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「ズルい」と思う人が少ない国

先日、クアラルンプールで行われたあるラマダン(断食)のバッフェのメディア向けフードレビューに行ってきました。

マレーシアで毎年6ー7月にあるラマダン(断食の月)。
この時期のディナーの時間には、レストランはイスラム教徒のための特別メニューを用意します。特に食べ放題のバッフェは人気です。

各ホテルやレストランはこのイベントに向けて特別料理を披露するのです。

ところが、このバッフェに華人やインド人、私たち日本人も参加します(あるモスクの食事イベントに呼ばれたこともあります)。

日本でだったらどうだろう? 「断食してないくせに、食事だけ楽しむのはけしからん」という人が出てきそうな気がします。そういえば、異教徒でましてや外国から来た日本人が楽しんでても、本当に良いのだろうか? 以前から気になってたのです。

断食してない異教徒がラマダン・バッフェを楽しんでいいのか

たまたま、この日のメディア向け発表会では、私のテーブルは主にムスリムの新聞社の人が主でした。なので、「断食してない人がラマダン・バッフェを楽しむことに対して、ズルいって怒る人はいないのですか」と聞いてみたんです。

最初は「どういう意味で言っているのかよくわからないな」と困惑されてしまいました。

「断食明けの食事は断食をした人のためのお祝いでしょ。それを断食してないくせに異教徒が食べることについて、快く思わない人もいるのでは?」と噛み砕いて説明すると、理解してくれたようです。

あるマレー人は、「そういうことは、全くないよね。私はマレー系だけど、中国正月ではライオンダンスが大好きでいつも楽しみにしてる。それと同じ。キリスト教徒のクリスマスには、綺麗なデコレーションを見てエンジョイする。マレーシア人は異教徒の文化でも全部楽しむ」とが説明してくれ、別の新聞社の人は「それが多文化が共生するマレーシアのやり方だよね」とうなずていました。

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