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活動まとめ 3月22日-3月28日

岩手県一関市地域おこし協力隊の丸谷留奈です。
このnoteでは、毎週金曜日に1週間分(土〜木)の活動を更新しています。

林業に興味のある方、これから林業を始めてみようかなと思われている方、地域おこし協力隊とはどのように活動しているのか知りたいという方などに読んでいただけると、少しは参考になるかも知れません。

この場を借りて、自分自身の振り返りもさせていただいています。
林業初心者の私が3年間でどのように成長し自立できるのか、見守っていただけると幸いです。

それでは今週の活動のまとめをどうぞ ↓


バックホーの移送

昨年の暮れにバックホーが納車されて以来、町内の体育館の敷地をお借りして操作の練習をした後、市内の研修林へ移送し、作業道研修で使ってきました。
今年度のバックホーを使用しての研修が全て終わり、いよいよ私たちの住む京津畑集落へ移送される日がやってきました。

昨年の10月に、現在住んでいる空き家の改修をきっかけに知り合った町内の業者様にお願いして、大型トラックで移送していただきました。

いつもの集落の風景にバックホーが降り立つ瞬間は、とても感慨深いものがありました。
これから、共に山を綺麗にしていきます。

荷台からは主人が運転して降ろしました。
集落の小道を進むバックボーの姿は感慨深いものがありました(泣)。

伐倒・造材研修(一関市)

3月23日〜25日の3日間、一関市主催の伐倒・造材研修がありました。
昨年の7月に地域おこし協力隊に着任以来、体験研修から続いて奈良吉野の原田勤さんにご指導いただきましたが、今年度はこれで全ての過程が終了となりました。

3月23日
昨年協力隊3人で購入した林内作業車を用いての研修でした。
本番で動かすのは初めてでしたが、少し動きが悪かったようで、原田さんが調整してくださいました。
これから、少々の不調は自分たちで調整できるようにならんとあかんよ、というお言葉を受けて、分からないながらも真剣に習いました。
毎回業者さんを呼んでいては経費も嵩みます。生計を立てるためには言い訳をしてはいられません。

ブレーキとアクセルを司どる部分。アクセルの効きが悪いので調整してくださいました。
一度には覚えられないので全て動画に撮らせていただきました。

そして、実際に作業車を使用しての丸太の集材に移りました。
まだ切ったばかりの丸太は水分も含みとても重たく、2〜4m程に切られたものは、もちろん人の手で持ち上げる事はできません。動かす事もなかなか難しいですが、それを「トビ」という道具を使って、積み込み作業がしやすいように動かしていきます。
トビを上手に使いこなすと丸太が簡単に動くのですが、刺す位置や動かす方向、使う部分など、少し違うだけで動きが大きく変わります。
習った通りに動かしてみましたが、なかなか思うようには動かせませんでした。

テコの原理で矢印方向に動かす方法を習いました。

午後からは雨天だったため、室内で動画視聴とロープの編み方を習いました。
チェーンソーが発明される前は、当然ですが機械は使わず斧で木を切っていました。斧の切れ目で木を倒す方向や時間を調整していましたが、その熟練の技は素晴らしかったそうです。
伊勢神宮の神殿を建て替える「式年遷宮」では、内宮と下宮に立っている御神木を1本ずつ伐採し、その木材が使われるのですが、伝統的な「三ツ紐切り」という手法が今でも使われているとの事。その様子を動画で見せていただきました。「木の幹に3方から斧を入れ、3箇所のツルを残して伐倒することで、木材を傷めず、倒す方向も決めやすいという古来の技術」なのだそうです。熟練の木こり達が斧を使って根元の周囲が2メートルはありそうな御神木を正確に寝かす(倒す)様子に圧巻されました。「ツル」を利用した切り方は、使う道具は違えども現在に継承されているそうです。
「三ツ紐切り」の様子は、下記の動画で見る事ができます。

動画視聴の後は、ロープの編み方を習いました。
トラックロープなどの3本撚りのロープの先を編んで輪っかにする方法なのですが、案の定苦戦。簡単な「もやい結び」も最近やっとマスターしたばかりの私は当然できる気がしませんでしたが、かなり難しいようで、他の方も苦戦されていませいた。これは長期に渡る宿題となりそうです。
始めから輪っかの付いたロープを買うと高くつくので、マスターすると節約にもなります。覚える事がたくさん・・・

1度で覚える気のない私はやはり動画を撮影しましたが、それを見ながらでもできません・・・

3月24日
研修2日目。
この日も前日より更にレベルアップした林内作業車の調整を習いました。中古という事もあり、使用していない期間も長かったようで、各部品が汚れていたり劣化していたりするので、代用品をホームセンターで購入して取り替える事ができるようです。また実際に作業する時に動画を見てみようと思います。

林内作業車での集材では、「りん木(ぎ)」の有効的な使い方を習いました。
「りん木」とは枕木の事で、丸太を積む前に下に敷いておくことで直接地面に触れる事を防ぐ役割があります。他にも、林内作業車のワイヤーで丸太を引っ張る時に、動線へりん木を置いておく事で動く方向を制御したり、作業車の真下まで引っ張った丸太が作業車へ引っかからないようにする役割もある事が分かりました。
使い方次第で色々と工夫ができるようです。

りん木とトビを利用して丸太を滑らす方法。
林内作業車の下へ敷いて、車の傾斜を緩やかにする方法。
利用するのは枯れ木に限る。

集材の合間に、木を2本間伐しました。そのうちの1本を私が切らせていただきました。
まずは木に、受け口の方向・位置と、残すツルの幅の目印をチョークで書き込みました。始めに付けた受け口が倒したい方向と少しズレていたので、端を刃1枚分程削るように切って修正。その後、全体の大きさがまだ足りないという事で、一回り大きくなるように修正しました。この修正作業の間隔がまだまだ掴めません。刃がどのように入っているかを確認しやすくするため、両サイドも少し受け口のような形で切れ目を入れて、追い切りをしました。
木の枝ぶりと傾きで、思っていた方向より右へ傾いて倒れ始めましたが、原田さんが素早く右側の「ツル」を切って広げて倒れる方向を左で修正されました。
木を切る手法は色々とありますが、『まずは追い切りの手法を使って倒す事で、「ツル」の残し方が木の倒れ方にどのような作用するのか、しっかり観察して覚えて欲しい』とおっしゃいました。

切った後、必ず切り口の確認をして、切り方がどうだったか振り返りをする事が大切です。

3月25日
研修最終日。
前日に寝かせた(伐倒した)木を玉切りしました。
チェーンソーを持った腕だけではなく、体全体を使って木と平行になるように構える事で、垂直に切る事ができます。前回も習った事でしたが、できていませんでした。
前日までは主に原田さんが林内作業車で集材しながら解説してくださいましたが、この日は研修生で一から考えながら集材しました。

作業車を配置する位置や方向も自分たちで考えながら作業しました。

先生がされる様子を見て学ぶ事も大切ですが、自分たちで段取りをしてやってみて、失敗と反省、再挑戦する事で大きな学びとなって欲しい、という原田さんのお考えに深く共感します。

途中、林内作業車のワイヤーの巻き取りが乱れてしまい、つい手を差し出してしまい危険な事もありました。重たい木と力の強い重機。常に気を付けていないと大きな怪我に繋がってしまいます。トライ・アンド・エラーとヒヤリハット・フィードバックを重ねて常に安全に、且つ効率的に作業できるようにしっかりと意識しながら経験を積んでいきたいと思います。

時間が経つのは早いもので、あっという間に3日間の研修が終わってしまいました。最後に、今年度の原田先生の研修を振り返って全員で一言ずつご挨拶しました。

昨年の7月に岩手へ越してきて、2日後からこの研修が始まりました。
志を持っての事でしたが、不得意な作業もあり苦戦、どうなる事かと思い悩んだ場面も多々ありましたが、原田さんの真摯で温かいお人柄とご指導で何とか無事研修を終える事ができたお礼をお伝えしました。
他の方も口々に仰っていましたが、この仲間とのご縁はこれで終わりではなく、これからも繋がって大切にしていきたいと思います。

この研修を開催するに当たってお世話になった一関市の関係者の方々、NPO法人自伐型林業推進協会の方々、また、各地でフォローしてくださった方々、本当にありがとうございました。
そして、研修生の皆様、大変お疲れ様でした!

京津畑 作業道の踏査

3月26日
徳島県から橋本林業の橋本光治さんが来られ、これから京津畑の山で作っていく作業道の線形を付けてくださいました。
橋本光治さんは、息子の忠久さんと共に地元の山で自伐林家として施業されながら、NPO法人自伐型林業推進協会(以下、自伐協)の作業道作りの講師として全国で教えられています。

私たち夫婦が自伐型林業を志すきっかけとなったのは、広島で一緒に参加した作業道研修で忠久さんにお会いした事でした。ただ木を伐採するのではなく、杉と広葉樹の混交林となるように、山の環境を観察されながら施業されていて、その山はとても美しいと評判でした。
その後、光治さんの研修にも参加し、お二人の自然に寄り添う丁寧で細やかな道作りに感銘を受けた私たちは、約1年後に勤めていた職場をほぼ同時に退職し、山の見学に行かせていただきました。程よく下草や灌木が間に生え、太陽の光が差し込む青々と瑞々しい山を見た感動は今でも忘れません。
その光治さんが京津畑に来てくださり、教えを乞う事ができるのは本当に感慨深いです。

自伐協の理事長 中嶋建造さんと事務方の橘高かのんさんも同行してくださり、山を歩きました。


線形は、山の地形や、どのように木を出せるのかを考えながら付けていきます。
例えば、棚(等高線沿いに自然と段になっている)に沿いながら、綺麗な曲線を描くように付ける、尾根でヘアピンカーブをとる、水を逃す場所は少し低くする、など。理論では分かるのですが、実際に山を目の前にすると、一体それがどの場所なのか殆ど分かりません。
道を付ける線形の目印に、立木や、何もないところは太い木の枝を地面に刺して、
そこへ蛍光オレンジのテープを巻いていかれました。
緩やかな地形が多かったですが、経験のために少し急な(徳島の方言で「きゅうい」と言われています)箇所も入れてくださいました。

1時間弱で終点に辿り着き、降りた後は昼食を挟んで実際にバックホーで道を付け始めました。
まずは入り口を光治先生が整地して、既にある昔の作業道を利用しながら道を作ってくださいました。

光治さんによる、スタート地点の第一刀。
感慨深い。

その後は協力隊3人と研修生1人が交代しながら道を付けていきながら、指導を仰ぎました。

中央の土を2メートルほど掘り下げて、キャタピラの轍に撒く作業。

これから、協力隊と研修生で思うように道を作り、再度来てくださった時に指導・手直しをしていただく事になりました。
道を作っていく上で支障となる木は伐採します。いよいよ私たちの自伐型林業の実践第一歩が始まりました。

研修生の山の踏査

3月27日
研修生が持っていらっしゃる山の線形を光治さんが付けられるという事で、私たち協力隊も見学させていただきました。

光治さんの指示で目印のテープを巻いていきます。

持ち主が複数いるので、境界線から入らないように地形図をよく確認しながらの踏査でした。いずれ、延長すれば隣の持ち主の方とも連携できるような線形も考えておられました。まずは自分の山で良い道を作る事ができれば、それを見た方から「自分の山も」と声がかかるかも知れません。それは、私たちの施業でも目指すところであります。この研修生の山は同じ町内で私たちの住む集落からも近いので、お互い連携もしながら作業道作りを行えそうです。

この後、ご一行とはお別れして京津畑へ戻り、前日に付けていただいた線形を夫婦で歩きながらおさらいしました。「YAMAP」という、登山で使うアプリを起動させて歩いたところ、道の距離は約1kmでした。この地形、この距離をどのくらいの時間で施行できるのか・・・楽しみです。

3月の月例ミーティング

3月28日
一関市役所で、市の担当者と協力隊とで毎月一度の月例ミーティングを行いました。
主に来年度のスケジュールや契約更新の内容について話し合いました。次年度はもうすぐ始まります。引き続き自伐型林業の地域おこし協力隊を募集されるとの事で、先輩として気の引き締まる思いです。

夫 丸谷誠司のnoteはこちら↓
https://note.com/kyotuhata_m

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