養育者の表情は重要なのか
母は専門職として最前線で働き続け、私達きょうだい3人を必死に育てていました。
父から生活費をもらう事もなく、逆に搾取され続けていたので、近所から見れば、ちょっと裕福な家庭と思われていましたが、
実際は母子家庭の厳しい状況の中での生活でした。
(裕福なんだから、町内会費を2倍払え!と町内会長から言われた事もあるそう。なんじゃそりゃ)
そんな働き詰めの母は、家ではご飯中によく目を開けたまま寝ていました。(意識が飛んでいたのか)
そして母は、基本的には優しい人でしたが、パニックになりやすく、その時は突然声を荒げて怒っていました。
(小さい頃に一度、お風呂に沈められた事もありました)
そんな母の姿を見て、私はいつも
「疲れてる?」「怒ってない?」
と聞く様になりました。
あんまり聞くのがしつこいので、また怒らせるという事もあるほど。
母は表情が分かりにくい人でした。
父は、ぴくりとも笑った所は見た事はなく、
無表情で、しかも虐待親父だったので論外ですが、
母は何というか、笑ったり、泣いたりもしていましたが、本当に嬉しいと思っているのか、表情だけでは分かりにくい感じでした。
(後に、これは母も自分の父親から、ひどい虐待を受けていた事も、1つの要因かもしれないと分かりますが)
そんな表情が分かりにくい両親の元で育った私は、虐待児としては典型的な、
張り付いた笑顔で、子ども時代は過ごしていました。
ものすごい笑顔の持ち主で周りからは、
「いつも本当に素敵な笑顔ね!」
と言われていました。
この張り付いた笑顔、筋肉が形状記憶している様な感じで、普段は、それでやり過ごせますが、学校で怒られている時や、お別れの会など、ここは悲しい顔をする時だぞ!
という時も、笑顔が取れないのです。
こういう場面の時は、
「へらへらずっと笑って!馬鹿にしてるのか!」
「悲しくないの?白状だね!」
と、よく言われていました。
悲しいはずなんだけどなぁ。
筋肉が動かないんだよう。と笑いながら、
すごく泣いていました。
この張り付いた笑顔は、結婚して、子どもを産んでいくと、段々筋肉が動き始め、外れていきました。
今では笑う時は思いっきり笑い、泣く時は思いっきり泣き、喜怒哀楽が、はっきり表情で表せる様になりました。
この表情に関しての、最近の観察と分析では、
療育場面で養育者に対して過度に甘えたり、わざと問題行動を起こしたりする子ども達の中に、
養育者の表情が分かりにくく、戸惑っている子達が居るのでは。
という事が見えてきました。
元々発達特性で、他者の表情が分かりにくいという事に加え、身近な養育者の表情の変化が少なく、養育者の気持ちが分かりにくいため、行動を起こし、確かめる事をしている感じです。
ただ、もっと観察を重ねていると、
人は元々、喜怒哀楽を分かりやすく示せる人と、示すのが難しい人が居るのでは。
という事も分かってきました。
我が家の5人の子ども達のうち、2人は表情の変化が少ないです
気持ちとしては、すごく嬉しかったり、悲しんだりしているのですが、筋肉の動きが少ない感じです。
私の張り付いた笑顔が、経験を重ねるうちに、筋肉がほぐれ、よく動く様になってきた様に、
表情というのは、筋肉の動きのトレーニングが必要なのかもしれません。
ただ笑顔の練習をするだけでなく、喜怒哀楽を表す筋肉トレーニングが大切で、
それには、上辺だけの感情ではなく心からの湧き上がる感情も必要なのかもしれません。
来年からの療育では、表情が分かりにくく、問題行動で、養育者の気を引こうとする親子には、
にらめっこしましょ!わろたら負けよ!
で、いっぱい遊んでもらおうかな。と思います。
養育者さん達、覚悟しといてください(^^)笑
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