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記野式:サクッと!ゲーム業界講座 3月前半号

こんにちは。私は出張で会津若松に行っていました。ええ、地元ですね。笑。3年ぶりに訪れたのですが、雪もなく穏やかな天候でした。仕事で来ているのでいろいろと見て回ることはできないのですが、桜が咲くころにまたプライベートで来たいなと思いました。

出張に向かっている途中で、鳥山明先生がお亡くなりになったとのニュースが入ってきました。日本のコンテンツ業界にとっては大きな損失です。まだお若いのに本当に残念です。ご冥福をお祈りつつ、先生の遺志を継いでクリエイションをつなげていく動きが待たれます。

さて、配信が遅れたのには事情がありまして…記野が書き終わった記事自体をサーバから削除してしまうというアホなことをしました。システム上どこにも残っていなかったため最初から書き直しでした。号泣。身体の力が抜けました。

気を取り直して!今号のまえがきではAppleについて語ってみます。前半号恒例のイギリス週間ランキングに続いて2024年の世界のモバイルゲーム市場トレンド。その後ゲーム業界のリストラ、その他のニュース記事が続きます。

本記事での為替レートは1ドル=147円、1ユーロ=161円で計算しています。


<記野式まえがき:Appleは変わってしまったのか>

私は長年のiPhone ユーザーであり、iPod からiPadも持っています。信者までは言いませんが、Appleは歴史的にイノベーターとして尊敬する企業でもありますからね。

そんなApple がやり玉にあがっています。Epic Games によるココ数年の対Apple訴訟もさることながら Apple に対する風当たりはますます強くなっているように見えるのです。

まずは今、Appleが直面するヨーロッパの制裁に関してみていきましょう。

1.AppleがEUで制裁金を科される!

ヨーロッパにおいてはEUの欧州委員会(European Commission)がデジタル商取引に関する独占禁止を定義した Digital Markets Act(DMA:デジタル市場法)を制定して、2024年3月7日からあらゆる規制に対応することが義務付けられています。

実は、音楽配信アプリ運営のSpotifyはAppleを独占禁止法上の懸念があるとして提訴していました。Spotifyは、DMAにならって、Appleを市場の「ゲートキーパー(門番)」という表現をしており、App Store上の第三者音楽アプリに対してAppleが障壁を設けていると主張していたのです。

そうですよね… Appleは自社のApple MusicがありますからSpotifyはある意味競合です。Apple Musicは自社製品ですから30%の手数料はかからないです。ずるくないですか?いくら自社製品があろうとゲートキーパーが自社の利益を優先することは許されないのです。

欧州委員会は「Appleがアプリ開発者に対してApp Store外で利用できる代替の安価な音楽配信サービスをiOSユーザーが認知することを妨げている(アンチステアリング条項に違反している)ことを確認した」としており、DMAに反するため違法とみなし、制裁金18億4,000万ユーロ(約2,962億円)を科しました。この金額は市場が予想していた5億ユーロ(約805億円)の3倍以上で、制裁金の規模がAppleの世界売上の0.5%に該当するとのことでした。

DMAはApple、Amazon、Google、Meta、Microsoftのようなオンラインプラットフォームを運営するテック企業(総称して「ゲートキーパー」)による支配的な地位の乱用防止を目的に制定された規則です。テック企業…IT企業とかハイテク企業とかいろいろと言いますが、ゲーム業界と関わる部分もあり、差別化を図る意味で記事では「テック企業」と呼びますね。

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