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消費生活相談員資格試験にチャレンジ(15)

2021年度 消費生活相談員資格試験(国民生活センター実施)の問題・正解に簡単な解説等を付した記事シリーズ、15問目です。
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15. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。

① 電気通信事業法及び同法施行規則では、電気通信事業者が利用者と一定の電気通信役務の契約をしようとする際は、料金その他の提供条件の概要に関して口頭で説明すれば足り、書面交付は不要とされている。契約締結後は、契約内容を明らかにする書面を遅滞なく交付しなければならない。

正解:×

〔コメント〕契約までの間に、書面での説明が必要

〔参照条文〕電気通信事業法施行規則
第二十二条の二の三 法第二十六条第一項の規定による同項各号に掲げる電気通信役務に関する料金その他の提供条件の概要の説明(以下「提供条件概要説明」という。)は、当該電気通信役務の提供に関する契約(以下「対象契約」という。)の締結が行われるまでの間に、少なくとも次に掲げる事項(付加的な機能の提供に係る役務に係る事項を除く。以下この条及び次条第一項において「基本説明事項」という。)について行わなければならない。ただし、既に締結されている電気通信役務の提供に関する契約(以下この条から第二十二条の二の八までにおいて「既契約」という。)の一部の変更を内容とする契約(既契約の更新を内容とする契約(以下この条から第二十二条の二の八までにおいて「更新契約」という。)を除く。以下この条から第二十二条の二の八までにおいて「変更契約」という。)又は更新契約の締結については、この限りでない。
 一 ~ 十 〔省略〕
2 〔省略〕
3 提供条件概要説明は、説明事項等(基本説明事項又は前項各号に定める事項をいい、電気通信事業者が自ら提供条件概要説明を行う場合にあつては、当該電気通信事業者の法第十一条第一項第二号に規定する登録番号又は第九条第九項若しくは第六十条の二第二項に規定する届出番号を含む。以下この条において同じ。)を分かりやすく記載した書面(カタログ、パンフレット等を含む。以下この項において「説明書面」という。)を交付して行わなければならない。〔以下省略〕


② 電気通信事業法では、電気通信事業者又は媒介等業務受託者が、携帯電話端末サービスの提供に関する契約の締結の媒介等の業務を委託する場合、委託先は、媒介等の業務を行うことにつき総務大臣の許可を受けた事業者に限られる。

正解:×

〔コメント〕総務大臣への届出が必要

〔参照条文〕電気通信事業法
(媒介等の業務の届出等)
第七十三条の二 電気通信事業者又は媒介等業務受託者から委託を受けて第二十六条第一項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約の締結の媒介等の業務を行おうとする者は、総務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書類を添えて、その旨を総務大臣に届け出なければならない


③ 包括信用購入あっせんを利用してオフアス取引の加盟店で商品を購入した消費者から、「加盟店の不実告知があり購入契約を取り消した」との苦情をイシュアーである包括信用購入あっせん業者が受け、当該消費者からの支払停止の抗弁の主張を認めて、クレジット代金の請求を停止したときは、当該包括信用購入あっせん業者は、割賦販売法上、アクワイアラーに対する苦情の通知等の義務を負わない。

正解:×

〔コメント〕当該包括信用購入あっせん業者は、割賦販売法上、アクワイアラーに対する苦情の通知等の義務を負う。

〔参照条文〕割賦販売法 
(業務の運営に関する措置)
第三十条の五の二 包括信用購入あつせん業者は、利用者又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益の保護を図るため、経済産業省令・内閣府令で定めるところにより、その包括信用購入あつせんの業務に関して取得した利用者又は購入者若しくは役務の提供を受ける者に関する情報の適正な取扱い、その包括信用購入あつせんの業務を第三者に委託する場合における当該業務の適確な遂行及びその利用者又は購入者若しくは役務の提供を受ける者からの苦情の適切かつ迅速な処理のために必要な措置を講じなければならない。

割賦販売法施行規則
第六十条 包括信用購入あつせん業者は、法第三十条の五の二の規定により利用者又は購入者等からの苦情(法第三十条の四第一項の規定による対抗を含む。以下この条において同じ。)の適切かつ迅速な処理のために必要な措置を講じるときは、次の各号に定めるところによらなければならない。
 一 利用者又は購入者等からの苦情を受け付けたときは、遅滞なく、当該苦情の内容が包括信用購入あつせん業者又は包括信用購入あつせん関係販売業者若しくは包括信用購入あつせん関係役務提供事業者による包括信用購入あつせんに係る業務に関する利用者又は購入者等の利益の保護に欠ける行為に起因するものであるかを判別すること。
 二  前号の規定により判別した結果その他の事項からみて、次のいずれかに該当するときは、当該苦情の内容を当該包括信用購入あつせん関係販売業者又は当該包括信用購入あつせん関係役務提供事業者とクレジットカード番号等取扱契約を締結したクレジットカード番号等取扱契約締結事業者に通知すること。
  イ 包括信用購入あつせん関係販売業者又は包括信用購入あつせん関係役務提供事業者が包括信用購入あつせん関係販売等契約に関し、法第三十五条の三の七各号のいずれかに該当する行為をしたと認められるとき。
  ロ 包括信用購入あつせん関係販売業者又は包括信用購入あつせん関係役務提供事業者による包括信用購入あつせんに係る業務に関する利用者又は購入者等の利益の保護に欠ける行為に係る苦情(苦情の内容がイの行為に起因するものである苦情を除く。)の発生状況からみて、当該包括信用購入あつせん関係販売業者又は当該包括信用購入あつせん関係役務提供事業者が包括信用購入あつせんに係る業務に関し利用者又は購入者等の利益の保護に欠けると認められるとき。
 三 ~ 四 〔省略〕

※イシュアー:消費者を会員とするカードを発行する会社(包括信用購入あっせん事業者)
 アクワイアラー:オフアス取引では、加盟店が契約しているカード会社のこと
 オンアス取引:クレジットカード決済において、イシュアーとアワイアラーが同一のカード会社での契約関係になっている取引
 オフアス取引:イシュアーとアクアイアラーが異なる会社である場合の取引のこと


④ インターネット通信販売で商品を購入する際に、クレジットカードを利用せず、通信販売業者の提携先の立替払業者を利用して2ヵ月以内に立替金を清算する取引において、立替払業者は、割賦販売法に基づく購入者への過剰与信防止義務を負わない。

正解:○

〔参照URL〕(特別調査)消費者トラブルからみる立替払い型の後払い決済サービスをめぐる課題|国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20200123_1.pdf


⑤ A社は、翌月一括払専用クレジットカードのイシュアーである。A社と加盟店との間で立替払いの取次ぎを行うアクワイアラーは、割賦販売法に基づく登録義務や加盟店調査措置義務を負わない。

正解:×

〔コメント〕クレジットカード番号等取扱業者は、翌月一括払いかどうかを問わず、登録義務や加盟店調査義務を負う。

〔参照条文〕割賦販売法
(クレジットカード番号等の適切な管理)
第三十五条の十六 クレジットカード番号等取扱業者(次の各号のいずれかに該当する者をいう。以下同じ。)は、経済産業省令で定める基準に従い、その取り扱うクレジットカード番号等(包括信用購入あつせん業者又は二月払購入あつせんを業とする者(以下「クレジットカード等購入あつせん業者」という。)が、その業務上利用者に付与する第二条第三項第一号の番号、記号その他の符号をいう。以下同じ。)の漏えい、滅失又は毀損の防止その他のクレジットカード番号等の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
 一 クレジットカード等購入あつせん業者
 二 包括信用購入あつせん又は二月払購入あつせん(以下この項及び第三十五条の十七の二において「クレジットカード等購入あつせん」という。)に係る販売の方法により商品若しくは権利を販売する販売業者(以下「クレジットカード等購入あつせん関係販売業者」という。)又はクレジットカード等購入あつせんに係る提供の方法により役務を提供する役務提供事業者(以下「クレジットカード等購入あつせん関係役務提供事業者」という。)
〔以下省略〕

(クレジットカード番号等取扱契約締結事業者の登録)
第三十五条の十七の二 次の各号のいずれかに該当する者は、経済産業省に備えるクレジットカード番号等取扱契約締結事業者登録簿に登録を受けなければならない。
 一 クレジットカード等購入あつせんに係る販売又は提供の方法により商品若しくは権利を販売し、又は役務を提供しようとする販売業者又は役務提供事業者に対して、自ら利用者に付与するクレジットカード番号等を取り扱うことを認める契約を当該販売業者又は当該役務提供事業者との間で締結することを業とするクレジットカード等購入あつせん業者
 二 特定のクレジットカード等購入あつせん業者のために、クレジットカード等 購入あつせんに係る販売又は提供の方法により商品若しくは権利を販売し、又は役務を提供しようとする販売業者又は役務提供事業者に対して、当該クレジットカード等購入あつせん業者が利用者に付与するクレジットカード番号等を取り扱うことを認める契約を当該販売業者又は当該役務提供事業者との間で締結することを業とする者

(クレジットカード番号等取扱契約締結事業者の調査等)
第三十五条の十七の八 クレジットカード番号等取扱契約締結事業者は、クレジット カード番号等取扱契約を締結しようとする場合には、その契約の締結に先立つて、経済産業省令で定めるところにより、販売業者又は役務提供事業者によるクレジットカード番号等の適切な管理及び利用者によるクレジットカード番号等の不正な利用の防止を図るため、クレジットカード番号等取扱契約を締結しようとする販売業者又は役務提供事業者に関し、クレジットカード番号等の適切な管理又は利用者によるクレジットカード番号等の不正な利用の防止(以下「クレジットカード番号等の適切な管理等」という。)に支障を及ぼすおそれの有無に関する事項であつて経済産業省令で定める事項を調査しなければならない。


⑥ 消費者が、訪問販売により、個別信用購入あっせんを利用して10万円の商品を購入した場合において、販売業者が勧誘時に商品の性能について事実と異なる説明をし、消費者がそれを信じて商品を購入したときは、消費者は、割賦販売法に基づき、個別信用購入あっせん契約を取り消して、既払いクレジット代金の返還請求ができる。

正解:○

〔参照条文〕割賦販売法 
(個別信用購入あつせん関係受領契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第三十五条の三の十三 購入者又は役務の提供を受ける者は、個別信用購入あつせん関係販売業者又は個別信用購入あつせん関係役務提供事業者が訪問販売に係る個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは個別信用購入あつせん関係役務提供契約に係る個別信用購入あつせん関係受領契約又は電話勧誘販売に係る個別信用購入あつせん関係販売契約若しくは個別信用購入あつせん関係役務提供契約に係る個別信用購入あつせん関係受領契約の締結について勧誘をするに際し、次に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は第一号から第五号までに掲げる事項につき故意に事実を告げない行為をしたことにより当該事実が存在しないとの誤認をし、これらによつて当該契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
 一 ~ 六 〔省略〕
〔第2項以下省略〕


⑦ 割賦販売法によれば、登録包括信用購入あっせん業者(認定包括信用購入あっせん業者を除く)が個人に対して極度額50万円のクレジットカードを発行する際は、包括支払可能見込額を算定するため、利用者の年収やクレジット債務額等の調査が義務づけられている。年収は自己申告額でよいが、クレジット債務額は指定信用情報機関の特定信用情報を使用しなければならない。

正解:○

〔参照条文〕
割賦販売法 
(包括支払可能見込額の調査)
第三十条の二 包括信用購入あつせん業者は、包括信用購入あつせんをするためカ ード等を利用者(個人である利用者に限る。以下この条、次条、第三十条の五の五、第三十条の五の六、第三十五条の二の四、第三十五条の二の五及び第三節において同じ。)に交付し若しくは付与しようとする場合又は利用者に交付し若しくは付与したカード等についてそれに係る極度額(包括信用購入あつせんに係る購入又は受領の方法により商品若しくは権利を購入し、又は役務を受領することができる額の上限であつて、あらかじめ定められたものをいう。以下同じ。)を増額しようとする場合には、その交付若しくは付与又はその増額に先立つて、経済産業省令・内閣府令で定めるところにより、年収、預貯金、信用購入あつせん(包括信用購入あつせん及び個別信用購入あつせんをいう。以下同じ。)に係る債務の支払の状況、借入れの状況その他の当該利用者の包括支払可能見込額を算定するために必要な事項として経済産業省令・内閣府令で定めるものを調査しなければならない。ただし、当該利用者の保護に支障を生ずることがない場合として経済産業省令・内閣府令で定める場合は、この限りでない。
〔第2項以下省略〕

割賦販売法施行規則
(包括支払可能見込額の調査等)
第三十九条 法第三十条の二第一項本文の経済産業省令・内閣府令で定める事項は、次のとおりとする。
 一 年収
 二 預貯金(利用者(個人である利用者に限る。次条から第四十八条まで、第五十六条から第五十八条まで、第六十二条の三、第六十二条の四、第六十八条の三、第六十八条の四、第三節及び別表第二において同じ。)の利益の保護を図るため包括支払可能見込額の算定に必要な場合に限る。)
 三 信用購入あつせんに係る債務の支払の状況
 四 借入れの状況
 五 前各号に掲げるもののほか、包括支払可能見込額の算定に必要な事項であつて客観的に判断することができるもの


⑧ 包括信用購入あっせんを利用して1本1万円のネクタイを5本まとめて5万円で購入したが、そのうちの1本の品質が悪く使用できなかった場合、包括信用購入あっせん業者に対して、割賦販売法に基づく支払停止の抗弁を主張することはできない。

正解:×

〔コメント〕支払の請求は5万円であり、抗弁額の下限(4万円)以上であることから、可能。(リボルビング方式の場合は3万8千円以上である。)

〔参照条文〕割賦販売法 
(包括信用購入あつせん業者に対する抗弁)
第三十条の四 購入者又は役務の提供を受ける者は、第二条第三項第一号に規定する包括信用購入あつせんに係る購入又は受領の方法により購入した商品若しくは指定権利又は受領する役務に係る第三十条の二の三第一項第二号の支払分の支払の請求を受けたときは、当該商品若しくは当該指定権利の販売につきそれを販売した包括信用購入あつせん関係販売業者又は当該役務の提供につきそれを提供する包括信用購入あつせん関係役務提供事業者に対して生じている事由をもつて、当該支払の請求をする包括信用購入あつせん業者に対抗することができる。
2 前項の規定に反する特約であつて購入者又は役務の提供を受ける者に不利なものは、無効とする。
3 第一項の規定による対抗をする購入者又は役務の提供を受ける者は、その対抗を受けた包括信用購入あつせん業者からその対抗に係る同項の事由の内容を記載した書面の提出を求められたときは、その書面を提出するよう努めなければならない。
4 前三項の規定は、第一項の支払分の支払であつて政令で定める金額に満たない支払総額に係るものについては、適用しない。

割賦販売法施行令
(包括信用購入あつせん業者に対する抗弁)
第二十一条 法第三十条の四第四項の政令で定める金額は、四万円とする。
2 法第三十条の五第一項において準用する法第三十条の四第四項の政令で定める金額は、三万八千円とする。