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「ポストハードコア」って何?①起源編

はじめに

「世界初のバーチャルポストハードコアバンド、Calling From The Reachで作曲家とギター、シーケンス作成をしています。Kyosukeです。」

こう紹介したらどれ位の数の人に「あぁ、この人はこういうバンドでこういう事やってるんだな」
と理解してもらえるのでしょうか。


Calling From The Reach (一番左がワタシです)




…正直分かってもらうのは厳しいと思っています。横文字多過ぎ。大抵の人は「バーチャル、、、バンドの、、ギターの人」程度の記憶しか残らないと思います。

そもそも、バンドとか音楽って専門用語多い上に、界隈でしか通じない言葉が多いんです。

では、どうやったら伝わるのか
伝えられるのかを考えてみましょう。


一聴して伝わらないのに「ポストハードコアバンド」と名乗る意味と意義


我々のバンドは恐らく大分類で「メタル」とか「メタルコア」のジャンルに分類される音像的特徴を持っています。

ポストハードコアって言葉の定義、正直めちゃくちゃ難しい。


「メタル」といえば
激しいメイクで髪を逆立てて、所謂X-JAPANやKISSのような容姿でメロイックサイン🤘そして激しいヘドバン。ピロピロ速弾きするギター。ステージには炎がブワー!

メタルっぽいイメージを持たれがちなKISS。実際にはハードロックや、ロックンロールに分類されている事が多いです。



「ハードコア(正式にはハードコア・パンク)」といえば
客も演奏者も入り混じって暴れ回る。思想性が強く、何かを主張していて、メロディよりはシャウト主体。ボーカルは短髪でタトゥーまみれ。

といったイメージをするかと思います。
両者ともギターが強く歪んでいて、ドラムがドコドコしていてボーカルが叫んでいるイメージがありますね。
「デス声」ってやつですね。(この呼称を嫌う方も多いですね。お許しください)

CFTRの音楽性

確かに我々は
①ギターが重ために歪んでいて
②ボーカルがメロディ主体ではあるものの、スクリームしている

という点で「メタル」であり「ハードコア」である訳ですが、我々CFTRがそういったバンドかというとだいぶ音像が異なります。

以下最新シングル「Fragment」となります。
一聴頂けたら参考になるかと思います。

…これは確かに「メタルかメタルでないかというとメタル」だとは思うのですが、ワタシとしてはメタルと名乗ってしまうとメタル側から怒られる気がします。

「ナヨナヨしてんじゃねぇ!!筋トレしろ!!お前らなんかメタルじゃねぇ」とメタルレジェンド、マノウォーに言われる気がします。

Manowar

以上のことから

CFTRは「メタル」でも「ハードコア」でもない。とワタシは定義します。
メタルもハードコアも、スタンスは「生き様」だと思っています。ロックンロールもそうですね。矢沢永吉さんとか内田裕也さんとかはまさにですね。
音楽のジャンルとは、ある種マインドセット。生き方の定義、信条的な側面があります。

我々は「ポストハードコア」に当て嵌まる信条を持って活動している。
故にポストハードコアバンドと名乗っているのです。
これからもそこは変わらないと思います。

ポストハードコアが生まれながらにして抱える
郷愁、哀しさ、寂しさ
常に新しい物を取り入れて、且つそこに政治的宗教的意味を持たせない
我々の主張は過去であり未来に在る。
引き算は退化はないが、進化でもない。
ワレワレは模索しています。
精神、構成の昇華と進化を求めています。
みんなそう思ってると思います。言葉に出すと胡散臭くなるだけで。

文章だけでは何言ってるか分からないと思うので軽くワタシから、ワタシの中でのポストハードコアの説明をさせてください。


ポストハードコアとは?

非常に定義が曖昧、かつ広義に渡る。勃興初期においてはポストパンクやプログレッシブ・ロックの影響を受けた前衛的なハードコアバンドを指す名称であったが、近年では大衆化してきたスクリーモ、メタルコアなどの代替語として用いられることが多く、特に海外でその傾向が強い。

Wikipedia

そうなんですよ。非常に曖昧です。
ポストハードコア。つまり直訳で
「"ハードコア"以降の物」
ハードコアの登場以降、進化、分岐していった物ですね。

①ワタシの中で"文字通り"のポストハードコアはこちらです。

Fugazi / Waiting Room
1989年の物ですね。KICKBACKじゃないです。
なんというか、こっちの方が文字通りの「ポストハードコア」って感じしません?音像はかなりパンクやメロコアに近いかと思います。

また、こちらも聴いてみて欲しいです。

at the drive-in / Arcarsenal
ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわのバンドですね。(ちなみにそっちは"Sleepwalk Capsules"という曲です)

2000年のリリースですね。
こっちの方が字面上のポストハードコアっぽくないですか?
混沌さというか…

そしてこちら

Fall of Troy / F.C.P.R.E.M.I.X.
2005年の楽曲です。
まだ字面通りのポストハードコア感がある気がします。
カオティックな空気の中、リフを中心に展開していく感じと、シャウト。徐々に別のジャンル「エモ」と合流していく過程を感じます。


「エモ」

かくいうワタシもこういうジャンルへの入りはハードコアでもメタルでもない、エモです。

入っていった流れとしてはパンク→エモの流れだったかと思います。SUM41、blink-182、the offspring、を通って(本当に通っただけでパンクやスケート文化を語れるほどではないのですが、、)

Finch、Jimmy Eat Worldの存在

ここがワタシ的にはかなり大きな分岐点かと思っています。

Finch

2002年の楽曲ですね。

Jimmy Eat World

こちらは2001年の曲。
ワタシが流れを追えていなかっただけで、Finch、Jimmy Eat Worldと前述したポップパンクバンド達とリリース時期や活動ペースはかなり近いです。殆ど誤差と言える。

エモというジャンルを語るにあたって
明確に違うのはメロディックでありながらどこか悲しさ、寂しさと浮遊感を感じる音像だと思っています。

秋や冬、夏の終わりを感じるような。永遠に続いて欲しいような、そんな気持ち。

そんな儚さを感じる「エモ」にワタシはがっちり心を掴まれてしまいました。

この概念がきちんとした形で国内に形成したのは
調べたところ2004-2005年でしょうか

日本における「エモ」の流れ

ワタシが把握してる限り、世代感もあると思いますが、この世代に大きな影響を受けたであろう邦楽バンドを2つ。(Number Girl、ASIAN KUNG-FU GENERATION、BUMP OF CHICKENに関してはエモから論点がズレるので別に論じますね。)

ELLEGARDEN

2006年の曲です。
エルレガーデンが明確にエモを持ち込んできたのは前述したようにもう少し前からなのですが、ワタシが一番好きな曲です。
フロントマン、ボーカルの細美さんも言及するように、前述したJimmy Eat Worldに多大に影響を受けています。
名曲「Salamander」は完全にJimmy Eat WorldのSweetnessのオマージュです。
コピーのしやすさも相まって、一世を風靡しましたね。

BEAT CRUSADER(ビートクルセイダーズ)

The Starbems / Holdin' On
出典元の都合で今回は後継バンドのThe Starbems(2012-)です。楽曲は2016年。

ビートクルセイダーズはYouTubeに公式動画がなかった、、、何故だ…

通称ビークルですね。2005年に出した「P.O.A. -POP ON ARRIVAL-」が名盤です。

「P.O.A. -POP ON ARRIVAL-」(2005年)

ポップさの中に確実に感じるエモの源流が最高な曲が多くて、ELLEGARDENに並び、初めて聴いた時は海外のバンドと勘違いしたのを覚えています。

LOVE DISCHORD
アルバム収録の
「LOVE DISCHORD」
という曲がとにかく名曲。

ワタシの音楽仲間とも高頻度で話が上がります。

ポップなイメージがとにかく強いビークルですが
この曲はひたすらにかっこいいです。

初めて聴いた時はポップさとエモさの応酬にただひたすら圧倒されたのを覚えています。
公式動画にはありませんが、各種サブスクやYouTubeに上がっているので是非聴いて頂きたい楽曲です。

以上、2バンドを軽く紹介させて頂きました。

まとめ

以上、ポストハードコア→エモへの変遷と流れ。歴史の紹介(兼ワタシの音楽遍歴)でした。

初回はひとまずここで終わりたいと思います。

次回は更に本題である「スクリーモから今のポストハードコア」編でいこうかと思います。

とても長いのに読んで頂きありがとうございます。

イイネ、コメント
いつもとても励みになります
ひとりひとりお名前を噛み締めてます
ありがとうございます!

Kyosuke

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