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ひとつの歌

『ひとつの歌』がちば映画祭の企画としてアテネ・フランセ文化センターで上映される。
この作品の撮影は飯岡幸子さん、音響は黄永昌さん、編集は大川景子さん。3人とも『ひかりの歌』を一緒に作ったメンバーでもある。撮影したのは2010年の夏で、そのころはお互いによく知らない同士だった。黄さんはその数年前に『河の恋人』も一緒に作ったけれど、そのときは人の紹介で知り合って、寡黙で無駄なことを話さない人だから、何を考えてるのかいつも想像しながら隣にいた。ちゃんと会うのはそれ以来だった。
こちらから声をかけて、長い期間を拘束して、作ってもどうなるかわからない映画の撮影に付き合ってもらうこと。それも、よく知らない人たち。渡していたのはメモ書きのような脚本だけ。ごめんなさいの気持ちがいつもあった。そんな撮影の3日目に、うしろからこっそり撮ったのがこの記事のヘッダーの写真。左から制作の高橋幸さん、撮影の飯岡さん、助監督も兼任してくれた大川さん、音響の黄さん。伊豆の下田から東京の吉祥寺にバイクに乗って帰る主人公のふたりを撮影してるところ。車のサイドポケットに私が入れてた伊豆の観光ガイドブックを、助手席に座ってた飯岡さんが見つけて、たぶん暇つぶしに読んで、線路と国道が交差するのを見下ろせるポイントがあるよと教えてくれて、寄ってみた場所だった。この4人の背中の写真が好きで、たまに見返す。
ちょっとあそこに寄ってみようかと、散歩のような感覚で映画を作ってた。

予定が変更になってすこし時間ができて、書いてみた。
これから出かけて、依頼された写真を撮ってくる。
今朝思いついた場所に行くつもり。

ちば映画祭2020 in アテネ・フランセ文化センター
1月18日(土)
『ひとつの歌』の上映は18時45分から
上映後に、歌人・作家の東直子さんと一緒にトークします

http://chibaeigasai.net/film-04.php


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