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95km/hの骨董品

#北海道新幹線 の札幌延伸に際しての #並行在来線 となる #山線 こと #函館本線 の長万部ー余市間120.3kmについて昨日廃止が決まった。

山線が今なお存続しているのはチートだったという見方もできる。

なぜなら国鉄を民営化する際、 #輸送密度 が4,000人未満の路線は経営を分離するとしていた。

この当時、この区間の輸送密度の発表は無かったけれども、2010年代に入って発表された長万部ー小樽間の輸送密度が600人台だったことからして4,000人は下回っていたと思う。

2010年代に輸送密度600人台の旧国鉄路線である明知鉄道(旧明知線)と樽見鉄道(旧樽見線)の国鉄時代の輸送密度を見てみると、前者は2,000人、後者は1,000人を下回っている。山線だって似たようなものなんじゃないのか。

それなのに函館本線の一部という理由で、札幌都市圏や札幌と函館や旭川との都市間輸送との合算で生き延びてしまった。不公平だよね。

80年代前半までは、函館から小樽経由で札幌へ行く特急北海が走っていて、函館本線の一部という言い方もできたかもしれないけど、それがなくなり貨物列車も通らなくなった以上終わった話。

2000年の有珠山噴火で海線こと室蘭本線が使えなくなった時に貨物列車が山線を迂回運行したことがあり、バックアップ路線として残しておけという意見もあったけど、これはJR貨物から全否定されてしまう。

機関車が大型化して山線を走れなくなってしまい、今度有珠山が噴火🌋したらトラックで代替輸送するんだってさ🚚

ただし、その明知鉄道や樽見鉄道どころかそれ以下の輸送密度でも現在まで生き延びている路線がいくつもある。三陸鉄道もそのひとつで、申し訳ないけど津波と共に廃止にして当然だったのにもかかわらず復旧した。

それが何故なのかといえば、鉄道の方がバスより速いのと大箱だから。

ローカル線とはいえ高校生の通学ラッシュにはバスより鉄道の方が適しているし、近年は人手不足が叫ばれていて鉄道の代わりにバスを複数台用意すれば事足りるという意見が通用しなくなってきている。

現在、廃止確定区間が長万部ー余市間となっていて、余市ー小樽間についてはまだ固まっていないのはこの区間は通学時間帯に座れない人がいるほど混雑しているためで、まさにこの話に当てはまる。

需要面では余市ー小樽間だけが今後の存続を議論できる存在なんだろうけど、供給面つまり速度の意味ではどうかというと、この区間はローカル線としては相当速い95km/hで走っている。急勾配が多いので全てではないにしても、この速度を出している事実は重くバスには絶対真似ができない。

赤字がどーのこーの言うなら、北海道新幹線こそJR北海道の赤字額の半分を叩き出してるんだから廃止すればいいのに、それをしないのは高速輸送による社会的な価値が大きいから。

それならばバスに真似できない速度を出している在来線にも社会的価値はないのかと思う。失って初めて気がつくものなんだろうけどそれでいいのか。

長万部ー余市間を詳細に眺めてみると、それぞれの町の中心駅である黒松内、蘭越、ニセコ、仁木ではコロナ前で1日100人以上のまとまった乗降があり、この地域の中心である倶知安はコロナ前で1日1,000人以上の乗降がある。そのため小樽から来た列車の大半は倶知安で折り返す。現在でもニセコをはじめ各地へのバスが出るハブ(交通拠点)で、新幹線の駅ができると尚更そうなる。

倶知安の隣の小沢(こざわ)は共和町唯一の駅だけど、中心部から離れており利用は少ない。1985年まで共和町中心部を通る岩内線が分岐していたけれど、今では札幌への高速バスと倶知安への路線バスに姿を変え小沢で乗り継ぐ人はいない。

全体的な流れは小樽及び札幌方面に向かっているけれど、黒松内では長万部の方が強く、蘭越ーニセコ間では倶知安以東に行くより倶知安で降りる人が多い。

それから北海道のローカル線の多くはそうなんだけど、長い距離を走る路線バスが並走していて最適な交通モードを調整できていない状況が見られる。並走するバスのない黒松内ー蘭越間を含めた長万部ーニセコでは鉄道の本数が圧倒しているけれど、ニセコ以東では調整ができていない。

中長距離輸送は鉄道に任せてそれぞれの駅でローカルバスが待ち受けているような棲み分けを全然やらない。こういうことをやるだけで随分変わってくるのにね。それぞれが好き勝手に走っているのは鉄道にとってもバスにとっても、何より住民にとってまったくいいことがない。

このような状況を鑑みて、この地域の公共交通をどうすればいいのかというと、やはり小樽・札幌方面から直通できる強みは残すべきで、それを発揮できるのは仁木までだろうと思う。現時点でも仁木からひと駅長万部寄りの然別で折り返す列車があるのは余市のみならず仁木の需要があるからだ。仁木から先は利用の少ない駅が続き、その先は新幹線駅のできる倶知安になってしまう。

今は長万部というか新函館北斗から小樽までは電化されていないけれど、オペレーションの統一を考えて仁木から小樽までも架線を引き、仁木から新千歳空港などへの直通電車を走らせればいい。土地は腐るほどあるんだから、仁木に車庫とか貨物駅とかでかーいのを置いて、札幌近郊の鉄道施設をタワマンとかショッピングモールにでもしてしまったらどーなのか。そういうことでJR北海道が運営を続ければいい。

仁木から長万部までの鉄道存続は難しく、倶知安をハブ(交通拠点)にしたバスの再編が現実的。

倶知安に新幹線ができると、倶知安ー余市の輸送密度は現状の700人台から300人台にまで落ち込む見込み。しかも多額の除雪費用がかかる。

輸送密度が300人割れかつ豪雪地帯を通る秋田内陸縦貫鉄道が何故存続できているのかよくわからないけど、ただこちらの赤字額は年間2億とかそんなもの。山線は年間20億以上の赤字が見込まれていてどうしてそんなに違うのかとも思う。誰もこの点を突っ込まなかったっていうのが、山線の運命なのかもね。

ここでよく出てくる杉山氏は英国🇬🇧的な保存鉄道化を提唱しているけど、あれ2〜30km/hとかの超低速だからね。交通機関ではないよね。

ニセコ観光圏の蘭越から倶知安が記事に挙がっているハリポタのノース=ヨークシャー=ムーアズ鉄道とほぼ同距離。ここに蒸気機関車🚂走らせたらウケるかもね。

ニセコに来るのはオーストラリア人🇦🇺と台湾人🇹🇼だから、オーストラリアや台湾の蒸気機関車もあったらいいかもしれない。日本が線路を敷いた台湾は当然として、オーストラリアでも一部は日本とレールの幅が同じで日本から車両を輸出している。

保存鉄道自体は個人的には別に乗りたいとか一切思わないんだけど、ここに泊まりたいとはずーっと思っていて、別に鉄道が廃止されても続くんだろうけどやっぱり鉄道で行きたい宿だよね。

乗り鉄はどーでもいいけど泊まり鉄❓は早めにしに行こうと思う。保存鉄道化したらパック料金も出て人気もより高まりそう。

ということで、#Clubhouse 『 #インドの衝撃 ( #インド大学 )』で2月7日の20:00〜、保存鉄道ってわけではないけど実質的に保存鉄道だよな、と思うところもあるインド🇮🇳の山岳鉄道について話すので、ご都合つく方は是非聴いてね❣️















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