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『3月のライオン』17 羽海野チカ

彼らが、幸せでありますように。健やかで楽しい時間が1秒でも多くありますように。登場人物や作者である羽海野チカ先生に心から思う。これは祈りだ。私は神ではなく、『3月のライオン』関係者に混じり気のない気持ちを捧げる。

部屋を片付けていたら見つかった16巻。つい読み返して涙を浮かべて、そういえば新しい巻が出ていたような、とスマホに巻数をメモして笑顔いっぱいの零と二階堂くんの表紙を本屋で見つける。大丈夫、巻は飛んでいない。

どんなに努力して、犠牲を払っても、全員が勝てるわけではない勝負の世界。年齢も境遇も考慮されず、ただ将棋盤の上で強いかだけが問われる。主人公の零くんも、難病を抱えた二階堂くんも、将棋のために色々なものを手放した師匠の島田八段も本当に幸せになってほしい。

棋士たちだけでなく、零くんの彼女 ひなたちゃん、彼女のお姉さんのあかりさん、姉妹のおじいちゃんも本当に素敵な人たち。彼女たちが美味しいものをたくさん食べて、温かい場所でのびのびと楽しくありますように。シンプルに「このマンガ、面白い」という感想が出てくるマンガも貴重だけど、読者に祈りを捧げさせるなんて、なんて大きいマンガなんだろう。そんなことを書くと、知らない人はどんな聖なるマンガか、と思うかもしれない。とっつきにくいことは全くなくて「ポテチとチョコ(しょっぱいと甘い)を交互に食べると止まらないよね、お皿の上でも敢えて隣り合わせに盛るよね」みたいなエピソードがかなり熱く盛り込まれた非常に親しみやすいマンガです。

『3月のライオン』17 羽海野チカ

#3月のライオン #羽海野チカ #マンガ #読書感想文

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