「ずっと旅行者の顔をしていればいい」【京都移民日記】
京都に長年住んでいた同僚と話す機会があった。前々から感じていた、京都弁の相手と話して言葉が伝わらないことについて相談してみた。
bmd.(以下b)「相手の言っていることがわからない場合に『え?』と聞き返すと良くない感じがしてるんですよ。たとえばコンビニで、店員さんが高校生くらいの子の場合、相手の手が震えていたりするの。どう聞き返したらいいんでしょう」
京都長年同僚(以下京)「京都で『え?』はだめ! すごく冷たい感じがするよ。『はぁ?』がいい」
ものすごくびっくりした。東京の感覚と逆だったから。
私がコンビニで働いている高校生だったら、こっちの言うことが伝わらなくて相手に「はぁ?」て言われたら確かに手が震える。怖いから早くどっか行って!と祈るな、それは。
そう思わせてしまってたのか。
京都弁と東京弁の溝は深い。
これからは「はぁ、何? なんて言った?」くらいにしておこう。とりあえず「悪意はないよ〜」「怖くないよ〜」と伝わればいい。
b「京都弁を使っていきたいけど、難しいのは『関西弁は100点を求められる』ことなんですよ。東京弁はいろんな人が使ってるから30点でもいいんだけど、変な京都弁を使うと空気が凍る」
京「かといって京都で東京弁ずっと使ってるのは冷たい感じ、嫌な感じするよ」
b「だから練習中なんです」
そんなら教えてあげるわと言われ、会話の中で少しずつ「そやなあ」「言うたかて」とか使ってみたら
京「今のはちょっと違うな…」(ぼそっと)
という教えではなく単なるツッコミが何回も入った。その度に「やっぱり関西弁は100点しか認められないじゃないか!」というやりとりを繰り返した(まあお酒が入ってたんでくどいのは仕方ない)。
b「京都で東京弁を話してると『あの人東京弁使ってはる…』と言われる、かといって京都弁は100点しか認めてもらえない、じゃあどうすればいいんですか(笑)」
京「それならずっと旅行者の顔してればええんちゃう?」
京都へ移住してきたことの意味を根幹から揺るがす提案がなされました。
これは全然悪気なく、東京弁しか話せない可哀想な京都移住民に対しての優しさのある一言、のつもりだと思う。酷すぎて笑えた。京都長年同僚さんの言うことはいつも極端で面白い。
とにかく強く言われたのは「関西で東京弁はすごく冷たく聞こえる」ということだった。自分が東京にいる時に関西の人のことを「言葉の勢いが強い」と思っていたけど、同じようにネガティブに思われているということだな。
私が取るべき道は二つ。
1)慣れ親しんだ東京弁でなるべくソフトに話し、それでも京都の皆さんに「冷たい…」「怖い…」と距離を置かれる
2)今、在宅勤務で京都で誰とも話をしていないから、正しいのか正しくないのか手探りで答えのないまま、インチキ京都弁を0点のまま話してみる
どっちも修羅の道だ…
でも迷った時は面白い方。
インチキ関西弁で行こうか!怖いけど!
これまでも少しずつ関西弁使ってみたけど、もっと積極的に、0点!て思われながら関西弁使っていくか。相手に嫌な思いさせるより「この人の関西弁インチキやな」って思われた方がマシな気がするし。
というわけで。
これからこの日記でも無理のない範囲でインチキ京都弁使っていきます。
関西人の皆様におかれましては、間違っている言葉を見つけましたらご教示いただけましたら幸いです。
京都弁マスターへの道、第一章始まる。
(と言いつつ、まだ覚悟はできていない…できない言葉を話すのは恥ずかしいし怖いなあ。まあ少しずつやな)
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