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第8回ちば映画祭 終了

3月19日の前夜祭。

が始まる前の午前中。ロビーに入るとスタッフのどの人も笑顔で挨拶してくれる。代表の石井学さんが丁寧な言葉で段取りを伝えてくれる。映写チェック。プロジェクターの調整をしてくれる青年スタッフ。丁寧な言葉。わけあって『河の恋人』と『始発待つ光のなかでピーナツは未来の車みたいなかたち』を全編通して見る。右斜め後ろで青年も一緒に全部見てくれる。左後ろにも誰かいて見てくれてる。終えて振り返ったらいない。ロビーに出ると、スキンヘッドの人が、唐揚げ弁当か、のり弁か、あと数種類の弁当のどれがいいかを大きい声で訊いてくれる。のり弁を受け取る。はしっこの椅子で食べてたら、ひとり、隣に来て一緒に食べてくれる。小さい声で、今回の特集で上映しなかったドキュメンタリー『時は廻りて』の感想を伝えてくれる。上映作品のタイトルが刺繍されたコースター。ぜんぶその人が作ったと後で知る。無料上映前夜祭がはじまる。千葉商科大学と城西大学の学生が撮った作品を見る。終えて喫煙所でタバコ。主演だった学生が来たので感想を伝える。地元の方ですか、ちば映画祭、いつも来るんですかと訊かれる。初めてだった。『デモンズ '95』の上映まで時間があったので、会場の向かいにあるイタリアンカフェで夕食。店長がひとりで働いてる。まちがえて、夜は出さないランチメニューのパスタを注文したら、出してくれた。遅くなったからと、ケーキをサービスしてくれた。

3月20日。

前日は姿を見なかったディレクターがいる。今回の特集を組んでくれた人。2年前の映画祭でトークの司会をしたときに大失敗をしたのだと伝えられる。他のスタッフにも伝えられる。どうやら、私の作品の特集のときに、それ以来の司会をするのだと知る。トークまでの2時間ほど。ロビーを行ったり来たりしてる。思い出したように隣にきて座り、トーク、どうやって進めましょうと相談してくる。また立ち上がって去って、戻ってきてトークどうしましょうと尋ねてくる。タバコを吸わないのに、喫煙所にもついてきてくれる。終了後、代表の石井さんに司会を褒められてるのをそばで聞く。杉田さんのおかげです、杉田さんのおかげですと、すれちがうスタッフの人たちに言われる。杉田さんのおかげですの向こうにはディレクター。みんなの大事な人。スキンヘッドの人が、わたしメモリー担当なので、メモリー残すんでと言いながらビデオカメラを回してる。

3月21日。

ロビーに高崎映画祭の志尾睦子さんの姿。ディレクターとたのしそうに話してる。高崎映画祭の準備で時間のないなか、合間を縫ってちば映画祭の激励のために駆けつけたのだと知る。ディレクター、子どもみたいにわらってた。3年前。『ひとつの歌』をとても大事にしてくれた人。ごはんに連れて行ってくれて、たくさん話して、別れ際に写真を撮らせてもらった人。映画を作ったら、また会いにいきたかった。ちば映画祭でお会いした。

みなさんひとりひとりがちば映画祭です、という言葉をいろんな人の口から聞いた。ディレクターが、いつかのスタッフ向け一斉メールで、末尾に書いた言葉らしい。スタッフの人たちがちょっとうれしそうに口にする。みなさんひとりひとりがちば映画祭です。打ち上げで、ちば映画祭5箇条を聞いた。3箇条しかなかった。悪口は言わない。エアリプはしない。もうひとつはなんだったか。みんなで復唱した。スタッフ同士、褒め称えあってた。代表の石井さんの気持ちを知った。来年に向けて、ちば映画祭テーマソングの新しいミュージックビデオを作ると約束した。映画祭が終わって1週間。今日、ディレクターからあらためて映画の感想が届いた。

(写真:橋口義大)

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