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記野式:サクッと!ゲーム業界講座 4月前半号

こんにちは。4月になってようやく安定して暖かくなってきました。東京では桜が満開になり明るい新年度になりました。台湾の地震や過度なレイオフ、急激な円安などのニュースもありますが、それらを憂うよりも、どうやってそこから良い方向へと修正できるかを考えることが我々の使命かもしれません。

今回のまえがきは悩み多きゲーム小売店についてお話しします。その後恒例のイギリス週間ランキング、前号でお伝え出来なかった2月の世界のモバイルゲーム市場報告に続き、NewzooがPC&コンソールに関する最新レポートを出してくれたので解説します。その他のニュースまで長いので心してお読みください(笑)。

本記事での為替レートは1ドル=152円、1ポンド=193円で計算しています。


<記野式まえがき:ゲーム小売店の憂鬱>

ゲーム小売店が売上/利益減少に伴いレイオフを行っています。ゲーム業界内の人員削減が、ゲーム小売店へと波及しているという記事が見受けられますが、私はそうは思いません。

ゲーム小売店の斜陽は、一時的なものではなく、そのビジネスモデルそのものが岐路に立っているのです。

1.大手ゲーム小売店の歴史

大手小売店フランチャイズ GameStopは、1984年の設立以来、増収増益、M&Aを繰り返しながら、1984年に設立以来長きに渡り拡大を続けていました。みなさんも海外でこのマークをご覧になったことありませんかね。

2000年代以降、GameStop の利益の源泉はゲームソフト販売であったことは間違いないのですが、その多くは「中古ソフト(Pre-Owned)販売」から得られるものでした。2009年の情報では、GameStopの1本あたりの中古ソフトの利益率は48%と言われており、新品ソフトの約10%の利益に比べると5倍近い利益率を誇っていました。

そのため、GameStopはユーザーから中古ソフトを買い取り、それを再販する事業に力を入れていました。この様子を見ていた家電大手Best Buy やスーパー大手 Target なども中古ソフト販売に乗り出し一大「中古ソフトビジネス」市場が成り立ちました。ユーザーからしても新品を買うより安い値段でゲームソフトが手に入るのですから、そりゃ嬉しいですよね。

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