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京都迷宮案内の知名度が低い!!

私は、橋爪功さん主演ドラマ『京都迷宮案内』シリーズのファンである。1999年〜2009年までの10年間にわたって、テレビ朝日系『木曜ミステリー』枠にて放送された人気シリーズのひとつだ。
同枠は、国民的ドラマの『科捜研の女』や『遺留捜査』『警視庁捜査一課長』『おみやさん』『京都地検の女』などの人気シリーズも多数生み出したテレ朝の「名物枠」といっても過言では無い。ファンの間からは「京都枠」「木8京都枠」とも呼ばれていた。しかし惜しまれつつもこの放送枠は2022年9月で、23年半の歴史に幕を閉じた。
なかでもこの『京都迷宮案内』シリーズは異色作だ。タイトルだけを聞くと、いわゆる「事件の犯人探し」のドラマに思うかもしれない。しかしこのドラマは、ありふれたサスペンスドラマでは無い。
京都の地方紙「京都日報」の新聞記者・杉浦恭介(橋爪功)が、事件の裏側に隠された人間模様に興味を持ち、人々の心の内面に鋭く迫る「ヒューマンミステリー」だ。そしてシリーズを重ねる毎に事件の描写は無くなって、人間の機微がより深く描かれていく。
1999年の第1シリーズでは『京都迷宮案内』というタイトルの通り、オカルト要素の含んだ犯人探しがメインのサスペンスドラマだったのだが、その翌年、2000年の第2シリーズより迷宮案内シリーズのメインライター・西岡琢也さんが参加したことにより「ヒューマンミステリー」という方向性が確立された。
きっと、オカルト&サスペンス路線の方向性のままだったら必ずどこかでネタ切れし、10年間も続く人気シリーズにはならなかっただろう。西岡琢也さんが京都迷宮案内シリーズの世界観と「杉浦恭介」というキャラクターを作り上げたといっても過言では無い。
このドラマ、10年間続いたとはいえ私は知名度が低いように思える。放映当時の2ちゃんねるを覗いてみると「昔は結構コアなファンが沢山いたんだなぁ…」と感じさせられる。しかしシリーズが終了した今となっては『科捜研』『一課長』などの影に隠れてしまった…。杉浦さんの事を覚えている人は今どれほどいるのだろうか。
私は、京都迷宮案内シリーズの記憶を人々から忘れさせたくない。かつての迷宮案内ファンには、どうかこのドラマの記憶を思い出して貰いたい。
「人は二度死ぬ」とよく言われる。一度目は肉体が滅びた時、二度目は“人に忘れ去られた時”だ。
かつて『京都迷宮案内』というドラマが存在したこと、人々の心の欠片をコラムで汲み取ってきた「杉浦恭介」という新聞記者がいたことを後世に伝えたい。みんな、杉浦さんを思い出せ!!

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