久離

日常の観察を報告いたします。 毎週末に更新予定。

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最近の記事

    • 散歩と生命

      トンボの影がアスファルトに写り、ツユクサの青い花が地面を賑わせている。 近所の空き地はシオカラトンボの出会いの場と化している。未だ花は咲き、冬に備えて蜂がせっせと働いている。 晩夏が来た。南中高度による熱りも去りより冷静に太陽を身近に思えるようになった。 今年の夏はよく近所の空き地に赴いた。ここは鬱蒼とした雑草群が元気に育ち、動植物や昆虫の楽園となっている。 隣家の奥様がたまに顔を出して野良猫に餌をやる。話を聞くと、野良猫どうしでも殺し合いがあって何匹かやられてしまっ

      • 貼付選

        はじめに:糊と紙/環世界/フランケンシュタイン たまに段ボールに紙を張り付けたくなる。接着剤はボンドを使う時もあれば糊を使う時もある。価値が無くなったチラシ、溜まった用紙類や古雑誌がをよく切って貼る。印刷されている、特に流通していたものは殆どが何人かの人が関わり、意図を持って文章を書きデザインしイメージを作り上げたものだ。 意図の塊が発信者、主体を失い受信を待つのみの状態となって置かれている。捨てられることが確定した紙。現代に例えるなら検索エンジンの800ページ目くらいに

        • 写真選

          ベケットと写真 「自分の生み出したものと同じ闇のなか、あるいは別の闇のなか。さらに想像しなくてはならない。例えば自分の姿勢。立つ、あるいは座る、あるいは横になる、あるいは闇のなかで、他のごくありきたりの姿勢でいる。さらに想像すべき様々な答えの中の答え。同様に別の問いに対しても、さまざまな答えがあるなかで。」 サミュエル・ベケット「伴侶」 なぜ写真を撮ってプリントし、こうやってスキャンしてネットにアップしているのかわからないが、ベケットの「伴侶」が思い浮かんで、これだと感じ

          富山小記

          これは2017年1月に富山へ行ったときの記録です。写真をはさみながら当時の文章を手記風に纏めてみました。 20170122 人生初のヒッチハイクで富山県富山市に来ている。辿り着いたのだ!今、富山市内のホテルでこれを書いている。 朝の出来事から綴る。12時頃に大泉ICに着く。晴れている。OK。ここがスタート地点。ICに入る手前の交差点で、信号が赤になった時に止まった車へ行先を書いたスケッチブックを掲げてアピールをする作戦。想像はしていたが、最初にスケッチブックを出す時は足

          富山小記

          夏を涼しく過ごすための選書6冊

          ・はじめにかえて 惰性のページめくり 読書は時にして中断したくなるものです。そもそも本を進んで買って読む人は人口の半分以下であるし、本によって文字と向き合うことは今のスマホ時代にとっては、限られた情報と継続的に向き合うこととして、いわば抜本的に定義できるでしょう。マテリアルとヒューマンビーイング、そこには本と私しかありません。南方熊楠が「事」は「心」と「物」がまじわるところにうまれるといいます。例えば建築は「事」である、建築家の「心」とセメントなど資材である「物」があいまじ

          夏を涼しく過ごすための選書6冊