見出し画像

迷惑をかけ合うと幸せになる理由

マレーシアにいると幸福を感じるわけ

「マレーシアに来ると癒される」という人がいます。
私もそうで、東京にいた10年前、マレーシアに旅行に来るたび、幸せな気持ちになるのが不思議でした。

日本の方が便利だし、インフラも整っていて、治安もいい。
なのになんでだろう。
当時の私は、言語化することができませんでした。

最近、理由は社会にあるのかな、と確信しつつあります。
マレーシアではお互いに大いに迷惑を掛け合うのですが、それが居心地の良さに繋がっています。一方、東京にいるときは「全員が敵」に見え、ハリネズミのように神経を尖らせていました。

今日はそんなお話です。

お互いに迷惑をかけあう人たち

昨日、クアラルンプールの商店街に行きました。ここは駐車場が足りず、二重駐車は当たり前の地域です。


人と人の距離感の近さにちょっと驚く方もいると思います。随分、図々しいのね、と言った人もいます。こんな感じで、エレベータでも駐車場でも、よく話しかけたり、頼みごとをされたりします。困っていると、助けてくれます。

話しかけてくるのは、マレーシア人だったり、出稼ぎのミャンマー人だったりフィリピン人だったり、欧米人だったり、いろいろです。

別の日、フードコートで一人ランチを食べていたときのこと。

隣の見知らぬ女性から「ラーメン頼んだら多すぎるので、一緒に食べてくれない?」と誘われて、半分ご馳走になりました。この方はシンガポール人でした。

新聞記事によれば、特にマレーシア人は見知らぬ他人を信頼する確率が高いそう。物乞いにお金をあげている人もよく見ますし、自動販売機で小銭がなくてもたついている人を見たら「ほとんどの人が1RM(28円)以下なら、自分のお金をあげる」という調査結果も出ています。宗教の影響もあるでしょうね。

これは今書いてる本に詳しく書きましたので、興味ある人は6月の集英社新書「日本人はやめる練習が足りない」をお待ちください。

GrabやAirbnbがタクシーより信頼される国です。

毎日の、見知らぬ人たちとのゆるい繋がり。
小さなコミュニケーションの繰り返し。
私のように失敗や間違いが多くても、いつも許される感じ。
図々しいお願いも頭ごなしに否定されない感じ。
どんな職業の人も堂々としてる感じ。

これが、私がマレーシアに住んでて「いいなぁ」と思うことなんです。

騙されないの? と不安になったあなたへ

これ読んで「そんなに簡単に人の誘いに乗って、騙されたらどーするの」っと思うかもしれません。外国では人の誘いに乗ってはいけない、って教わってるかもしれませんね。
東京時代だったら私も多分、そう思ったでしょう。

ここから先は

1,952字
この記事のみ ¥ 100

これまで数百件を超えるサポート、ありがとうございました。今は500円のマガジンの定期購読者が750人を超えました。お気持ちだけで嬉しいです。文章を読んで元気になっていただければ。