見出し画像

子供に親の喧嘩を見せるべきか問題

15秒で分かる今日のポイント
●両親の関係性は、子供の将来のパートナーシップに大いに影響する
●但し、夫婦仲の良さは子供が将来良好なパートナーシップを築く上で「必要条件」ではあるが「十分条件」ではない
●「良い関係を見せる(喧嘩をしない)」より、「良い関係を築くプロセスを見せる(喧嘩からどう仲直りするか)」の方が重要

突然ですが、子供に親が喧嘩している姿を見せる派ですか?見せない派ですか?

なんて、そんな「派」があるのかどうか知りませんが、喧嘩している姿は見せないように気をつけている!という人にお会いすることも少なくないなと思います。

今日はそんな話です。


夫婦仲が良いことは必要条件だけれど、十分条件ではない

親であれば誰もが、子供に将来のパートナーと良好な関係を築いてほしいですよね。

私はそのために、まず自分たち親の夫婦仲が良いことはとても重要なことだと思っています。

でも、「親の夫婦仲が良いからといって、必ずしも子供が築くパートナーシップが良好であるとは限らない」というのも事実で、それが実は私の中で長年の大きな疑問であり、悩みでした。

というのも、私の祖父母は、母方父方ともにとても仲の良い、まさに理想的な夫婦だったのですが、私の両親の夫婦関係はきわめて悪く、それってなんでなんだろう?とずーーーーっと思ってきたからです。


親の関係性が悪いと、子供にも影響することは自明の理ですよね。親のパートナーシップは子供が幼い頃から無意識的に目にするものです。

子供が物事の良し悪しさえ付かないときから自分が身を置く「社会(=家族)」。

その世界で目にする親の関係性は、良くも悪くもその子がこの先築く人間関係の基盤となります。


だから、両親の関係性が良いことは何より重要なこと!!

そこに特に疑問はなかったのですが、でもそんな親に育てられてもパートナーとの関係性を築くことに苦労する人がいる。それってなんで?



「良い関係」を見せること以上に、「良い関係を築く過程」を見せることが大事

そんな疑問を先日友人にぶつけたとき、こんな質問が返ってきました。

「きょうみさんの祖父母って喧嘩するところ見せてましたか?」
「おそらく見せてない。っていうか喧嘩しない夫婦だったから、私も見たことない」


私の祖父母はとにかく仲が良くて、お互いにベタぼれという感じでした。

なぜか父方、母方どちらの祖父母も駆け落ちで一緒になった夫婦で、祖父は祖母を度々「かわいいなぁ」と言っていましたし、祖母も祖父を見る目がいつもキラキラしていて、「全てを捨てて一緒になったわけだから、一緒にいられることだけでも幸せだ」と言っていました。


とにかく相手のすること全てを全面的に受け入れている!といった感じだったので、おそらく殆ど喧嘩をすることのない稀有な夫婦だったと思います。

おそらく、子供たちが小さいときから殆ど喧嘩したことがなかったのではないでしょうか。


友人「そうすると、喧嘩してから仲直りするプロセスも子供は見たことがないでしょうね...」

確かに!!!

そうなると、子供は、「相手のすることは何でも許せる!」「この人のためなら全てを捨てて駆け落ちしても本望だ!」というように、情熱的に惚れ込んだ相手でもなければ、両親のようにはなれませんよね。


私の両親は見合い結婚。
お互いに惚れ込んで結婚したという感じではないし、気の合わないところも多かったでしょう。

そして、喧嘩したときに、どうやって仲直りするのか、互いのずれや感情のぶつかり合いをどう処理したらよいのか皆目見当がつかない、といった感じだった可能性もあります。

両親に同じような状況が起こっているのを一度も見たことがないので!


喧嘩を見せる見せない問題について

この私の祖父母の事例は「喧嘩を見せない派」の夫婦についても同じことが言えますよね。


「喧嘩を見せる派」については喧嘩をどこまで見せているかが重要になってきます。

喧嘩するところだけ見せて、何日も口を利かないとか、結局決裂したままで曖昧にし、徐々に通常モードに戻る、といった状況を繰り返し見せているのであれば、それは問題かもしれません。


喧嘩を見せるなら、それをどう解決するか、ちゃんとお互い向かいあって、互いの気持ちや不満を伝え合い、決着点を見出し、また生活を共に営んでいく。

できれば、より良い関係になる。

そういう夫婦の姿を見せることは、「関係性の築き方」を見せる意味で子育てに重要な意味を持つのではないかと思います。


人と人とは夫婦であろうがぶつかることがあるし、意見が違うのは当然。

でも、それから目を背けるのではなく、互いにより良い関係を目指して伝え合うことが重要なんだよ、というのは口で言うより両親がどう喧嘩を収束させるかを見せる方がよほどリアルに伝わるのではないでしょうか。



我が家は、人並みに喧嘩しますが、「寝るまでに必ず解決する」といういつの間にか出来上がった暗黙のルールがあります。

なので、どんなに夜遅くに喧嘩が勃発しても、目をこすりながら話し合ってます!笑

なぜか娘もそれをほっといて寝れない性分らしく、私たち夫婦の話し合いを夜中まで見守っています...


互いが自分の気持ちを伝え合えば、最後は必ず「ごめんね」となり、「これから○○するね」という解決策に繋がります。

これは喧嘩の仕方におけるあるルールを徹底すれば必ず到達します(それについてはまた今度!)


「関係性の築き方」
これは、私たちオトナもですが、子供たちがこれから山ほど(友達と、先生と、恋人と、伴侶と、自分たちの子供と)直面するであろう課題ですよね。


そして、その子供たちがその課題を解決するヒントとなるのは、今の私たちの夫婦関係にあるというのはやはり間違いないと思うのです。

だから、やっぱり失敗しながら、ぶつかり合いながら、そのプロセスも糧により良い夫婦関係を作っていくのは、自分だけの課題ではなく、子供という将来に繋がっていく課題じゃないかなと、改めて思うのです。


これまで子供に喧嘩を見せることにやや躊躇していた私ですが、これからはもっと自信を持って喧嘩できそう!?と思ったのでした!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?