふらふらと ひかりを語るものは闇を知らないのだと わかり合えないばしょから 終わりのない自問自答 疲れ果てて もうかえりたいよ どこへ? 綺麗事のまかり通る世界なら 理不尽に傷つきすぎた やり場のない激しい怒りを隠して 隠し

          探しもの

          だいすきだよ

          あなたの大切なものをおしえて あなたの好きなものをおしえて お気に入りをおしえて 寂しいよるの過ごし方をおしえて 何度でも訂正して更新して おすすめの映画と本もおしえて 幾つでもわたしがハマるまでおしえて 行ってみたい場所をおしえて 壮大な夢でもくだらない夢でもおしえて ついでに昨日みた夢もおしえて 明日たべたい朝食をおしえて 死にたいよるをおしえて 傍にいられるようにおしえて

          だいすきだよ

          静かな祈り

          病のまえで 共感は 大きな悲しみのまえで 言葉は 絶望のまえで 感謝は 孤独のまえで 希望は 無力だった 宇宙の真理は 愛や連帯ではなくて 憎しみと分断におもえた さいごに残ったのは いつか暗闇をひかりが照らすと 信じる力 静かなこころで信じる力

          静かな祈り

          きみ

          ぼくたちは 同じ孤独を 共有してるんじゃないかって 馬鹿みたいな勘違いをして でもあの時は そう思わなきゃ やってられなかったんだよ きみは愛を知っていたんだね 考えてみれば当然だった 愛を知らない者が 愛を与えられるわけ ないじゃないか きみの眩しい笑顔が 心を抉るようになった きみの発する無邪気な疑問に イラついた いつしかきみは  ぼくが何を考えているのか さっぱり分からないという顔で ぼくを見るようになった またいつか おなじ場所でカゾクになれるかな そん

          病気になったとき

          どうして病を患ったのか あまりにも失いすぎた どうして病を患ったのか 心をも変えてしまった 失ったものを嘆いて 嘆いても足りない 同じ世界に生きられなくなり 同じものを信じられなくなった 感謝や意味づけにうんざりして そんな態度をジャッジされることを恐れた ただ絶望を知ってほしかった 失われたものの大きさを一緒に確認して 絶望を分かち合ってほしい (体の病気2年と4ヶ月目の記録)

          病気になったとき

          Help!

          わたしは、 傷つけられた わたしは、 感覚を踏み躙られた わたしは、 尊重されなかった わたしは、 孤独に慰めた わたしは、 それでもまた振り回された わたしは、 無力だった わたしは、 みじめだと思った わたしは、 恥じて嫌った わたしは、 ヒミツを背負った わたしは、 愛せないことを責めた わたしは、 価値が損なわれていると感じた わたしは、 隠れて死んだ

          わたしたちは、幸いである

          よびごえが なり響いて なり響いて 迷い込む ひつじ 半狂乱にぐるぐると回って 谷底をめざした 「心の貧しい人々は、幸いである」 願いをこえて いま いのるときがきた 嵐吹き荒れる海で もがくことをやめ 弱さと 苦しみと 罪を 自らにこくはくする ああ、 なんとみじめなのか なんとあわれなのか ちっぽけな良心をひっしに辿り 分かち合いたい わたしたちはさいわいなのですね

          わたしたちは、幸いである