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時間

忙しく働いている時、私は何かについてじっくり考えたり出来ない。
自分には時間がないと思っているからだ。

気持ちの余裕がないと時間が足りなくなる。
それは、常に周りが気になり他人の物差しで自分を図ろうとしている現れだとも思う。

お金に対しても同じだ。
自分にとってどのくらいあればゆったりと安心して過ごしていられるのか。それを私が明確に分かっていないから、漠然といつも「足りない」と信じている。

先日、ミヒャエル・エンデの「モモ」を読んだ。
物語の中で、何もモノを持ってないモモを、他から来た侵略者たちは羨み、その目に見えない莫大な「モノ」を時間と捉えて、何としてでも奪おうとする。時間=お金という式は、現代人の中にも今なお在る。

モモは、よく人の話を聞き、周りを見ていた。
何処かの街で今も誰かの話に耳を傾けているかも知れない。
周りに振り回されない為には、じっとひとりで良く観察する。
これはモモが私にそっと教えてくれたこと。

朝、「自分には今日一日時間がたっぷりある」と言い聴かせてみると、誰かの話す声がいつもより自然と耳に届くかも知れない。

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