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人の優しさに触れ、改心するも

こんにちは、アンテナライターのおしのせんせいです。

前回「1人旅ができない。でも、したい。」の記事で書いたように、1人旅ができないことを克服しようと3泊4日で鹿児島へ行ってきました。

結果として、完璧な1人旅スケジュールを敢行できたと自負しています。特に次の3点で完璧でした。
①予定外のスケジュールにも狼狽えることなく対処し、②臆することなく地元の人に話しかけコミュニケーションし、③バスを時刻表通りに乗りこなす。

思い出のよもやま話はたくさんあるのですが、ひとまず1人旅をきちんと遂行できた私の報告にお付き合いください。

飛行機が飛ばない

①の予定外のスケジュールは、まず初日に起きました。本来であれば、事前に予約した格安LCCで関空から鹿児島までひとっ飛びのはずでした。夕方18:00頃発の飛行機なので15:00くらいに京都駅から関空に向かうバスに乗れば十分間に合うなと思い、河原町でのんびり買い物をしていた時です。LCCから欠航のお知らせメールが届きました。飛行機が欠航するなんて、雪が降ったりして悪天候の時じゃないと考えられなかったので、あたたかい方に南下する自分には関係ないなと思い一度はスルー。しかも春だし。

でもしばらくして読んでみると、なんと霧島の噴火による火山灰の影響で欠航すると書いてあったんです。そんなことって…あるの?それが火山と共存する街、鹿児島なのか!
急いで翌日の便に変更するよう電話をかけましたが、回線が混んでいて繋がったは良いものの翌日の便は満席とのことで振替は明後日と言われました。

泣く泣く便をキャンセルし、予定を変更して新幹線で行くことにしました。LCCで¥10,000かからず行けるところを3倍近い値段をかけることに一瞬躊躇しましたが、走り出した1人旅は止まらない。すぐさま京都駅に向かいました。もうこうなったら鉄道旅を楽しんでやる!と思い駅弁を購入し、のぞみよりも座席が広々きれいな特急みずほに乗り換えました。ゆられること約4時間、無事に鹿児島に到着です。


タクシーごとフェリー乗せてくれたらなあ

②コミュニケーションは、初日に着いてすぐ食べたラーメン屋さんの店主のおじさん、ドーナツ屋さんで前に並んでたお姉さん、電車で隣に座ったおばさま、温泉で一緒になったおばあさま、などなど各所で出会ったいろんな人たちととったと思います。

中でも、2日目に桜島に行くために鹿児島のフェリーのりばまで乗せてくれたタクシーのおじいちゃんとはたくさんしゃべりました。
偶然にも桜島出身のおじいちゃんで、島の大きさもわからず着いてから無計画だった私に、ここは行かなきゃ行けないよっていうスポットや、移動手段はバスかタクシーしかないよ、など色々教えてくれました。

そして最後に、おじさん連れていくわけには行かないよなあ?と言ってくれて。どうやらタクシーごとフェリーに乗って桜島に行って、そのままガイドをしてくれると申し出てくれました。おそらくテイのいいセールスなんかではなく、おじいちゃんの親切心だったと思う、私はそう受け取ったよ。でもタクシーを乗せるのに¥10,000かかるそうで、やむなくおじいちゃんにお断りをし、フェリーのりばでお別れしました。せめて最後に写真を撮りたかったけど、やめやめ〜わし前科もんだよなんて言って逃げられてしまいました。また行ったら絶対に会いたい。そしてもう少し懐に余裕持っておじいちゃんとランデブーしたかったです。

行き帰りまでムダのないコース取り

③は、桜島でのこと。鹿児島から桜島までは直通で15分くらいなんですが、11:05鹿児島港発のフェリーだけ、50分かけて桜島の周りをぐるっと周りながら行ける「よりみちクルーズ」があって、それに乗ってみました。運が良ければイルカが見えるってことだったんですが、残念ながら見られず。曇った空の中、帽子をかぶっている桜島さんをいろんな角度から見ながらじわじわ桜島に近づいて行きました。


観光も何も無計画で、タクシーのおじいちゃんに展望台は行かなきゃいかんよと教えられたのでそこと、白浜温泉だけは行こうと思い、着いてすぐにのりば内にあるサービカウンターに立ち寄りました。ここのおばさまがまあ頭がキレる方で、桜島は一周35kmあって車で約1時間あれば周れるんですが、何枚ものバスの時刻表を出しながら、展望台に行きたいなら何時にここ発のバスに乗ったらぐるっと一周できる、そのあと温泉に行きたいならこのバスに乗ってここで乗り換えて帰りは何時のバスに乗ればいい、などムダのないコース取りを丁寧に指導してくれました。一言で、感動。蛍光ペンで記しのついた3枚の時刻表を片手に最短で行きたいところすべてを制覇することができました。

時間が見えていたので白浜温泉はそわそわすることなく地元のおばあちゃん達と混浴することができて、ほっこり私得。

しかも夕方に鹿児島港に帰ってきてから「かごしま水族館」の開館時間にも間に合い。そのあと黒豚の豚カツで乾杯し、天文街の白熊を食べ、レトロかわいい喫茶マノンでコーヒーを楽しみ、しっかりレイトショーまで見ちゃったりして0時近くまで丸1日充実した時間の使い方をするをことができました。

人が優しい、鹿児島県

ここまで書いていてお気付きの方もおられるかもしれないですが、鹿児島の人はみ〜んな優しいんです。周りは海で気候も穏やか、ヤシの木も生えていて少し南国感があって、うちなータイムにも似た時間の流れ方を感じました。時間と心に余裕があるからなのか、視野が広くて自分のことばかりではなく周りの人のことまで気にかけてくれるあたたかさがあると思います。接客業の人はもちろんのこと、街の人も話しかけると親切に接してくれました。方言まじりのゆっくりしたしゃべり方がかわいいので、多めに話しかけたりして。

ここにはエピソードとしてまだ書いていませんが、3日目に鹿児島に住んでいる友人と会って指宿にドライブへ行ったときも、私を案内するために前の週に下見に行ってくれていたり、帰りも空港の手荷物検査のゲートをくぐるまで一緒に待ってくれていたり。

友人や鹿児島の人たちの優しさに心満たされて、飛行機の中で私も余裕を持って人にやさしくしよう、と決心したのでした。

…が、夜の便で関空に着くと、飛行機の到着が少し遅れたため京都行きのシャトルバスの時間が差し迫っていました。これを逃すと次は最終便で、しかも空港で1時間くらい待たなくてはいけないので、人の波を掻き分け我先に早足で(なんなら小走りで)バスの列に並びました。そして京都駅に着くと終電も無い時間で、タクシーも早いもの勝ちです。観光客っぽい4人組の女の子がタクシーの運転手さんと話し込んでいるのを尻目に、さっと後ろのタクシーに乗り込む私。夜の街を快速で飛ばすタクシーに乗りながら、飛行機の中での小さい決意はどこへやらすっかり都心の心に戻っておりましたとさ。

おしまい

#写真 #旅 #一人旅

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