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『ビザ手続きであじわった葛藤』駐夫として生きる~シンガポール駐夫の新しい日常~

シンガポールでは帯同者ビザ(DP)でもワークパーミット(WP)という許可を付与できれば就労は可能なんです。

僕は駐夫をしながら今はパートタイムで日系企業さんのお手伝いをさせていただいています。

よって僕もDPにWPを付与しにいったのですが、その時に味わった葛藤・新たな気付きなどを今回は書いていきたいと思います。

センシティブな内容にも触れていきますので、お気持ちを害す可能性もあること事前にお詫びをしておきます。

過去に自己紹介も書いてますので是非読んでください。

駐夫記事の他にも元転職エージェントとしての知見を記事にしていますので
こちらも是非ご覧ください。


シンガポールの就労ビザ

転職エージェントのリラコーエンさんの記事によるとシンガポールの就労ビザは15種類あるそうです。(知らなかった)

詳細は僕が説明するより上記HPをみていただればと思うのですが、ざっくりと言うと③パータンあります。

①高度人材ビザ(ONEパス、REP、EP、(SP)など)
②労働者ビザ(WP)
③その他(ワーホリやジュニア向けビザなど)

①の高度人材ビザとは
マネジメント層や高度専門スキルを持っている方のビザで、最低月収なども設定されているのが特徴です。そして、高度人材ビザの中でも細かく分かれていて、ビザのグレードによって帯同者のステータス(働きやすさ)も変わるらしいです。さすがシンガポール!!

かなり雑なまとめ方ですが、私の言葉で置き換えさせてもらうと、

「シンガポールの発展のため、シンガポールにない知識やスキルを提供してくれる人材、シンガポールに経済的恩恵を与えてくれる人材のビザ」

②労働者ビザ
建設業・製造業・海運業などで労働される作業員の方、ヘルパーさんが取得するビザのようです。このビザには発給国が決まっていて日本は対象外とのことです。その他短期ビザもWPには含まれるそうですが、省略します。

これもかなり雑ですが、私の言葉で置き換えさせてもらうと、

「シンガポールの発展のため、労働力を補ってくれる方に発給するビザ」

シンガポールも日本同様、深刻な少子高齢化で労働力不足なんです。

③その他(ワーホリやジュニア向けビザなど)

日本人に大きく関係するのはワーホリビザかとは思います。こちらについては、イレギュラーに対応しているビザも多いので割愛します。

冒頭に書きましたが、僕のビザはDP(帯同ビザ)。そこにWPを付与するんです。DP+WP これってどういう位置づけなのか、、、

ビザ手続き当日


ビザ手続きのため指定された場所に向かいました。

もちろんシンガポール赴任直後にもビザの手続きをしていましたので、何をするのかは、おおよそ分かってました。

ただ今回指定された場所は前回とは違う場所。

特に何も考えずに向かいましたが、指定された場所についたとたん、何かいつもと違う雰囲気を感じ始めます。

イメージで言うと、「発展途上国の主要駅の雰囲気」

地方都市から首都部に出稼ぎに来ている労働者、地方都市に帰る労働者でごった返している、あの雰囲気です。建物は凄い綺麗なんですが、シンガポールでは感じない雰囲気なんです。

あっ、ここは「労働者」向けのビザ発給所なんだということが直ぐにわかりました。

指定された時間になったので列に並びましたが、案内係の方の対応も、そして手続きの流れを紹介しているVTRも、いつも知っているシンガポールとは少し違う。

話すのはダメ、列の横入りはダメ、終わったら直ぐに出口に向かえ、そんな注意喚起をしているVTRがテレビが流れているのです。

僕と同じ時間にはざっと300人程度いたかとは思うんですが、見渡す限り日本人は僕だけ、中東・インド系が4割、中華系が3割、東南アジア系が3割といった感じです。

手続きはさすがシンガポールって感じで、非常にスムーズに終わりました。そして対応いただいた方も凄く丁寧でした。

湧き出る感情

手続きを終えて帰るバスの中何とも言えない感情が押し寄せてきました。でも全然うまく言語化できません。とりあえず悲しいのです。

・高度人材ではなく労働力として扱われたことが悲しいのか
・でも、そんなエリート意識は僕にはないはずだ
・そもそも高度人材が上、肉体労働などが下みたいな考えを一度も思ったことはない
・無自覚だけど上下を決める気持ちが根底にはあったのか
・でもその気持ちも自然なのか
・高度人材でありたい気持ちも当然な気もする
・いや自然ではないんじゃないか

悲しい気持ちと、悲しがってる自分に対して苛立ち、でもこの苛立ちも自然なんじゃないか、いや違う、もう気持ちが大混乱です。

正直、今もまだこの気持ちについては言語化が出来てはいないんですが、

少し落ち着いた今、考えると

1つ確かなのは「区別された事実」シンガポールから求められていないという風に感じて悲しかったのかなと思っています。

最後に駐夫から一言


繰り返しになりますが、未だに今回の件は自分の感情をうまく言語化できていません。

ただ、今は当然かなって思っています。

振り返ってみると、僕は日本で区別された経験がないんです。
ありがたいことなのか、何かマイナスなレッテルを貼られたり、制限をかけられた経験がないんです。気づいていないだけかもしれませんが。

もちろん世の中に区別があることは理解しています。

転職エージェント時代は学歴フィルターなるものを目の当たりにしてきました。

学歴、性別、出身、子会社、契約社員、派遣社員などなど区別されている事実は知っています。

これまでは、「そんなんって微々たるさで本質的な差なんてない」って思っていました。

だけど、これって区別されていない側の意見だったんだなって気づきました。
自分が区別された側にまわると途端に感情の整理ができなかったんです

あらためて、初めての立場になってわかること、当事者になってわかること、知っているつもり・理解しているつもりだけど分かっていないこと、そんなことって沢山あるんだろうなって思っています。

今回のはじめての体験をうけて、2つ心に決めました。

・この区別の悲しみを超えてやる
・そして区別をされている方に気持ちに寄り添える人間になる

先ずは、「求められる人材」になってやろうじゃないか!って言うのが今の気持ちです。

経済大国シンガポールで求められるって何か?

それって単純に「稼ぐ」ってことなのかなって今は考えています。

稼いでシンガポールに1ドルでも多く税金納めようじゃないかという、今は考えています。
(シンガポールに何の影響もないレベルだとは思いますが)

乗り越えた先に、どんな変化が僕にあるのか、今から少し楽しみです。

こんな経験も出来たのもシンガポールに来れたから、駐夫になれたから。

人間として成長できるチャンス、キャリアコンサルタントとしてコーチとして更に成長させてくれるチャンスととらえています。

まとまりのない文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

ではまた。







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