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雨降りの憂鬱

傘が重なる
ぶつかって飛ばされて
涙が雨になって降っている

混雑した街中で
雨粒の一つ一つを
指先ですくったら
角砂糖みたいに
甘くとろけて
コロコロと笑ってくれる
だろうか

時として気分は変わるから
たまに訪れる憂鬱だって
気にしないで吹き飛ばしたい

飛んでいけ
飛んでいってしまえばいい

明け方の夢のように
うろ覚えになってくれたら

巻き貝が螺旋を描く
その変遷を辿っていきたい
そんな風に思うのって
可笑しなことだろうか
硬質な白い色
ザラザラした感触
海を思い起こすような
潮の香り

雨が降る
何処までもずっと
涙の雫が

それでもその彼方に
七色の虹が見えるのを
期待を込めて
待っている

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