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ボヘミアン・ラプソディを見てクイーンのファンになるのはなぜか

クイーンのボヘミアン・ラプソディが人気です。
日本では興行収入100億突破だそうです。

なんでこんなに売れるのか。

私も、やっぱりこの映画をみてクイーンのファンになりました。
今回は、一体どうしてこうなったか、を考えてみることにしました。

私はマレーシアの映画館でたまたま予告編をみて興味を持ち、いくことにしたクチです。

もともとプログレッシブ・ロックと呼ばれるジャンルが好きで、クイーンは割と良いなー、程度の認識でした。
なお子供が一足先に大ファンでしたので、曲は結構知ってます。

ところで、マレーシアでのボヘミアン・ラプソディ上映には一悶着ありました。
イスラムの国であるため、同性愛の描写部分がカットされ、「どこがカットされたか」をめぐって論争になる騒ぎがあったのです。そこでストーリーのつながりが微妙でしたが、音響の良い映画館で大音量でロック聴くのって気持ちよい。それだけでもかなり満足しました。

余談はさておき、本題に戻りましょう。

大スターのコンプレックスに親しみがわく

一番印象的だったのが、フレディの登場シーンのある前半です。

彼も最初は普通の人で、ルーツや容姿にコンプレックスを抱えています。ここで、突然親しみがわくのです。きっと、誰しもどこかしら悩みを共有できるのではないでしょうか。容姿でからかわれた経験とか、自分の過去を重ね合わせた人も多いんじゃないかな。

理解できない遠い人だと思っていたら、実はすごく親しみやすい人だった。
このギャップにやられてしまった人、いると思います。これはあちこちで言われていることでもありますね。

そしてあら不思議。

フレディのコンプレックスに感情移入しつつ映画を見ると、知ってたはずのクイーンの曲が、なんだか好ましく感じられる……。


感情移入すると、曲が違って聞こえる

そして、大音量で流れてくる曲が「好き」から「大好き」になっていく。

それにしても、人生や背景を知ることで、曲まで好きになるって面白い感情の動きだなーと思います。

普通は逆で、曲を聞いて良いと思ううちに、アーティストの人となりが知りたくなり、ファンになると思うのです。

ところが、この映画は逆で、初期からのファン目線を(たった2時間ながら)疑似体験できてしまうわけです。アーティストの人となりを強制的に知ってしまうので、自然に「曲が聴きたくなる」仕掛けができている。曲を聞いくと、あ、もう一度あの迫力で聞きたいな、と思ってまた映画に行きたくなってしまう。

すごい仕掛けもあったものです。

そんなわけで日本に一時帰国したとき、二回目を家族で見ました。
するとさらに曲に慣れてハマっていくわけです。

制作側の思惑にすっかりやられてます。

表現者の素顔を知りたくなると、人はファンになる


映画から帰ると音楽が聴きたくなると書きましたが、この導線もしっかり用意されています。

太っ腹なことに、クイーンはほぼ全部の曲をYoutubeのオフィシャルで公開していますから、帰ってからも気軽に聞ける。

しかもクイーンはやたらジャンルや曲調をコロコロ変えるバンドで、キャッチーなメロディも多いので、誰でも、そこそこ気に入る曲が見つかってしまったりする。

私はハードロック・プログレッシブ・ロックが好きだから、似ていると言われてる初期のものも聞いてみようか、となりました。カーラジオで最初の3枚を聞いてみたら、2ndが素晴らしくてハマってしまいました。
特にこれがよかったなー。


今までなんでこれ聞かなかったんだろう。

情報も無尽蔵と言っていいほどあります。そのうち「もっといい音で聴きたいな」と思い、音源をお金を出して買うことになります。

気がついたら子供と同様、すっかりクイーン・ファンになってました。
クイーンの昔のCDが売れてるそうですが、同じ心理状態になってる人がいるんじゃないかなぁ。

昔、日本でビジュアル先行でハマった人たちも、雑誌を読み想像を膨らませて、曲を聞いて曲にハマるという流れだったのかなー。それにしても、このバンドが批評に潰されずに生き残ってくれたことに感謝するばかりです。

要するに、この順番とかきっかけなんて、実はどうでも良いのかもしれませんね。好きや嫌いに上下関係なんてないのですよね。

こうして新しいファンが誕生し、未来に音楽をつなげていくのかもしれませんね。

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