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『恋する二日酔い』コナリミサト

私にとって漫画は「酒」なのだな。多分人は思考を停止させるためにお酒を飲むんじゃないか。私はこの間15年ぶりのバスケの後で2杯飲んだら、夜中吐き、1週間1日1.2食で暮らした。胃も弱い。会社帰り、電車のなかでトリップしてそれで気づいたら最寄駅っていう風にしたい。素面じゃ耐えられない。そんな気分の時に選んだのがこの漫画。帯に「女子のリアルな心理描写に定評あるコナリミサトの傑作短編集」とある。ああ今エモい気分なんだよ、一緒に飲んだくれる仲間が欲しいんだよ。頼むわ。

『凪のお暇』のコナリミサトさんの短編集。凪…は1巻しか読んでいないのだが。この漫画はとても私の気分に合っていた。帯にあるように、女子の「ぐうぇえええ、痛い痛い」みたいなシチュエーションがうまく切り取られていた。例えば元彼の結婚式に参加、とかね。あのBBQで一緒に笑ってた日々もなかったことになっている、それがっ、辛い!みたいな。でもこの短編集のすごいところは、そんなダウナーな展開になっても湿っぽくないところ。「あーきついきつい、血が超出てるんですけど。まじ痛ぇ」と、ただありのままに味わう。見なかったことにするわけでも、クソみたいな綺麗事でポジティブなことを言ったりもしない。(一人そういうことを言う人が出てくるが、「分かった風なこと言うけんちゃんの髪の毛全部むしりとってやりたいなあ」と思われてしまうw)もちろん素敵なことが起こるストーリーもあるけれど、なくてもみんな落ちた後にすくっと立ち上がって行くのだ。

どうせ私も立ち上がってなんとかして行く。彼女たちのように。大丈夫じゃないけど、大丈夫。

漫画252『恋する二日酔い』 


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