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フルメタルに学んだ事。~2分半のお勉強会~【ライナーノーツ】

さて今回の動画はフォロワー様のリクエストであった物を上げる。


【リクエスト!】Fullmetal Fighter / 武者アレスタより 叩いてみた。


色々と個人的に面白かったのでそれを記しておく事にしよう。
例によって今回も前戯が長い話になるのであるがよろしくお願いしたい。




まず第一に僕は

速い曲が嫌いである。


速い曲と言うとちょっと違うか、疾走感のある曲は大好きだし。
なんだろう、速さだけを求められるリズムというのがプレイとしてあまり好きじゃない。



僕もそんなに経験豊富なわけではないが、なんだか音楽というのは速ければ速いほどすごい、技術が高いとみられる趣がある。
ギターとかでもピロピロと指を動かしたりドラムなら足をドコドコ踏んで手がバララララみたいな←これはあくまで端的に言ってるだけだけど笑


いや確かにそういうものはすごいし神技だし、その人の技術や鍛錬も大きくある。それは間違いない。初心者が今日明日出来るものではとてもない。
だがそれが出来ればすごいとか上手いプレイヤーというのは絶対に間違いだ。
そして得てしてこれは見聞きする人を騙しやすいものだ。
経験がない人には何をやっているかわからないものだからすごく見えるのだ。
いや実際すごいのだけど、例えそれをミスしても上手く見えてしまうものなのだ。
例えミスをしてもそれを上手く見せるのもまた技術なんだけどなんだろう、それって視覚的に訴える事の出来るものであって人の心や琴線にまで触れるものではないと僕は考えている。

ミスをしてもすごく見えてしまうというのは、誤魔化しが効きやすいという事でもあり結局芯までは伝わっていないという事なのだ。


いやでも見聞きする人が楽しくなってくれれば伝わってなかろうがそれも一つの正義なんだけどさ~


上手く言えないけどこの曖昧になる感じが僕はとても嫌で。




僕の大好きな野球で例えてみよう。
日本のマスコミは特にピッチャーが何キロの速い球を投げたという事ばかりニュースにしがちである。
だがピッチャーの仕事は速い球を投げる事だろうか。
違う。ピッチャーの仕事バッターをアウトにする事である。
そのために最低限する事はストライクを投げる事である。
ストライクが入らないピッチャーなど打者はバットを振ってくれないし、当然アウトにも出来ないという事だ。
例えこの世に200㌔投げれるピッチャーがいたとしてもストライクが入らなければ、100㌔しか投げれないけどストライクをちゃんと入れるピッチャーに劣るのである。
なのにやたら日本のマスコミは速度がどれだけ出たかを言う。
**投手ついに出た!みたいな感じで。
問題はちゃんとストライク入ったか?
きちんとバッターを打ち取ったか?
チームの勝ちに貢献できたか?
この方がはるかに大事なのに。
速度がどれだけ出たかの方に我々は誤魔化されようとしているのだ。


速いだけなど何の意味もないと思う根拠はそういう事なのである。



ドラムの仕事も基本的には音のボトムを支えたり、ボーカルを引き立たせたり、リズムで曲を色付けたりする事だ。
一人でやっているような人ではない限りバンドにはアンサンブルというものがあり、役割がある。ドラクエで言うとドラムはその中で魔法使いや賢者のような役目だと思っている。ばちばち前に出ていくような魔法使いや賢者はいるか?という話なのだ。


だから僕はドラムというのはいかに速いものを叩くかというよりいかに重い音、しっかりした音を出すかだと思っている。


速いだけの曲には興味がない。早く叩くだけならある程度掴んでしまえばむしろ簡単なのだ。速いだけの曲はやってる感はあるが魂を感じられない。

というわけで今までもそういったものはドラムプレイとしては意識的に避けてきた。
自分のバンドでメンバーの誰かが作ってきてももう少しスピードを下げろという注文をしたりとか。



しかし「出来ない」という事と「やらない」という事は違う。


やらないのは出来ない事の言い訳にもなってしまうため練習はしていた。
ただ自分の嫌いな物、やりたくない物は当然気も向かないものである。
いつかやらないものは苦手なものと化していた。




さてここから長い前戯(前置き)は終わり本題である笑


ちょっとストレートな言い方をするのでこのゲームのファンの方にはカチンとくる発言もあるかもしれないが、悪気はないしゲームやゲームサウンドをけなすつもりもないのでご容赦願いたい。



今回の動画はツイッターのフォロワー様から去年末にリクエストを受けたものであり、僕は全くこのゲームを知らない。
で、思い入れもないものだから最初聞いた時に全く面白くない曲だと思った。
ただ速いだけだ。しかもこれは結構速い曲だ。
速く叩けばそう練習する必要もなく動画をアップする事もできる。速く叩くだけでいいんだから。
ネットで調べた所人気がある一曲らしい。フォロワー様からカッコイイですよとも言われた。もちろん相手には言わなかったが正直全くそう思わなかった笑



ただ、ちょうど前置きにも書いたように自分の仕事の幅や引き出しを広げるためにも、去年の秋からその苦手克服には努めていてこれは自分を試すにもちょうどいいと思った。
まずこの曲の音源自体FM音源、これを生ドラムと合わせた事も何気に今までなかったのでミックスするとどうなるのかにも興味あった。
言ってしまうとPC98から出てるようなペラッペラの薄い音と轟音のドラムを合わせるわけだから笑


だが実際始めると、これが叩けない。
ただ速いだけ。
速く叩くだけでいい。
それだけでいいと言った事が出来ない。
しかも実際動画にするにはただ速く叩くだけではだめで抑揚もそれなりに考えなければならない。
結果としてわりと時間がかかる事になってしまった。
僕は今まで何年何度やってきたのだ。
なぜこれだけと思った事も出来ないのだ。

お前もしかして自分の事ちょっとでも上手くなったとか思ってないか?

と精神的に殴られる事にもなった。



そうだ僕は下手なのだ。
だから誰よりも何よりも叩いて叩いて叩いて叩いて叩いて叩いて叩いて練習してきたし今もするのだ。
僕の好きな漫画家先生の言葉にこんなのがある。

「この世界は自分の力のなさを嘆いている暇などない」


そこでまず自分の何がダメかを自分の叩いている映像と自分が好きなドラマーの写真から映像から比べて見まくった。ドラムのセッティングである。
詳しくは割愛するがそこで改めて今までの自分が何が違うかが分かって改善できた。
その部分は何センチ差の世界である。
ただその部分は今まで何度も迷って変えた部分だった。
知らない事はなかった、わかっていない事もなかった。
でも今まではバンドして活動していたからそんな風にして自分の事をちゃんと見るという事がなかったから。
今までは自分の苦手なものだと言って避けて来たから。
何が違っていたか何が足りなかったかを見つめ直す事が出来た。
また野球に例えてしまうが、バッターで言うなら打席のどこに立つかとバッティングフォームの見直しという事になるだろうか。



そしてFM音源とドラムは合わない事もないと言うのも見つけられた。
これでPC98のゲーム音源とドラムを合わせる事も今後あるかもしれない。
音さえ鳴っていればドラムはやはり合うんだ。
もし合わなければ多分それは僕のやり方が悪いのだ。



気が付けば自分のセッティングも見直し(これは高くていい機材を買うより大事な事)、苦手だった速い曲もいつの間にかそれなりに手につくようになってきた。


僕自身はリクエストのリクエストも嫌いである。
音楽にしてもゲームにしても自分が何をしたいか見てもらいたいかというのが大事だと思っているので、やたらめったらリクエストを見聞きする側にお願いしたり乞うのはちょっと違うと思っている。僕はね。それがダメな事だとは言わないよ。
ただ自分がしたい事を見てもらわないと発信するのは自分じゃなくていいよねという気持ちになってしまうのだ。
別に何の曲叩いてみただってゲーム実況だって誰でも何でもされているし出来る時代だし。


そんな理由もあるし僕自身も叩きたい曲はたくさんあるので自分から
リクエスト受け付けてまーす!
なんて事は大々的に言わないがリクエストというのはやはりこうやって自分の知らない曲と会わせてくれたり、思わぬ所から自分の勉強になったりする。
直接会った事もない方からこんな世の中でも接点があり、勉強までさせていただけるというのはとても貴重でありがたい事だ。
また僕にとっても非常に有意義な時間である。
なのでリクエストを受けるのは大好きです。求めないけどされるのは大歓迎という事で笑
むしろ僕なんかのドラムをリクエストされる方の好きな曲と合わせてくれと言われる事は無上の喜びである。
なんぼでもやらせていただきますよそんな嬉しい事は笑



とにかく速く叩く事より、とにかく力強く重く叩く事。


この価値観はこれからも変わらないけど、出来る事も増えれば自分がチャレンジしていく世界も広まった。
それすなわち自分にはまだ伸びしろがある事を把握できた。
時にまたドラムが好きになって楽しくなった。



これからも受けたものはせめてものお礼に全力で叩いて、見る方には楽しんでいただければ幸いだ。
それであなたがハッピーになってくれれば僕もハッピーである。
これがロックンロールイェー。




今回もお読みくださりありがとうございました。



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