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アルプス復活の意味

こんばんなまらステ💚Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨

JR東日本が発表した夏の臨時列車で新宿ー白馬間の夜行特急アルプスというのがあって結構反響大きい。

アルプスというのはかつて中央東線に走っていた急行列車で、昼も夜も走っていたけれど、昼の方は特急あずさに取って代わられ、夜行列車としては結構長いこと続いていた。

昔新宿駅にアルプス広場というのがあってケータイをみんな持ってなかった時代にアルプス号に乗って信州の方へ行くグループがそこで待ち合わせしていた。

2020年に新宿駅の東西自由通路ができたことでアルプス広場は無くなったけど、そこにあるトイレがアルプス化粧室を名乗っている。

夜行列車が長らく残っていたのは、列車名の由来になった北アルプスこと飛騨山脈の槍ヶ岳、穂高、立山などなどへの登山需要があったからに他ならない。

登山は中高年層の支持が暑いので需要自体は割と底堅く、パンデミックのとき以外は700万人程度の参加人口が続いている。

じゃあなんで急行アルプスがなくなってしまったのかというと、理由はふたつある。

ひとつはバスに勝てなくなってしまったこと。

2000年に貸切バスの規制緩和がなされて以降、都内から北アルプス各地へ向かうバスが夏の金曜夜にはガバガバ走るようになった。

これらのバスは登山口まで直接行ってくれるし、価格的にもJRより安かった。あとトランクにザックを積めるのもクライマーにとってはいいんじゃないかな。

あと1997年に上高地の入り口である中湯から奥飛騨の平湯まで安房(あぼう)トンネルができたのも大きいと思う。これによって登山ルートが多様化していくのに対して鉄道は入り込めなかった。

もうひとつは1997年に開業した長野新幹線(現北陸新幹線)に勝てなくなってしまったこと。

大町や白馬へ行くには長野新幹線経由の方が早いからさ。

行きは早朝というか未明に登山口に着く需要あるから急行アルプスを白馬まで送り込めるとして、帰りはどーすんのって話よ。新幹線で帰る人が増えて、帰りの列車の利用率が下がってしまった。

あずさも以前は大糸線に頻繁に乗り入れていたけど、今は定期運転としては1往復だけなのよね。

昔は東京の人なら誰でも南小谷って読めたけど、今は読めない人増えた。

大町の駅でびっくりしたのは新宿よりも名古屋方面への接続時刻表の方がしっかり書かれてるのよ。そうはいっても元々の需要が東京より細いから、特急しなのは臨時でしか乗り入れてこない。

ということでバスの規制緩和からわずか2シーズン後の2002年に急行アルプスから快速ムーンライト信州に置き換えられた。

急行料金の有無どころか、青春18きっぷで乗れる列車になり価格激下げ。

大町や白馬でバスに乗り換えるのタルいから、バスより安くて当たり前。完全に負け組に転落した。

それでも2018年までムーンライト信州を続けており、2019年は動かしてないからパンデミックとは無関係。純粋にバスと新幹線に負けたのね。

んで、それが快速どころか特急として帰ってきた❕

これは登山者と鉄道マニアにはビックリなんだろーけど、旅行業界の人だったり、いつもここ読んでくれてる人なら頷いたはずだよね。

もう無尽蔵に貸切バスを出せないからさ。

元々は中信エリアの盟主であるアルピコグループが貸切バスを使ったツアーバスさわやか信州号としてガバガバ出していた。

ツアーバスなので都庁の大型バス駐車場を使って、首都圏各地から集めたシャトルバスをその場で乗り換えさせる、スキーバスみたいなことをやっていたのね。

ただ、2012年の関越道ツアーバス事故を受けて2013年から高速ツアーバスが新高速乗合バスに統合されるにあたり、2013年シーズンからさわやか信州号を乗合バス化したため、多少の続行便はありバスタ新宿(移行当初はヨドバシカメラのところにあった京王の高速バスターミナル)から溢れることはあっても無尽蔵な増発はできなくなった。

それを横目に登山バスをガバガバ出し続けたのが毎日新聞旅行さんね。

従前は独立した会社だったようだけど、現在は毎日新聞系の色んな事業を統合した毎日企画サービスという会社の旅行事業部が「毎日新聞旅行」、さらに「まいたび」というブランド名で旅行事業を続けている。

毎日さんって読売旅行さんや朝日旅行さんと違ってほとんど登山関係しかやっていない印象。

まあ紙の新聞を読む層と登山の層は似通ってるんだろうし、かといって普通のツアーなら新聞に出稿しまくっている阪急交通社さんの規模の経済性にまず勝てない。

最適なドメインを模索していたら登山に辿り着いたんじゃないかな。

夏の金曜夜になると、毎日新聞社の入る竹橋のパレスサイドビルにとんでもない数のバスが集まってくる。パンデミック期ですら流石に初年はなかったけど、翌年はそれなりに来ていてさ。

でもねー、2024年問題。流石の毎日さんも頭抱えてるんじゃないのかな。

貸切バス会社のなかでも毎年のように毎日さんと昵懇にしてるところは優先的に配車するだろうけど、今までのようなインフィニティ増便は絶対無理。

JR東日本はここに商機ありと判断したわけ。

特急にしたのはこの状況において多少高くても使ってもらえると踏んでいるわけよ。

今年は試行的な感じだけど、今後はとくに3連休前夜なんか3本くらい出すんじゃないのかと思う。

車両の復路をどーすんのかって問題は解決してないけれど。土曜の朝バスタ新宿に着く中央高速バスが東京は遊びに来る人でまあまあ混んでるので、白馬ですぐ折り返す快速にする❓

それはあるにしても、アルプスが今後隆盛を極めるようなら毎日さんがアルプスの席を確保したり、毎日さん自身が列車をチャーターすることだってありうる。

急行アルプス華やかりし頃は松本電鉄(現アルピコ交通)が松本から接続列車を未明に走らせてたんだけど、これも復活させるというか特急アルプスを松本まで12両、3両を切り離して新島々まで直通というのも考えられる。

アルピコグループによる列車チャーターってのも考えられるし。

この流れがどこまで進展していくのか興味津々。名古屋・大阪発着とかさ。

ちなみに富士山にこの流れは波及しない。あっちは縦走とかないし、御来光を拝むのがメイン。

またスキー列車にもこの流れは波及しないと思う。

多少インバウンドで盛り返しているとはいえスノボも含めたスキー人口は減っており、都庁大型バス駐車場なんか見てても台数はどんどん減っている印象を受ける。

なにより夜行移動というのが、若年層の女性やファミリー層からすると敬遠されがちで、JRが仕掛けるなら朝発日帰りの方だろうと。

ガーラ湯沢へ向かう新幹線はいつだって満席だし、土日の関越道はガチで動かず現地で1時間も滑れなかったという声もよく聞く。

新宿を朝出る上越国際スキー場前行きの列車はあっていいんじゃないかな。

バスにやられっぱなしだった鉄道復権の序章になるのかどーか注視していきたいね。

それじゃあバイバイなまらステ💚厚沢部煮切でしたっ✨




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