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OECD生徒の学習到達度調査の結果について

2023年12月5日、OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の調査結果が、文部科学省より発表されました。
今回は、この調査結果について、教員採用試験の観点からお話させていただきますね。


OECD生徒の学習到達度調査とは

OECDとは、経済協力開発機構のこと。
このOECDが実施している「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の3分野(実施年ごとに中心分野が設定されます)、そして生徒質問紙、学校質問紙による調査を「OECD生徒の学習到達度調査」といいます。

日本では、高校1年生が対象となり、3年ごとに実施しています。

今回調査結果が発表されたのは2022年に実施したもの。その前は2018年に実施され、コロナ感染症の影響で、4年間あいての実施となりました。

PISAとは

「PISA」は、この「OECD生徒の学習到達度調査」のこと。「Programme for International Student Assessment」の略で「PISA」といいます。けれど、この略に関しては、覚えなくても大丈夫。

教員採用試験では、
「OECD生徒の学習到達度調査」のことを他の言葉で置き換えると何になりますか?
というような問題が出題されるとは考えにくいのです。

なぜなら、
令和5年度の東京都教員採用試験でも、「OECD生徒の学習到達度調査」についての出題がありましたが、しっかり「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」と書いてあったからです。
教員採用試験は、このように略がある場合は、正式名称も記載してあることがほとんどです。

たまに出題されるPISA

じつは、インスタグラムで、9月25日にPISAの説明をしてみました。
なぜかというと、このPISAって意外と試験問題に出されることもあるからなんです。
学生の方々に聞くと、サラッと目を通すだけという感じだったので、直近の調査結果は、一度はよく読んでおいてねっと思っています。
ということで、調査結果が出たので、今回この記事を書いてみました。

2022年の調査結果でチェックしておきたいところ

ということで、今回の結果、出題されるかも・・というのが私の見方なので、重要点だけ簡潔にまとめてみました。

2022年の調査結果でチェックしておきたいところは、つぎの3点。
1.この調査に関する基本的なこと
2.PISA2022について
3.PISA2022日本の結果

PISA調査に関する基本的なこと

それぞれ順番にみていきましょうね。
まずは、
1.この調査に関する基本的なこと
5つピックアップしました。

①義務教育修了段階の15歳の生徒が持っている知識や技能を、実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかを測ることを目的とした調査
②読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について、2000年以降、おおむね3年ごとに調査実施
(ただし前回2018➞今回2022:コロナの影響)
③各回、3分野のうちの1分野を順番に中心分野として重点的に調査
④2015年調査より、筆記型調査からコンピュータ使用型調査(CBT)に移行
⑤3分野の調査結果を生徒や学校が持つ様々な特性との関連によって分析するために、質問調査(生徒質問調査、ICT活用調査(生徒対象)、学校質問調査)も併せて実施

PISA2022について

PISA2022はどんな感じ?ということで4つ。

①81か国・地域から約69万人が参加
②日本は、国際的な規定に基づき抽出された183校(学科)、約6,000人が参加(2022年6月から8月に実施)
③中心分野は数学的リテラシー
④2021年実施予定だったけれど2022年に延期して実施(新型コロナウイルス感染症の影響)

2022調査日本の結果

日本の結果は、このように報告されています。

①数学的リテラシー(5位)
 読解力(3位)
 科学的リテラシー(2位)
 3分野全てにおいて世界トップレベル。
※全参加国・地域中における日本の順位。
②今回の結果には、新型コロナウイルス感染症のため休校した期間が他国に比べて短かったことが影響した可能性があることが、OECDから指摘されている
③学校現場において、
「現行の学習指導要領を踏まえた授業改善が進んだこと」「学校におけるICT環境の整備が進み、生徒が学校でのICT機器の使用に慣れたこと」
などの様々な要因も、日本の結果に複合的に影響していると考えられる
④読解力、科学的リテラシーにおいて低得点層の割合が有意に減少し、数学的リテラシー、科学的リテラシーにおいて高得点層の割合が有意に増加
⑤OECDが分析する「レジリエントな」国・地域は4つあり、日本はその1つ
※4つの国➞韓国、リトアニア、台湾、日本

今回の記事のまとめ

2023年12月5日に文部科学省より発表された「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」の調査結果。
これは2025年度採用、つまり来年受験予定の方は、チェックしておいた方がいいかなって思っています。
要点は、文部科学省のホームページを参照にこちらにまとめましたが、もっと詳しく調べてみたいからは、文部科学省のホームページを確認してみてね。

今回の記事に関する参考・抜粋はこちら
文部科学省ホームページ
OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の調査結果:文部科学省 (mext.go.jp)


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