見出し画像

シャガールからシニャック、近藤康平

初めまして、柴田真希(シバタマキ)と申します。声に出すと菅田将暉(スダマサキ)と少し似ている名前です。この度ANTENNAの道程にご一緒させていただくことになりました。これからどうぞよろしくお願いします。

普段は東京でプレイガイドの営業として働いている水瓶座の年女です。今の部署はライブハウス、個人でイベントをやっている人や小劇団、学生までいろんな人のチケット販売をお手伝いするお仕事です。分かりづらいですが、とにかく沢山の音楽やイベント、人に出会うことができる素敵なお仕事でとても気に入っています。

ANTENNAとの馴れ初め

日々暮らす中で、お節介ながらも自分が出会った素敵なことや人を紹介したいと思うようになり、仕事の合間に学生時代バイトをしていた音楽系の媒体で取材を始めました。魅力的な活動をしている人の話を聞いて文章にすることは、魅力的な人の価値観や生き様を自分の中に落とし込み翻訳することでもあり、とても充実した時間でした。

自由に書かせてもらっていたものの、そこにいる読者は多くが音楽関係の仕事を探している人や、業界で働く人でした。自分が書いた直近の記事は写真や告知用のティザー映像、それにつける音楽なども含めディレクションしていて、自分にとっては全方面で妥協のないある種の「作品」でしたが、読者はそこまで求めていないということにも気がついていました。

そして徐々に、自分の記事が届くべき人に届く場所で書きたいと思うようになりました。また、音楽は好きなことのほんの一部で、もっと色んなことを対象したいと感じていました。

そんな最中で偶然ANTENNAに出合いました。NEWFOLKの須藤さんに取材したく過去の記事を検索していた時に、既に圧倒的な熱量で書かれた記事が見つかりました。


技術では到底敵わないと思いつつ、ニュースサイトにはない内容の厚みと記事から感じられる書き手の体温は、僭越ながら自分と同じ温度だと感じました。そこでANTENNAにある記事を読み漁る中で見つけたのが「文化の入口はどこだ? – 珈琲×本棚×工芸編 –」です。

映画『花束みたいな恋をした』でも主人公2人の仲を深めるきっかけになった本棚はお店の色を表す切り口として面白く、東京から安易に行けない距離のお店が載っているにもかかわらず最後まで読んでしまいました。最近通うようになった近所のカフェで本棚を舐めるように見ていて取材したいと思っていたことも繋がり、勢いで「私にも書かせてください」というメールを送ったのが2月末です。

1週間後、編集の堤さんと岡安さんにお会いしてお話する中で、サウナを出たあと水風呂に入った5分後、血が巡っていくときのように、徐々に自分の体温が上がっていく不思議な心地がしました。信念と技術、人としての魅力、たくさんの要素に惹かれANTENNAで自分も頑張りたいと決心しました。

言葉にすることが苦手でも

映画を見た後に「どうだった?」と聞かれても、上手く答えられない。高校生の時にそう感じてからずっと言葉にすることにこだわっていて、日記を書いたり、大学でも批評を専攻していました。書き続ける内に分かったことがあります。インプットを増やして時間をかければ、とっさに言葉にすることは難しくても文章は書けるということ。また、文章表現には自分の興味の対象や生活などパーソナルな部分が色濃く出て味となるということでした。

一つの分野で深く掘り下げることは得意ではないけれど、全然違うところにあるもの同士の共通点を見つけて繋ぐことができるのが興味の幅が広い自分の特徴です。ピカソ晩年の作品と三沢の寺山修司記念館、ライブハウスのミラーボールと熊本の田んぼ、日光華厳の滝とアイスランドの国立公園を私なら繋ぐことができます。漠然と気になっていたこと同士が頭の中で繋がる瞬間のために様々なことに興味を持ち続けていたいと思うし、とにかく楽しい。そのアウトプットで少しでも誰かに楽しんでもらえたらいいな、そんな気持ちでいます。

好きな人に好きと言いたい

もう一つ、ライターをやっている理由があります。それは文章の中でも取材を通してでも、大義名分で好きな人に好きと言えるからです。とっても自分本位な理由!

大学に入ってライブハウスに通うようになり、困りました。自分が好きなバンドが人気とは限らないから、自分の感動を誰かが代弁してくれるレポートは上がらず、ライブと音源以上のことを知りたければ直接話を聞くしかない。ここで「言葉にできない」問題も出てきます。大きく心が動いているのに、上手く話せないもどかしさをライブの度に感じていました。

そこである時勇気を出してライブレポートを投稿したところ、バンドがすごく喜んでくれました。それがすごく嬉しかった。好きだと伝えることは勇気がいるけれど、好きな人に喜んでもらう一番単純で確かな方法だと気がつきました。そしてバンドにとってもそれが音楽を続けるためのモチベーションにもなると知りました。

だからこそ好きと伝えることを怠りたくないし、どうせなら発散して貢献したい。取材を申し込むことも告白だと思っています。音楽に限らず、好きな人に好きと伝えること、明日何が起こるか分からない日々だから余計に大切にしていきたいです。普段目につかないところにある魅力を見つけるのが得意なところと愛情深さを活かして、素敵なことをたくさんお届けできるように精進します。

偶然の出合いを諦めたくない

精度の高いAIが好きなものをダイレクトに教えてくれる“Spotify-NETFLIX”時代に、ANTENNAは余剰から生まれる偶然の出合いを作り出している稀有なメディアだと思います。人の心が大きく動くトリガーの一つは間違いなく偶然の出合いで、AIは便利ですがロマンを生めません。未だマッチングアプリに手を出せないのも、出会い方にロマンを持っている故です。そんな不器用なものですが、誰かの人生を少しでも楽しくする出合いの一助を担えたら書き手として幸せです。

好きなものはタイトルにも現れている通り時代も国もバラバラで、一口に言えませんでした。これから記事を通してたくさん伝えていきたいと思いますので、以後お見知り置きの程よろしくお願いいたします。

ライター:柴田真希

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?