見出し画像

自分と向き合う時間〜色との対話〜

今私はe-Waldorf のぬらし絵講座に参加しています。ぬらし絵とは、透明水彩絵の具を使い、ぬれた紙に絵を描いていきます。私はぬらし絵に出会って、自分が描くことの楽しさ、色の中に入り込むことを楽しんでいます。特に初めて描いたときは、ぬらし絵が普通の水彩に比べて、色が輝き光が入っていることにとても感動しました。

色の世界に没頭することで、色との対話が始まります。真っ白なキャンバスを目の前にして、どの色から描き始めるか、黄色だったら、白紙にまず1点黄色をのせ、そこから黄色にどんなふうに描いていきたいかと尋ねます。そうすると、不思議ですが、「こう描きたい」という気持ちが湧き上がってきます。その気持ちに従って、筆を動かしていきます。一筆ずつ、丁寧に色に話しかけて描いていきます。「もっと広がりたい?」「まっすぐ進みたい?波のように描きたい?」こんなふうにして色と対話しながら描いていきます。第一回目のレッスンでは「黄色と青の体験」がテーマでこの2色のみを使って絵を数枚描いた後、あることに気づきました。それは、この色彩体験は色を通じての自己対話ではないかとということです。
そして、自分と対話するとき、「面と向かって話すより、色彩から語られる言葉を通じて自分と話す方が話しやすかったりもするのではないか」、そんなふうに感じました。

自己対話にはいろいろな方法があります。一番シンプルなのは、直接自分へ問いかける方法かなと思いますが、ノートに書き綴る、ヨガやウォーキング、あるいは静かに瞑想するという形もありますね。私は以前の記事にも書いたのですが、「自分のモヤモヤした気持ちに耳を傾けているつもりで、実は質問攻めにしていた」ということがあり、「自分の声を聴く」とか「自己対話」ではなく「自己詰問」になっていました。

色を通じて対話すると「詰問」にならず、自然と優しく問いかけることができていたと気づきました。たとえば話し合いでも、一対一で話し合うより、第3者が入ることで話しやすくなったりすることもありますよね。その第三者に当たるのがというわけです。

このぬらし絵は、アントロポゾフィー医学では、絵画療法の一つとしてよく行われています。もちろん芸術としてのぬらし絵もありますが、この技法で描くことにより、より色との対話が起こりやすいように私は感じます。

以下に私が描いた絵を載せますが、このぬらし絵は出来上がった絵を見て、どうこうと判断したりするものではなく、描くプロセスに意味があります。それなので、私がどんな対話をしながら描いたかを絵に添えて綴っていきます。

最初に描いた絵はこちらです。

真っ白の紙に黄色から描き始めました。丁寧に一筆ずつ描きたいという思いが湧いてきて、少しずつ黄色が広がり、まん丸になったところで、青を描きました。青は黄色に近づきたいけど、ゆっくりゆっくり包み込むように近づきます。出来上がった絵を観て、黄色が小さいかなと思い、黄色に「もっと広がりたい?大きくする?」と尋ねましたが、今はまだこのくらいの大きさがいいと感じ、このままにしました。絵を描いてしばらく経ってから、ふと、あ、この黄色って私かなと思いました。「本当はもっと広がりたい。でも、周りの人にもスペースが必要だからと少し遠慮している自分。自分だけが目立ってはいけないと、自分の光を小さくしている自分。」そんな自分がいることに気づきました。

じゃあ、今度は白紙に思いっきり黄色を描いてみようと描いたのがこちらです。

描き始めたら、黄色の丸が一つでは寂しいから、もう一つ欲しいと思い、丸を2つ描きました。そして2つの丸はくっつき合い、その周りを優しく青が包み込みました。これを描いた後、「今度はやっぱり紙いっぱいに黄色が広がりたいな」と思い
3回目に描いた絵がこちらです。

黄色が紙いっぱいまで広がり、「黄色一色、一面に広がってもいいよ」と黄色に話しかけましたが、少し青のスペースも取っておきたいと感じ、後から少しの隙間に青を描きました。「自分を思いっきり表現して広がりたいけど、でもほんの少しだけ余白みたいなものを残しておきたいな」という想いが自分にあることに気づきました。

こんなふうに、色の世界に入り込み、没頭することで、私は今回は私自身がより黄色と一体となり、黄色が私の想いを代弁してくれているかのようでした。

「安心して光を広げてみて」
「うちなる光をもっと大きく輝かせてもいいよ」
「もっと他の人に自分の光を見せてもいいんだよ」

「あなたらしくいてごらん」

そんなメッセージが私に届いたように感じました。

私たちのいる世界にはたくさんの色で溢れていますね。お散歩しながら、色を楽しんでいます。

みなさまも、ぜひ色が語りかけてくる言葉に耳を傾けてみてくださいね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?