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安彦さん、ガンダム動きましたよ

ジークジオン!…いや僕は「宇宙人は空にいればいいんだよ」のティターンズ派です。こんにちは。(正確には言った人は連邦所属だけど)どうでもいい前置きは終わりにして、先日、というか今しがた「ガンダム」を創った男たち。(著・大和田 秀樹)を読みました。機動戦士ガンダムが制作入る前から映画3部作までの歴史を、おもしろおかしく(ムダヅモ無き改革の大和田氏なので盛りに盛ってるw)、しかしながら真実も混ぜつつで漫画化した作品ですね。SNS等で1コマだけ画像で流れてきたりと、前々から気になっていた作品ではあったのですが、今セール中だったのでちょうどいい機会と思い読ませていただきました。

内容は1話目からアムロ役の古谷氏が「親父にもぶたれたことないのに!」の有名なシーンを収録してるところで、四苦八苦ところに富野監督が実際に演技指導というなの鉄拳を食らわせて、古谷氏がリアルな演技をつかんで今名を語り継がれるみたいな始まりで始まり、その後も安彦良和氏や池田秀一氏など役者、スタッフ、スポンサー等知ってる人らが出てきて面白かったです。流石に殴ってはないと思う(思いたい)のだけど、しごきの富野と言われるみたいに、古谷さんや後のVガンのウッソ役阪口氏もよく当時指導が辛かったみたいな話もよく聞くのでもしかしたらありえるかも…くらいの嘘は面白いからいいかなって思いました。ただ池田さん出てきたときに飲みながらオーディション受けに来たは流石にないだろwていうか初対面みたいな演出してたけど絶対違うし(富野監督の前の作品、ダイターンで池田さん声優デビューしてる)とは思いましたね。まあ、他にも色々突っ込みどころはあるんですけどそこらへんは笑って読んでいきましょう。アオイホノオで耐性ついてるんでそのへんは大丈夫でした(あくまでそっくりな名前のフィクションということで)。


初登場の池田シュウイチ氏。顔は似てるから困るw

物語は紆余曲折ありながらもなんとかTV版ガンダムは放送でき、そしてまた右往左往しながらも映画版上映までかけつけます。そして有名なアルタ前でのイベント「2・22アニメ新世紀宣言大会」まで進みます。TV版最初の低視聴率からは想像できないほどのムーブメントを起こしたガンダムの映画とあって、当時の松竹から派遣された、昔宇宙戦艦ヤマトにも関わっていた野辺氏の計らいによって行われたものらしいです。劇中で野辺氏は「祭りは日が大きければ大きいほど人が寄ってくる。そういうのを僕は間近で見てきた。」と言っています。新しいアニメを作る、アニメを10年進めると言っていた富野監督たち制作側の熱意が、遂には松竹の社運をかけてのものになっているのが伺えます。当時のことは漫画でも力入れて描かれており、またガンダムの制作歴史を語る上で今も重要な場面になっております。web記事や当時の動画などもたくさんネットにあるので、一度見てみることをおすすめします。意外と読んでくれている貴方のご両親や上司なども参加していたかもしれませんよ?


上の画像は舞台セッティングしてる際の富野監督と野辺氏の一コマ。当時のニュース動画とか見るに5メートルくらいの看板で、でけぇと監督が驚くのも頷けます。でも(当時言ってたかわかりませんが)野辺氏はいつか18メートルのガンダムを大地に立たせたいと言っていますね。野望がでかいw
そして後にそれは現実にもなることは皆さんご存知の通り。人の技術の革新と、ガンダムへの情熱は30年立ってもなくなることはありませんでした。漫画の最後も、監督、安彦氏、そしてメカニックデザインの大河原氏が揃うってガンダムを眺めることで幕が下ります。


作中で安彦氏が富野監督に「いずれ動き出すだすさ、何十、何百年後かわからんがな。だろ?」と問い、監督にニヤッとするのかっこいいですね。そして今現在に、動くガンダムがいるのも熱い。安彦さん、結構早く動くガンダムが出てきましたよ。とは言っても、監督たちの中で動くというのは大地を歩き、ビームサーベルで立ち回る姿かもしれませんけどね。でも昔やってたNHKの番組で、完成したガンダムを見た監督はとても嬉しそうでしたがw(僕も当時見てて制作チームの技術力に驚きとワクワクを強く感じました。)

出来上がりを見て喜びを隠せない監督

こういう伝記ものとか、半自伝的な作品見ると昔はよかったっていうだけじゃないかって感想もよく見るし、実際それだけみて喜んでいる人もいるのは確かです。ただ、それ以上に今でこそトップランナーや時代を作った人たちも、若いときに酸いも甘いも噛み分けていることで今がある。それらを学ぶことで自分も前に進む活力にしたり、今逆境に立たされているけど突破できれば道は開けるはずだという希望の力にもなると思うのですよね。少なくとも自分はそういうのも欲しくて、今作やアオイホノオ等を読んでいる部分もあります。当時のやり取りや空気感を楽しみたいってのも大きいですがw
今作、ガノタの方には勿論、よく見る富野ってハゲの爺さん何もんやねん?って方にもいい入門書になるかなと思います(全部は信じなくていいけどw)。ご興味あればぜひ手にとって読んでみてください。では。


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