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『マーケット感覚を身につけよう』 ちきりん

マーケット感覚?どういうこと?それがあると生き残れてお金も稼げるっぽい、じゃ読んでみよう!ということで読んでみた。

「はじめに」によると"マーケット感覚"と対になるのが"論理的思考"だそう。“思考”と“感覚”は何となく逆な気がするけれど今ひとつわかんないなと思って本編へ。最初に出てきた例で引き込まれる。「ANAの競合は?」まず最初に思い浮かぶのはJAL、British Airways、LCCなんてところ。わざわざ本で紹介するってことは、それだけじゃないよな?ともう一段階踏み込んで新幹線や高速バスまでは思いついた。全日空ホテルもあるからホテル業界もライバル?というのががんばった私の思考。さて、ちきりんさんはどう考えるのか。

「答え」ではなく「思考法」がポイント。まずANAの事業内容を分解してみて、それぞれのライバルを挙げる。このあたりが論理的思考。その次に、ANAの顧客を具体的に思い浮かべてみる。例えば海外拠点を統括する事業部長。各国の支店にテコ入れが必要・・・という場合。何がしたいのか、解決したいのか、つまり「価値」に着目して出てきたANAのライバルは「国際会議システム」。これは論理的思考からはなかなか出てこない答え。でも、人はそうやって動いている。

これからの時代、英会話や資格のスキルではなく、「価値を認識する力」が必要とし、その力をちきりんさんは「マーケット感覚」と称する。何かを考えるとき、場合分けをしながら一つずつ順を追って考える論理的な方法と、マーケット感覚をフル活用してリアルな現場をイメージしながら考えるという2つのアプローチがある、という。リアル本屋とオンライン書店、プロ野球と甲子園も同じことを扱っているが、提供する価値は異なってそれを掴めるかという力。

他にも様々な切り口がわかりやすい例で紹介されている。言われてみると「なるほど!」と思うことばかりだけど、自分でそこを把握できるかというと日頃の練習が必要そう。1冊前のみうらじゅん著の『「ない仕事」の作り方』みたいに「見えない」ものだから、別の視点をインストールして慣らさないと。3冊前に読んだ西口一希著『実践 顧客起点マーケティング』も未来のマーケットを掴むためのメソッド。ちきりんさんと西口さんの本の共通点は「まだ見えない流れをつかむことが大事で、そのためにはロジックと感性の両方を使いましょうね。」ということのような気がする。

ちきりんさんのTwitterはよく見ているけれど本は初めて。非常~~にわかりやすくて説得力がある。そして全部を理解できなかったとしても、とても大事なことを教えてくれているということが感覚的にわかる。ありがとう、ちきりんさん。そんな信頼感抜群のちきりんさんオススメの電気膝掛けは一冬で数千枚売れたとか。そんな「信頼感」を価値としたビジネスについても紹介されている。ちなみに私は次にスーツケースを買うときはちきりんさんオススメのを買おうと思っている。

114 マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法


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