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未来を語ることができなくなった京葉線のジレンマ

こんばんなまらステ💚Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨

12月半ばといえば毎年3月に行われるJRのダイヤ改正の概要が発表されるわけで、

自分も既にJR東海の中央西線については言及したけれど、

話題は北陸新幹線の金沢ー敦賀間開業に伴う輸送体系の大変化と、京葉線に集中している。

でも北陸新幹線は事前にいろいろ言われていたことがかたちになっただけで、そんなにサプライズもない。

一方で京葉線はほぼ阿鼻叫喚。

ラッシュアワーの快速、通勤快速がなくなりオール各駅停車にすることで、遠距離通勤者からすると通勤時間が露骨に延びることになる。

新ダイヤ発表後、多くの人が転居や転職を検討して、不動産や転職のサイトは千葉県からのアクセスが集中しているのではないだろうか。

一方で、近年利用が増えている潮見などの近距離利用者からすれば増発になり歓迎する向きもある。

ひとまずJR東日本は何故、それをするに至ったかを把握して、沿線ニーズと照らし合わせる必要がある。

理由はここに書いてあって、

パンデミックで減少した乗客が戻っておらず、パンデミック前の2~3割減であること、

しかしながら朝夕の快速の混雑が激しいことらしい。

京葉線ユーザーが他の路線と比較してテレワーク率が高い傾向があるのかどうかは知ったこっちゃない。

でもこの2つは言えると思う。

まず、京葉線が直通する内房線の市原・袖ヶ浦・木更津・君津・富津市在住者で、パンデミックにより着席通勤を知ってしまった人はもう昔に戻りたくないと思い、アクアラインを走る高速バスにシフトした可能性が高い。

元々、高速バスに乗客を取られていたところではあるけれど、それが加速したんじゃないかな。

もう1つ、京葉線はパンデミックと関係なく毎年のように朝夕の快速・通勤快速を削減してきたんだよね。

理由は長距離通勤者の減少と近距離の混雑悪化。

この結果としてユーザーが高速バスだけでなく、総武線にシフトしたり、あるいは房総半島から転居したり、職場自体を変えたりといったことでこの状況が増している可能性がある。

パンデミックは現状を加速させたのであり、現状を覆したわけではない、ということ。

快速は京葉線内の主要駅に停車し、通勤快速は蘇我を出ると新木場・八丁堀にしか停車しない。

通勤快速は遠距離通勤者に非常に人気があり蘇我発の時点で混雑しているけれど、京葉線の最混雑区間は葛西臨海公園→新木場間なので、京葉線そのものの混雑は通勤快速とは無縁。

快速が混雑するのは当たり前の話。だって多少混雑を我慢したって、みんな1分でも速く移動したいもの。まして、快速が途中で各駅停車を追い抜けば猶更。

したがって一般的にラッシュアワーにおいては混雑する快速や急行を増発する手段が採られるんだけれど、京葉線においては逆行しているわけ。

といっても混雑平準化のために、各駅停車オンリーにしたり、あるいは各駅停車を快速や急行が追い越さない路線も存在する。

有名なのはそれこそ京葉線と並行する東京メトロ東西線で、以前は西船橋ー東陽町間で浦安にしか停車しない快速が走っていたけれど(もっと昔は浦安すら停まらなかった)、都内の混雑が激しすぎるためにラッシュアワーは浦安から各駅停車になる通勤快速に変えたケース。

追い越さない路線としては京王線の調布ー新宿間とかかな。

しかしながら調布から新宿までは15.5kmしか離れていないし、東西線や東西線と当時に同じようなダイヤに変えた東急田園都市線でも短い距離でしかこんなことをしていない。

京葉線の場合は蘇我から混雑のピークである新木場まで35.6km、まして内房線、外房線からで考えるととんでもない距離を各駅停車オンリーにしてしまうのだからヤバい。

ここで京葉線の乗客ニーズを見ていくと、稲毛海岸や海浜幕張で増加するものの、爆発的に混雑するのは新浦安ー新木場間のみ。

市川塩浜で武蔵野線からの需要が流れ込んでくるものの、武蔵野線からの直通電車があるので供給も一緒に流れてくる。

しかしその供給力も新浦安で崩壊してしまい、東京メトロ有楽町線とりんかい線に乗客が流れる新木場で落ち着く。その先、潮見である程度増えるけれどそれでも新木場で減った分には全然肉薄しない。

新浦安ー新木場間はとくに快速だと乗車率200%くらいいっている可能性があるし、10両編成の京葉線に対して8両編成の武蔵野線直通電車は混む。

また、新浦安や葛西臨海公園で特急や通勤快速に追い越された前後は間隔が開いて混雑する。

他の路線でやっている対策を京葉線に当てはめてみるとすると、まず混雑する快速を増やすという点がネック。

乗客が減っている路線のため、総本数を増やすことが難しく、決まっている本数のなかでの比率を変えることくらいしかできない。だったら、全部各駅停車にして混雑を平準化した方がいい、という考え方になっちゃうのよね。

これが今回のダイヤ改正の正体。

これを踏まえたうえで処方箋を出していきたい。

まず増発は難しいけれど、供給力を上げる方法はある。

8両編成の武蔵野線電車はピークタイムはすべて南船橋に行ってもらい、西船橋始発の京葉線東京行きと接続すればいい。

次に快速や通勤快速の必要性について考えてみたいけれど、蘇我まででも距離が長く、その先からの通勤者がいる以上は存続させた方がいい。

ただし、新浦安からは各駅停車にして混雑区間における混雑平準化もやらなければならない。

より快速を必要としているのは海浜幕張より先の人であり、海浜幕張ー新浦安間にそれほど通勤利用の多い駅もないので、蘇我ー新浦安間では海浜幕張のみの停車でいい。

新浦安から先でスピードを出せない分だけ郊外では速く走らせたい。したがって海浜幕張・新習志野で各駅停車を追い抜いていく。

これをひとまず新しい通勤快速にして、外房線・内房線からのシン通勤快速、蘇我発の各駅停車、西船橋発の各駅停車を約9分に1本ずつの運転にして新浦安からは約3分間隔ということにする。

これはこれでいいけれど、いまの通勤快速とはやや性格が異なるもので、外房線・内房線からもっと速く東京へ向かう電車も別に必要。

JR東日本の態度として残念なのは「持続可能なダイヤ」と言っているけれど、高速バスや自家用車も含めた総合的な交通体系の持続可能性は何も考えていないということ。

いまアクアライン経由の高速バスは木更津と東京駅を約1時間で結ぶけれど、これは特急さざなみもほぼ同じ。

ピークタイムの特急さざなみは少し遅いけれど、高速バスはダイヤの不確実性が高くそこまで問題でもない。

木更津と東京駅の間はJRの普通運賃が1,340円、高速バスが1,500円、JRの指定席特急料金が950円となっており特急さざなみは2,290円ということになる。

所要時間ではほぼ同じである高速バスと特急さざなみでは、いくら特急さざなみの方がシートが豪華といってもユーザーからすれば790円差はあまりにも大きい。

それでも乗ってくれる人はいるので、特急さざなみはダイヤ改正後も存続するし、特急さざなみの前後では混雑しても、上客が大切なJR東日本は快速や通勤快速を無くした大義名分をここでは平気で棄てる。

ダイヤ改正後はこれまで通勤快速に乗っていた人が少なからず高速バスに流れるし、自由競争の観点からはそれで仕方ないのかもしれないけど、

ほぼ毎日書いてるようにバスドライヴァーが不足しているし、CO2の排出とかもろもろ考えても、所要時間がほぼ同等なら鉄道に役割を譲ることを考えないと、こちらも持続可能ではなくなってしまう。

もちろん行き先が川崎や横浜、羽田空港といった高速バスの方が圧倒的に速いものはなくせないけれど、東京駅行きは鉄道への一本化を考えてほしい。

この枠組みはJR東日本、日東交通や小湊鉄道などの高速バス運行会社、そして千葉県や沿線各市の協調のもとなされるべきもの。

行政がインフラ投資を補助、バス会社が営業面での支援を担当すればいい。

そのときは高速バス並みの座席、着席保証、コンセント&wifiつき、運賃、そして木更津ー東京間約1時間というものにしなければいけないし、総武線経由で新宿発着も必要。

昔の東海道線湘南ライナーのように、2階建て車両を用意して座席料300円、とすると木更津ー東京間1,640円。高速バスユーザーからしても許容できる料金といえるはず。

グリーン車も連結して、今の特急ユーザーも拾う。

湘南ライナーの2階建車両は昼間に東海道線の快速アクティーに使ったけれど、乗り降りに時間がかかって不評だった。

しかしこの電車は高速バスの代わりなので、昼間も館山まで運転したらいい。運賃が高速バス並みなら利用されるはず。

京葉線は積極的に考えたらまだまだ存在意義があると思うけれど、JR東日本はもう京葉線に未来を感じていないようで寂しい話。

とりあえず今回のダイヤ改正で行政や市民団体が危機感を持たないと、この先本当に未来のない路線になってしまう。

それじゃあバイバイなまらステ💚厚沢部煮切でしたっ✨







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