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ナチュラルに差別発言してしまう人々

外国人と付き合って、初めて見えてくる視点というものがあります。ときに、差別意識ってとても無意識です。

人種とか国とかを上下関係で捉えている人が欧米人などにたまーにいます。正直、面倒になって話したくなくなります。これね、自分が同じことを言われてみると、嫌なんですよ。

自国が好きなのは良いのですが、そこで序列をつけて上から目線で来られると、なんだかなぁー、視野の狭い人だなーと思います。

発展途上国なのに……と思ってしまう罠

注意しなくてはいけないのは、マレーシアに来た日本人は無意識にこれをやってしまうのです。

私もそうでした。
最初は「わあ、発展途上国なのにこんなにビルがあってすごいね」とか「マレーシアにもモノレールあるんだー頑張ってるじゃん」なんて発言をしていました。

今思うとむちゃくちゃ失礼なこと言ってたと思いますが、当時はわかりませんでした。

単純に、世界は先進国と発展途上国のヒエラルキーがあって、途上国の人にはいろいろ教えてあげないといけないと考えてましたね。

特にマレーシアにとって、ルックイーストのお手本である日本は先輩に違いないと思い込んでいたようです。

この単純で無邪気な「思い込み」に人はイラつくのかもしれません。

そういえば、私は母子家庭で育ったのですが、「母子家庭で寂しかったでしょ」と言われる人とは距離を置いてました。決めつけられるのは嫌なんですよね。

まあ言い訳をすれば、無邪気というか、恐ろしく無知だったんですよね。学校の先生も、先輩も、そこは教えてくれなかった。そしてアホなので教わることが、世界の全てだと思い込んでいました。

世界を全て「上下関係」で捉えるクセが付いていました。

日本で育つと抜け落ちる視点がある


何しろ、生まれて一度も外国人と付き合ったコトがなく、友達も家族も親戚もほぼ100パーセントが日本人でした(台湾国籍の友達はいましたが)。
こういう環境で育つと、すっぽり抜け落ちてしまう視点があるのです。

それが、他民族との付き合い方なのだと思います。

あるとき長年のマレーシア人に「日本に留学するなら手伝ってあげるよ」と上から目線発言をして断られまして、ついに「あれ?」と気がついたわけです。自覚したとき、結構ショックでしたね。

経緯はここに書きました。

外国人相手の仕事では命取りになる

今、東南アジアでビジネスを展開したい企業が増えていますが、ビジネスも人と人のつながりなので、この「無意識な差別発言」は命取りになります。

最近では、ドルチェ&ガッバーナの中国での発言が問題になりましたね。

「リスペクトのない相手とはビジネスしたくない」と日本との付き合いを辞めてしまったビジネスウーマンを知っています。彼女は、日本人男性の女性差別的対応に耐えられなかったそうです。

多分、この相手の会社も悪気はないのでしょう。
繰り返しますが、差別発言、ビジネスでの命取りになるんです。

そういえば、クイーンの映画でもフレディ・マーキュリーが差別用語を投げつけられるシーンが出てきました。彼も英国でアジア系差別に出会ってきたので、名前を変えたのかもしれません。
同じアジア系としては印象に残りました。

この肌感覚はなかなか日本で身につきにくいのですが、外国人と付き合ってみるのは色々な意味でおすすめです。先に紹介したムーチョさんのように、外国人にホームステイしてもらうというのは良い方法ですし、ゲストハウスやお土産屋など、外国人を「お客様」とする環境で働いてみるのも良いかもしれません。

自分と違う人たちと会って、初めて見えてくる視点というのもあるなぁ、とつくづく思います。だから、世界に住む他の人たちとどう付き合うかを教えることも重要です。


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