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二十四節気の養生法【2023 立冬】

 11月8日~11月21日(小寒の前日)までの2週間が「立冬」です。
暦便覧には「冬の気立ち初めていよいよ冷ゆれば也」とあります。いよいよ冬の気が立ち厳しい冬のはじまりますね。旧暦ではまだ9/25ということで本格的な冬の寒さはもう少し先です。日中はまだまだ20℃以上のところも多く、直射日光の下にいると暑いぐらいです。これから錦繍の秋が深まり山が紅葉に色づく頃なのですが、今年はどうなんでしょうね?
 冬になると、植物は葉を落としてエネルギーを春まで幹に蓄え、動物たちもムダなエネルギーを使わないように冬眠するなど、すべてのものがじっとしてエネルギーを浪費せず蓄えておく季節です。中医学では、冬は気持ちを外に出さずひそかに暮らすことが大切と考え、新しいことを始めるのも控えて、春に向けて陽気を蓄えることが大切と教えます。 

今月の癒しの庭園 「雲龍院庭園」

 今回は、泉涌寺は別格本山「雲龍院庭園」をご案内します。
 場所は、東山七条と九条にある泉涌寺本坊の南側ですが、さらに山の奥に入ったところです。泉涌寺は御寺(みてら)とも言われ皇室と非常につながりの深いお寺で天皇陛下などが京都に来られた際には必ずと言うほど立ち寄られます。その泉涌寺の別格本山の雲龍院は応安五年(一三七二)後光厳天皇の思し召しによって竹厳聖皐上人が開かれたお寺で、数々の天皇のご尊牌が祀られています。

雲龍院山門

 伺ったのは11/2でしたので、もみじはまだ青く紅葉はもう少し先のようですね。11/18~11/23までの6日間には夜間ライトアップもされるそうで、その頃には紅葉も色づいているかも知れません。通路に灯篭が置かれてあり幻想的な雰囲気を醸し出します。しかし京都の各地で、今年は猛暑だったためもみじの葉が枯れているところが多く、例年のような綺麗な紅葉が見られるかどうか心配されています。

泉涌寺の奥にひっそり佇む雲龍院

 青々とした苔ときれいに刈り込まれて手入れされたサツキや紅葉が美しい枯山水庭園と菊の御紋を象られた白砂庭園が美しい二つのお庭をご案内します。

 山門をくぐり釣り鐘の横を通り書院にある受付に上がります。
 玄関正面に「雲龍院」の名の通り大きな龍の水墨画が出迎えてくれます。雲を従えた飛竜が迫って来て迫力があります。邪悪な者を寄せ付けないように睨まれているようです。

正面で睨む雲竜

 本堂の龍華殿の屋根は「さわら」を薄く割った板を竹の釘で打ちつけた美しい杮葺きの屋根になっています。こけらという字は柿に似ていますが、本当は微妙に異なり柿は上が「、」で杮は市の縦線が下まで一直線に繋がっています。気づいてましたか?

本堂龍華殿(公式HPより)

 今回ご案内したかった庭園ですが、まずは書院の「れんげの間」からみられる「しきしの景色」です。雪見障子にある4枚の四角い窓を通して「椿・灯篭・楓・松」の違った絵を眺めることが出来るのですが、四季折々の違った景色をそれぞれに眺めることが出来て情緒を醸し出しています。
 下の写真は外から朝陽が射し込み明るいお部屋の写真です。

れんげの間の「しきしの景色」

 お寺の公式HPの写真では赤く色づいた楓が見られてとても綺麗です。小さな窓から少しだけ異なった景色が見れるのも奥ゆかしさが感じられます。

小さな四角い窓から異なった絵を見るよう(公式HPより)

 また、雪見障子を開けた景色も掲載されていますが、こちらは鮮やかな紅葉が目に飛び込んできて迫力がありますね。それぞれにまた異なった情緒を感じることが出来ます。

 となりの「大輪の間」から眺めるお庭も風情があります。こちらも紅葉すると本当に見応えがあって綺麗でしょうね。
お庭も見応えがありますが、

一服の絵のようです

 赤穂浪士の大石内蔵助筆による力強い筆跡の「龍淵」の書。泉涌寺塔頭の来迎院にたびたび山科から通い、その茶室含翠軒で討ち入りの密議をしたそうです。昔は庭に大きな池があり、紅葉映える池を龍の棲み処「龍淵」と名付けたそうです。

大石内蔵助筆

 皇室とのゆかりが深いので境内のあちこちに菊の御紋が配されています。
右側のは「水琴窟」で池はなくなりましたが、竹筒に耳を当てると守り神としてこの地に留まる龍の息吹が聴こえます。

あちこちに見られる菊の御紋

 書院を奥に進むと「悟りの間」があります。ここにはまん丸い悟りの窓がありお庭の紅梅が見られます。春になると紅梅、海棠、シャクナゲが順番に花を咲かせ丸い窓から眺められます。丸い窓が真正面に見られるところに椅子が置いてあります。丸い窓から庭に咲く花を眺めていると悟りを得らるでしょうか?丸い窓の左手には火の鳥を従えて怖い顔をした不動明王がこちらを睨んでいます。

悟りの窓と不動明王

 右側の写真の灯篭の横に配された庭石は、かの「方広寺」の大仏殿の礎石と伝わっています。礎石を見るだけでも大仏殿の大きさが想像できますね。

 菊の御紋が象られた白砂庭園。真ん中には徳川慶喜寄進の灯篭が置かれています。孝明天皇陵にあったものを幕末動乱期に薩摩藩が放り投げた灯篭をご住職が取りに行ってこの地に置かれたそうです。

霊明殿の白砂庭園

 孝明天皇らの援助により建立された皇族の御位牌堂の霊明殿。歴代天皇や皇子・皇女の尊牌が奉安されてあり、後光厳・後円融天皇座像が安置されてあります。

徳川慶喜寄進の灯篭

 本堂の龍華殿には、日光月光両菩薩を従えたご本尊の薬師如来坐像が祀られてあります。薬師如来さまに手が届くかというほどまで近づいてお参りさせていただけます。となりには不動明王像も祀られ薬師如来をお守りされています。
 写真右側の怖い顔をされているのは、方丈台所に祀られた「走り大黒天」。鎌倉時代の作だそうですが、俵の上に乗ってニコニコと笑っている見慣れた大黒様とは異なり、左足を一歩前に踏み出し大きな袋を背負ったわらじ履きの怖い顔をした大黒様ですね。でも家にまで幸福を持ってきてくださるそうです。

本尊の薬師如来坐像と走り大黒天

 天皇はじめ皇族専用の勅使門。近年では常陸宮妃華子殿下がこちらを通ってお参りになられたそうです。

勅使門

 泉涌寺のまだ山奥にひっそりと佇む雲龍院。紅葉の観光が始まった京都ですが、この日はまだ朝も早くひっそりしていました。鳥のさえずりや水琴窟に滴る水の音や晩秋のやさしい陽射しに照らされたお庭など、縁側に腰かけてボーッと眺めていると本当に癒されます。皆さまの地元でもそろそろ紅葉が始まりましたか?本格的な冬が来る前に紅葉狩りに出かけましょうね。

立冬の養生法

いよいよ冬の始まり

 もう冬の始まり「立冬」です。これから朝晩の冷え込みが増して気温も10℃以下になると、木々は色づき始め、紅葉が美しくなります。
なのですが、今年は本当に異常です。11月に入っても25℃を上回るところも多く「夏日」が続いています。2~3日前ニュースで東京お台場の海で水浴びをしている子どもたちが映されていました、異常気象が続いているので、各地の気候や自分の体調に合わせた養生法が大切ですね。
 とは言え、北から寒気が降りてくるとアッと言う間に冬の気候に変わりますから毎日の天気予報などに注意してその日その日に対応した衣服など体温調整が大切です。

亥の子餅の日

 干支の「亥」は五行ではに配され、火を防ぐという願いを込め、その年の最初の亥の月(新暦10月)の亥の日(節が変わってからが旧10月になるので今年は11/13)に炉開きやこたつ開きをする風習があります。たびたび大火に襲われた江戸では、火事を出さないという願いを込めてこの日に火を使うこたつなどを出して火を入れたそうです。
また、平安時代の昔からこの日の亥の刻(21~23時)に亥の子餅を食べると無病息災や子孫繁栄になるとの願いを込め、家族揃って亥の子餅を食べられてきました。亥の子の日は冬が始まる季節の行事ですね。
京都の和菓子店でもさまざまな亥の子餅が並びます。またまた今年はどこの亥の子餅にしようか?悩ましいところです。

亥の子餅、美味しいですね

冬三月…

 立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒の六節気をと捉えます。冬の気候は厳しい寒さで、自然界では陽気が消え陰気に覆われ万物が閉ざされ、動植物も休眠すると考えます。
私たち人間も、この自然界の気に合わせ、活動的にならず静かに過ごし、カラダの陽気を蓄え漏らさないように心掛け、温陽を補い、春になって再び元気に活動できるように気血をしっかり蓄えておくことが大切です。

冬三月…此謂閉蔵。水冰地坼、無擾乎陽。早臥晩起、必待日光、使志若伏若匿、若有私意、若已有得。去寒就温、無泄皮膚、使気亟奪。此冬気之応、養蔵之道也。逆之則傷腎、春為痿厥、奉生者少。 
                   (黄帝内経素問・四気調神大論)
 2000年以上前に書かれた最古の医学書「黄帝内経」には、『冬の3ヶ月、これを閉蔵という。大河の水は冰り、大地も凍って裂ける。人は陽気を搔き乱してはいけない。早く寝てゆっくり起き十分な睡眠をとり、太陽が出てから働き始める。そして感情を伏せて心を隠すようにして静かに過ごし、厳寒を避けカラダの中の温陽を保ち、皮膚を引き締め、陽気を奪われないようにする。これが冬の気に応じた養生の道である。これに逆らえば腎を傷め、春に痿厥の病になり、手足が冷えて動かなくなり、春の発生を受ける者は少ない。』と書かれています。

立冬の気候的特徴

万物が氷に閉ざされる季節

 新暦では11月7日頃、太陽黄経が225度になると立冬です。「立は、始まり、冬は、終わり」を表し、伝統的にこの日が冬の始まりで一年の農作業が終わり、収穫したの作物を蓄えることを意味します。
 日本は南北に長いので、北と南ではかなり気候は異なりますが、本当に寒さ厳しい冬は気温が10℃を下回る日が数日続いたときになるのでもう少し先ですね。近畿地方では例年では12月に入るとすぐにその年の第一波のシベリアからの寒気が降りて来て雪を降らせます。

 陰陽五行説では、冬はに属し、自然界の気は、五臓はが同じ水気に配されます。
中医学では、冬は腎が活発に活動する季節ですが、腎は寒気に弱く冬は腎を傷めやすい季節なので、冬を健やかに過ごすための養生法は「温補腎陽」「滋陰潜陽」「養腎防寒」などと言い、寒邪からの冷えを防ぎ、カラダの陽気を消耗しないようにして、しっかりと腎を補うとともに腎の働きを低下させないよう心掛けることが大切と教えます。

中医学的「腎」の働き

上海中医葯博物館

蔵精を主り、生長・発育・生殖を主る

 主(つかさど)るとは、主導して調整する、コントロールするなどの意味です。
 精(せい)とは、「精・気・神」と呼ばれる人身の三宝のひとつとされ、生長や発育、生殖さらに老化など生命活動を維持するための基本的な物質で、父母から生まれる時に授かった先天の精貯蔵します。
 生まれてからは呼吸や飲食による水穀の精微物質によって後天の精をつくり腎中の精補充滋養します。

 後天の精が補充され腎中の精気が成長とともに充実していくにつれて歯が生え代わり、髪が伸び、皮膚が丈夫になり、背が伸びて生長し、やがて青年期に入り女子は14歳、男子は16歳ぐらいになると天癸(てんき)に至り生殖機能の成熟を促す物質(卵子と精子)を産出します。それにより女子に月経がはじまり、男子に射精が起こり、生殖能力が備わります。成長に伴いカラダは強健になり女性は28歳、男性は32歳ごろが最も強壮となりますが、女性35歳、男性40歳ぐらいになると陽明経脈が衰えはじめ顔がたるんでやつれはじめ、徐々にカラダが衰えます。
 腎が弱り蔵精作用が低下すると、生長や生殖に影響が及び不妊症や脱毛、歯のぐらつき、小児の発育不全、筋骨痿軟(力が入らない)などの症状が起こり、やがて老化が進むと腎中の精が減少して衰えが目立ち、生殖能力が減退・消失し、カラダは衰退していきます。 
丈夫なカラダで日々健やかに過ごし、少しでも老化を遅らせるためには腎の働きを低下させないように心掛け、常に腎を補うようにすることが大切です。

水を主る

 腎のその他の働きは、生命活動を健やかに営むために必要なカラダの中の津液(水分)を蓄えたり、脾胃や肺と協力してその津液を全身に送り届けたり、不要になった水分を尿にして膀胱に送り体外に排泄して津液代謝の均衡を維持します。
腎が弱ってこの作用が低下すると、水液代謝障害が起こり尿少、小便不利、むくみなどが起こります。

納気を主る

 呼吸は肺が主っていますが、肺が吸った精気を腎が摂納することによって肺への空気の出入りが円滑になり、深い呼吸が出来て、内外の気を正常に交換することが出来ます。
腎が弱ってこの作用が低下すると腎不納気となり深い呼吸が出来なくなり、浅い呼吸や過呼吸、息切れ、呼吸困難などが起こります。

五行との照応関係

五行色体表

 腎は、五行の水気に属し膀胱耳、骨などの臓腑器官と密接に関係しています。

腎の働きと関連する諸器官

 腎の志はで、対象を明確に捉えたビクビク、オドオドした精神状態で、この状態が続くと腎気不固となり遺尿が起こったり、心と腎は火(陽)水(陰)の関係で密接に繋がっており、腎が恐い感情を受けると心が傷み心の働きも低下します。腎が弱い人や老化したくない人には、あまり怖いホラー映画などはオススメしません。
 腎精は骨髄脊髄、脳髄など髄の源でもあり、骨の生成や脳にもとても密接に関係しています。
腎精が旺盛であれば、骨格も頑強で骨余と言われるも丈夫ですが、腎が弱ると骨粗しょう症歯が抜け落ちたりしやすくなります。
脳は髄の海と言われ、腎精が空虚になると物忘れ認知症にもなりやすいと言われます。
 は互いに補い養い合う関係があり精血同源と言い、血余骨余で互いに影響を及ぼし合います。老化が進み精や血が不足すると髪が抜けたり白髪になり、また歯も弱くなります。
腎は蔵精、肝は蔵血作用を持つので精血同源に従い肝腎同源とも言い、肝と腎も密接に繋がり互いに影響を及ぼし合っています。
 および二陰に開竅し、腎の精気が旺盛であれば聴覚も鋭敏で良く物事が聞こえますが、腎虚になると難聴、耳鳴りなどが起こり、老化が進むと聴力も衰え聞こえにくくなります。二陰前陰(生殖器)と後陰(肛門)をさし、腎精が不足して腎虚になると頻尿、遺尿、尿少、尿閉、尿漏れインポテンツが起こったり大便不通(便秘)や久泄(慢性下痢)、滑脱が起こります。 

腎が弱ると…

腎虚の症状

冬の薬膳的考え

 熊に襲われたというニュースが連日聞かれますが、この季節はクマやハチたちも厳しい冬ごもりに備えるので注意が必要ですね。彼らも人間たちから身を守る防衛のために襲ってくるのかも知れません。自然界では動物も植物も生存し続けるために、食料が豊富になるまで春までの営養をしっかり補い厳しい冬を過ごします。
 私たちも秋が深まり空気が冷たく乾燥して冬に近づいてくると、栄養が豊富で消化吸収の良い食材を選び、また寒い季節は免疫力や抵抗力が低下しやすくなるので免疫力や抵抗力を高める食材を選んで食べることが大切です。
実りの秋や食欲の秋となって美味しい食べ物が豊富に出回る季節になりますが、自分のカラダの寒熱虚実を見極めて、乱れたバランスを調える食材を選んで食べるように心掛けましょう。

冬の養生法は「温補腎陽」

1.養腎防寒

 冬になると体内の陽気は奥深くに納まり、生理活動も活発でなくなります。腎を補い、働きが低下しないようにすることが、冬の薬膳の最も大切なことです。腎精を補うために動物性食品を摂り、ビタミン・ミネラルの補充も心掛けましょう。例を挙げると、牛肉、羊肉、烏骨鶏、フナ、大豆、豆乳、野菜、豆腐、クルミ、栗、松の実、黒きくらげ、黒ゴマ、黒米などが冬にオススメの食材です。

2.硬いものは避け、温かい物を食べる

 硬く粘り気のあるものや生ものの多くは陰性の食材です。冬にこういった食材を食べ過ぎると脾胃が損傷されやすくなります。また、冷たい物の摂り過ぎは脾胃を冷やし血の巡りを滞らせ、血虚体質になります。逆に熱過ぎる食べ物は食道を傷めたり、胃に熱をこもらせたりします。
冬は暖かく、柔らかいものを食べることがオススメです。

3.苦味を多く、鹹味は少なく

 冬は腎が活発に活動する季節です。鹹味(塩辛い物)は腎を活発にしますが、摂り過ぎるとかえって旺盛になり過ぎて、その結果、心(しん)の働きに悪影響を与え心(しん)を弱めてしまいます。
冬は塩辛いものは控えめにして、苦味の食材を多く摂って心(しん)を養い、腎の活動を調整することが大事です。
特に鹹味の食材は魚介類や海産物など寒涼性の食べ物が多いです。冷え症の人は控えめにし、冷え症じゃなくても生食は控え、温めて食べるようにしましょう。

4.ビタミンやミネラルを充分補充

 冷え症さんは熱の生産量が少なく腎陽虚体質です。腎陽虚はミネラルの不足と密接な関係があります。カルシウムは心筋や血管、筋肉の柔軟性などに影響しますのでニンジン、百合、山芋、レンコンなどミネラルを多く含む根菜類を多く摂るようにすることがオススメです。また貧血女子は鉄分が少なく、エネルギー生産量が13%も低いことがわかっています。金針菜など鉄分が豊富な食材で鉄分補給も大切です。
 また寒邪は酸化作用を促進させるのでビタミン代謝も大きく変わってきます。ビタミンA、Cは寒さに対する抵抗力を高め、風邪や高血圧、動脈硬化、心疾患・脳血管障害などの予防やビタミンBは口内炎などの予防に有効です。ビタミンA、B、Cを豊富に含む新鮮な野菜や果物を食べるようにしましょう。(ただし野菜や果物とはいえ生食の食べ過ぎはカラダを冷やしますよ)
 冬に生姜を食べていれば、寒さなんか怖くない…といわれますが、生の生姜は発汗作用を高め胃液の分泌を促進させ食欲を増進させてくれます。一方、一度蒸して乾燥させた乾姜は温陽を補いカラダを温める作用があります。寒邪を取り除き感冒や頭痛、咳、嘔吐などの予防にオススメです。
乾姜は簡単に作れますが、作り方はネットにたくさん出ていますので参照してください。

5.適度な水分補給も

 冬は寒いので汗もかかないため、あえて必要以上に水分補給する必要はありませんが無感蒸発と言い知らず知らずのうちに皮膚から蒸発したり尿や便で排泄されたり、気道を潤すためなど1日に約2000ml前後の水分が排出されています。通常は食事やコーヒー、お茶などで補えていますが、秋冬は特に空気の乾燥する季節なので、肺が乾燥すると皮膚は皺になり、筋肉は衰えて力が出ず、代謝産物が溜まり、疲労感、頭痛、眩暈、イライラ、無力感などの症状が現れたりさらに重大な病気を誘発する原因ともなる恐れもあります。冬の間も、適切な水分補給はきちんとしなければなりません。

 冬の薬膳的養生法においても、自分の今のカラダの寒熱虚実をきちんと把握して、その偏りを中庸に戻す温熱性、平性、寒涼性五臓帰経の食材を選んで摂取することが大切です。マスコミやネットの情報などで盲目的に「特定の食材」だけや「補給」だけを行っていてはかえって体調を壊す場合もあります。

冬におすすめの食材

京都伝統中医学研究所の"霜降”におすすめの薬膳茶&薬膳食材"

1.「温補腎陽」腎陽を補い温める薬膳茶&食材

 カラダを温め寒邪を侵入させないことが大切。だんだん空気が冷たくなってくると長時間外気に触れているとカラダはジンジン冷えていきます。長時間外に出かけるときや、帰宅が遅くなる時は寒邪の侵入を防ぐ防備をして出かけましょう。そして温かい飲み物で「」を補給しましょう。
また腎陽温煦と言ってカラダを温める作用があります。腎の気血を補い、全身に「」を運ぶ巡りを良くすることも大切です。  
温陽を補い巡らせるオススメの薬膳茶&薬膳食材は、
薬膳茶では、からだを温める黒のお茶、なつめと生姜のチャイ、黒薔薇茶、気血巡茶などがオススメ。
薬膳食材では、新彊なつめ、枸杞の実、竜眼、蓮の実、松の実、マイカイ花、桂花、茉莉花、紅花などがオススメ。  

2.「補腎」腎を補うための薬膳茶&薬膳食材!

 腎を補う食材は、黒い食材鹹味食材。黒きくらげ、黒豆、黒米、黒ゴマ、黒酢、黒砂糖など黒い食材は腎を補う食材。鹹味は塩辛いという意味ですが精製塩ではなく、魚介類、海藻類など天然の鹹味で補給。牡蠣、ホタテ、アワビ、ナマコ、イカ、エビなどは平性または温性ですが、タコやカニ、アサリ、シジミは寒涼性で冷やす作用があるので生で食べ過ぎないように。 昆布、わかめ、ひじき、海苔などの海藻類も寒涼性なので冷え性の人は必ず温かく調理して食べましょう。 
自分の今の体質に合わせて、それぞれの食材が持つ性味・帰経を選んで食べることが大切です。
腎を補い働きを高めるオススメの薬膳茶&薬膳食材は、
薬膳茶では、肝腎かなめ茶、なつめ薬膳茶、なつめ竜眼茶、からだを温める黒のお茶、なつめと生姜のチャイなど、
薬膳食材では、黒きくらげ、新彊なつめ、枸杞の実、竜眼、金針菜、、百合、松の実、紅花、マイカイ花などがオススメ。

薬膳鍋セット薬膳火鍋紅白セット、手足冰凍改善鍋セット、冬の美薬膳鍋セット、四物湯セットは、いずれも薬膳食材もセットになってお得です。

3.漢方入浴剤 

ヨモギがたっぷり入った「ポカポカあたため乃湯」も効果的です。

  中医学や薬膳の知恵を毎日のくらしに活かして、体質改善や病気の予防に役立てて下さい。

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次回は、11月22日「小雪」ですね。
どんどん冬至に近づき陰気が旺盛になります。日中は暖かくても日がかげると急に寒くなってきますので、出かける時はくれぐれも冷えに気をつけましょう。風邪やインフルエンザも流行っていますので気をつけてお過ごし下さい。

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