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静かに流行っている「多読」について聞きました

今日は久々に英語の話です。

密かに流行している「多読」という勉強方法をご存知でしょうか。多読を18年続けているKUMIさんに伺いました。

ーーどんな経緯で多読を始めたのですか。

私は外国大学を出て、20代で翻訳学校に通いましたが、ずっとペーパーテストや単語や文法が苦手でした。結婚・子育てを経て、2004年に多読に出会ってからは、ずっと通勤時間を利用し洋書を読んでいます。もう通算して18年になりました。数年離れる時期はあったものの、また読みたい本があると戻ってきています。

「辞書を引かない!」「わからないところは飛ばす」

ーー「多読」とはどんな勉強方法でしょうか。

今やっているのは、「SSS(Start with Simple Stories)」という英語学習法です。

とにかく易しい本をたくさん読むのですが、その際に「3原則」があります。

・辞書をなるべくひかない
・つまらなくなったら途中で止めていい
・わからないところは読み飛ばす

です。

ーーそんなので良いのですか?

私もペーパーバッグの「ナルニア国物語」を買って挫折したりしていたので、「え、そんなんでいいの」と思いました。SSSの掲示板でもそれで問題ないと。私にはこの方法が合っていました。

ーーどんな本からスタートするのでしょうか。

 まずは本当に簡単な本から始めます。現地の3歳くらいの子どもの本からスタートしました。これだと辞書がなくても知っている単語でほぼ読めます。「しまじろう」の絵本と似ていて、同じ表現が何度も出てくるので、絵と単語を見ていると、辞書を調べなくてもわかってくるので、とにかく量をこなします。

ーー辞書を引かないんですね。

 読むリズムが大切なんですね。

日本語の本を読むのと同じだな、と思いました。私は小説を読む時、ストーリーの主軸を重視して、関係ないなと思ったら細かい情景描写を読み飛ばして先に読み進めるのですが、それと似ているなと思います。
 先ほどの「3原則」に続きがあり、わからないところを飛ばしても、ストーリーの6割がわかって、面白ければ、それは「あなたにあっている本」というわけです。

ーー大人なのに絵本を読んで、楽しめますか?

個人的な好みになりますが、私は楽しめました。

実は子どもにも英語が学べるかなという下心がありました。結果的に子どもの学習は失敗したけれど、せっかく買った本を有効利用しようと考えました。

例えば、ロングマン社のシリーズ「Longman Literacy Land Story Street」は、登場人物4人の4歳から中学生までの成長ストーリー。それぞれの家庭に事情があり、途中で両親が離婚するとか、ペットがなくなるとか、成長エピソードに夢中になって、感動して涙を流したこともありました。

おすすめは続巻のあるシリーズ物です。2巻目、3巻目と読み続けられるとモチベーションが保てます。さらにその作家の作風が好きになると別のシリーズやタイトルを読みたいなとなって途切れません。

ーー確かに、書籍には好みがありますもんね。けれども、どうやって自分にあったレベルを探すのですか。

私は運が良くて、ちょうどAmazonが日本にできたので洋書が安く入手できるようになったんです。SSSのサイトに「初心者おすすめセット」が売っていたので、どかっと買って読み始めました。これがたまたま私にあっていて、ほぼ通勤時間、簡単なので行き帰りで1冊読める。順調に読めました。子育てで時間が取れなかった間は、読書タイムは通勤時間だけです。

ーー日本の読書好きと同じですね。絵本からスタートしてどうやってレベルを上げますか?

私の場合、児童書の世界が好きで、違う作家の同じレベルの本をたくさん読みました。初めは100万語を目標にしました。ハリーポッターなら一冊で7万語くらい。私が読んだのは最初は500語とか。「めざせ100万語!読書記録手帳」という手帳に記録しました。この手帳の巻末にレベル別の洋書タイトルが沢山載っていて参考にしました。

面白いと寝食を忘れて読んでしまう

ーー続けてると読めるようになるものですか?

読めるようになりました。ただし、日本語の本よりは疲れるので、ある程度集中しないと頭に入らないこともあります。でも、ちょっと疲れたらやさしいものに戻る。「多読好きあるある」で、読むよりも買うスピードが速くなって積読で簡単な本が溜まってくるんです。気力が出てきて、ちょっと難しいもの読もうと思ったら、すぐ手元にあるので読む。この繰り返しをずっとやってる。

ーー当初、何冊くらい読みましたか?

100万語を達成したのが1年半後で、当時は240冊くらい読んだと思います。こうして、時間と量を自然と積み重ねることができました。

ーー多読に欠点はありますか?

多読の欠点は自分の好きなジャンルに偏ることです。今は、厚めのものやヤングアダルトの傍ら、コロナの時に占いにハマり、占星術に興味を持って、そこからアメリカの学術書を買ってしまいました。占星術やタロット解説書は大人が読んでいるものを買って読んでいます。もはや英語を学ぶと言うより、ただ学びたいことを英語でやっているだけです。

ーー読むスピードは変わりましたか。

読むスピードも上がり、すごく面白いと思ったら2、3章くらいはだだっと読んでしまい、寝食忘れて夢中になってしまいます。

最近はAudibleで朗読もよく聞いています。「聞く」と「読む」を同時にできる人もいますが、私は読むスピードの方が聞くスピードより遅いので別々にしています。

ーー多読に向いてる人と向いてない人はいるでしょうか。

読書好きな人にはおすすめです。ただ、本を読んだことがないととっつきにくいかも。英訳した漫画から入ることもできます。
私はテスト対策的な勉強が全く性に合っていないので、今でも多読以外の勉強はほぼしていないです。

ーーありがとうございました。

「英語多読のメイプルハウス」ブログURL


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