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海外永住の増加の陰で、実は長期滞在者は減っている件

こんにちは。
海外移住する人が増えているというニュースがありました。

日本人の海外永住が増え続けている。生活拠点を移した永住者の数は2023年時点で前年比3%増の57万4727人となった。ここ20年ほど増え続け、新型コロナウイルス禍があっても右肩上がりの状況だ。背景には社会保障改革や男女平等が進まない日本に住み続けることへの長期的な不安があるのでは、といった指摘も出ている。

これだけ読むと、猫も杓子も海外移住しているように読み取れるのです。だがしかし、なのです。

「長期滞在者」の数は減っている

しかし、記事が引用している外務省の元データを見てみると、実は在留邦人の総数自体は減っています。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/index.html

在留邦人総数 令和5年(2023年)10月1日現在の推計で、わが国の領土外に在留する邦人の総数は、129万3,565人で、前年より 1万4,950人(1.1%)の減少となりました。成人数は102万5,339人で、在留邦人全体の79.3%を 占めます。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/index.html

では何が増えているかというと、「永住者」です。総数のうち、長期滞在が4.3%の減少、永住者が3.2%の増加です。日経新聞の記事は、この永住者を取り上げたものです。

在留邦人のうち、「長期滞在者」は71万8,838人(同3万2,643人(4.3%)の減少)で在留邦人全体の55.6% を占め、「永住者」は57万4,727人(同1万7,693人(3.2%)の増加)となっています。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/index.html

では「長期滞在」と「永住」は何が違うのか?

本調査における「永住者」とは(原則として)当該在留国等より永住権を認められており、生活の拠点 をわが国から海外へ移した邦人を、「長期滞在者」とは3か月以上の海外在留者のうち、海外での生活は 一時的なもので、いずれわが国に戻るつもりの邦人を指します。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/index.html

つまり、全体として海外に滞在する人は微減だけれども、もう日本に戻る気がない人は少しずつ増えている、ということらしい。

なぜ長期滞在が減っているのか

それはさておきなぜ長期滞在が減っているのか。

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